私の保険ブログへようこそ。うさたんだ。こう見えて保険関連のビジネスに関与していたFP(ファイナンシャル・プランナー)だ。
このブログでは、さまざまな種類の保険の「要・不要」について、できるかぎり論理的に考え答えを出すことを目指している。つまり、その保険に入らないと本当に困るのか?を現実思考で考えるってことだ。
「なんとなく不安だから」等の理由で保険に手を出すのは論外だし、保険をお守り代わりにするのもコストを食うだけだ。しかもマイホームやマイカーに匹敵するだけのコストを。
……と、長くなるので、このサイトへの思いとかはこっちに書くとして、以下のリンクから自分が気になる保険を見てみてくれ。
【新着】各保険ごとの考察
学資保険
JPかんぽ生命の学資保険『はじめのかんぽ』は検討に値する価値なし2019年7月30日学資保険の商品別レビューうさたんだ。今回は執筆時現在、世間を悪い意味で賑わしているJPかんぽ生命の学資保険『はじめのかんぽ』をレビューする。
結論から言うと、組織同様、検討に値しないゴミ保険という感想。さすがは「信頼と伝統の郵便局」から「悪質詐欺集団」へと昇格したJPかんぽ生命さまだな。
増えるどころか減ってしまう典型的なダメ学資保険
郵便局時代の名声もあって根強い人気を誇っているが、数年前の改定で返戻率100%以下のプランしかなくなってしまった。おわかりか? 何をどう頑張っても、払い込んだ保険料より受け取れる保険金のほうが少ないのだ。
論より証拠なので見積もってみよう。
【見積もり条件】 ・親:30歳 男性・子供:0歳 男性・基準保険金額:300万円・保険料払込済年齢:18歳・1日あたりの入院保険金額:1,500円
準備コース月払保険料保険料払込総額返戻率大学入学時1万4,990円323万7,840円92.6% 小・中・高+大学入学時 1万9,460円 420万3,360円92.7%大学入学時+在学中1万4,940円 322万7,040円92.9%
ご覧のように、『はじめのかんぽ』には3つの準備コースが用意されているが、どれを選んでも元本割れしてしまう。教育資金を増やすために学資保険に入るのに、赤字になってどうする、と助走をつけてツッコみたい商品である。
医療保障を外しても元本割れする
見積もり条件を見てお気づきの人もいるだろうが、『はじめのかんぽ』には、子供の入院や手術、放射線治療などの疾病・傷害保障特約が付いている( 『その日からプラス』 )。この保険が赤字製造機になる原因がこの医療特約にあることは容易に想像できよう。
では、外して見積もったらどうなるか? この医療特約は出生後しか付加できない仕様なので、子供の年齢を「出生前」に選択。すると、シンプルな貯蓄型学資保険として返戻率を知ることができる。
【見積もり条件】 ・親:30歳 男性・子供:0歳 男性・基準保険金額:300万円・保険料払込済年齢:18歳
準備コース月払保険料保険料払込総額返戻率大学入学時1万4,640円316万2,240円94.8% 小・中・高+大学入学時 1万9,110円 412万7,760円94.4%大学入学時+在学中1万4,550円 312万1,200円96.1%
2%ほど上がったものの元本割れであることは変わらず、契約すると必ずお金が減るという謎の貯蓄型保険であることが証明された。換言すれば、かんぽ生命を儲けさせる商品でしかない。
結論:まったくおすすめできない
以上から、加入するメリットを一ミリも見い出せないゴミ保険だと理解いただけだろう。なぜこんなものが堂々と売られているのかわからない。
それでも、これまでは「やっぱり郵便局だから安心…」と契約する人が少なくなかったが、今回の不祥事を受けて、そんなケースも激減するだろう。よかった、よかった。
保険を理解するには少々の知識が必要だからこそ、顧客の無知に付け込む営業職員は必ず現れる。今回の不祥事で明るみになったのはこの保険ではないが、悪質詐欺集団が扱う保険など検討にすら値しない。
かんぽ生命の件は本当に頭にきているので、業務停止命令など甘ったるい処分ではなく解体が望ましい。金融庁仕事しろ。 [...]
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学資保険とはどんな保険か?ここだけおさえる代表的な特徴3つ2018年11月9日学資保険の保障内容うさたんだ。
このページでは、学資保険を検討しているものの、実はイマイチ理解していないという人でも手早く理解できるように書いている。
「学資保険 とは」で検索すると、学資保険の仕組みについて事細かく書かれたサイトがわんさか引っかかると思うので、詳しく知りたい人はそちらをご覧いただきたい。
学資保険の代表的な特徴は3つ
1.定期預金よりもたくさんお金を貯めることができる
執筆時現在、定期預金(300万円〜1,000万円・10年)の金利は平均0.020%程度だ。といってもピンとこないかもしれないが、これは100万円を20年間運用しても4,000円くらいしか増えないくらい残念な数字だ。
それに比べて学資保険では、よい商品だと10万円以上も多くなって返ってくるものもある。
ここで「返戻率」という専門用語を覚えていただきたい。
要は、自分が払い込んだお金に対して戻ってくる率のことで、この数字が100%を下回っていたら赤字(元本割れ)に、上回っていたら黒字になる。数字は高ければ高いほどいい。
たとえば、返戻率が高いで評判のソニー生命の公式ページを見てみると、次のような返戻率例が掲載されている。
受取学資金総額:200万円
月払保険料:1万,5540円(保険料払込期間10年の場合)
払込保険料総額:186万4,800円
このケースの返戻率は107.2%。計算の仕方は、別に覚えなくてもいいでが、下記になる。
計算式
200万円(受取総額)÷186万4,800円(払込総額)=1.072 ×100 =107.2%
保険会社は、契約者から受け取った保険料を原資に国債などで運用しており、その運用益を乗っけて返してくれるイメージだ。
2.受取時期のパターンが豊富
学資保険で積み立てたお金が戻ってくるタイミングは、大きく2つ。高校入学や大学入学などの進学時期に合わせて受け取るか、一度にまとめて受け取るか。これは商品によって選択できるパターンが違う。
たとえば、昔は「学資保険といえばコレ1本!」みたいな存在感だった郵便局、現在のかんぽ生命では、次の3コースが用意されている。
大学入学時にまとめてもらえるコース
小・中・高+大学入学時と分割してもらえるコース
大学入学時と、在学中に毎年年金のようにもらえるコース
このように、受け取りパターンが選択できるのも学資保険ならではの特徴だ。どれが子供の教育プランに合っていそうなのか、保険を選ぶ基準の一つになるだろう。
ちなみに、各社によって名称は異なるが、こまめに受け取れる給付金のことを「祝い金」、まとめて受け取れる給付金は「満期金」と呼ぶ。そして一般的に、祝い金はそのときに必要なければ据え置きすることが可能だ。そうすることで、さらに返戻率を上げることができるのだ。
3.保護者の万が一に備えた保障が付いている
学資保険の特徴として最も覚えておきたいのはここ。契約者(保護者)が死亡したり、高度障害状態になった場合、その後の保険料の払い込みは免除され、保険金も予定どおり受け取ることができることになっている。
「保険料払込免除特約」といって、多くの学資保険は無料で付いている。有料だったとしても、これを外して得することは何もないので、必ず付けておくべきだ。ノロマで人のスキを突くことしか考えていないカメでもそうするだろう。
なお、万一の保障だけでなく、子供の医療保障や死亡保障、また育英年金が付けられる学資保険もあるが、返戻率が100%を切るのでお勧めはできない。支払った保険料が貯蓄部分と保障部分に分散すると考えれば当然だな。
「どうしても子供の医療費が心配……」などという人には反対しないが、教育資金を増やしたいというそもそもの目的に立ち戻れば、積み立てたお金が減るという選択肢はあり得ないと思う。
まとめ
以上、用語を含めてまとめるぞ。
定期保険よりもリターンが望める
とくに「返戻率」が高い学資保険はいい
進学時や卒業時にもらえる「祝い金」、満期時に受け取れる「満期金」と、受取パターンが豊富
契約者である保護者が途中で死亡した場合でも、以降の保険料の払込はせずとも、予定通り保険金を受け取ることができる。これを「保険料払込免除特約」という。
ではよいことずくめなのかというと…
現状はそうでもない。理由は、執筆時現在の学資保険に、過去ほどの魅力がなくなったからだ。
このあたりの話は学資保険の要・不要論に直結するので、知りたい人はこちらを読んでいただきたい。
【結論】現状の学資保険は返戻率がダメダメなので不要 [...]
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意外と気がづかない、返戻率に踊らされてはいけないシンプルな理由2018年9月10日学資保険の保障内容うさたんだ。
今日は、学資保険を検討する際に必ず出てくる「返戻率の盲点」について解説したいと思う。言われてみれば簡単、でも言われなければ気がづかない、そんなエントリだ。
5秒でおさらい。返戻率とは
読んで字の如し、払い込んだ保険料の総額に対して戻ってくる、つまり受け取れる満期金のパーセンテージのことだ。
君がどこかの学資保険に入り、総額で100万円払い込んで、満期金が110万円だったとき、返戻率は110%になる。簡単な計算だ。
・返戻率(%)=受取総額÷総支払保険料×100
当然、この返戻率は高ければ高いほどいいわけだ。110%より115%、115%より120%!
普通のプランだと15年や18年間かけて払い込むところを、5年や10年の短期払にすると、保険会社はそれを元手に運用しやすくなる。結果、月々の保険料負担はアップするが、返戻率は上げてくれる仕組みだ(保険料を一括払にするとさらに上がる)。
だからみんな返戻率至上主義みたいになって返戻率を追い求めるのだが、ちょっと立ち止まって考えてほしい。
それは、返戻率には時間の概念が抜け落ちているということ。
返戻率には「利回り」と違って時間の概念がない
ノロマなカメくんが君に「100万円借してほしい」と頼み、「15年後110万円にして返すから」と約束したとしよう。そして、カメはまあノロマだが誠実な奴ではあるので、15年後きちんと10万円を乗っけて返済した。君からすれば、返戻率110%だ。
一方で、うさたんが同じ金額を君から借り、「私は素早さがウリなので1年後に返す」と約束したらどうだろうか。1年後、君は110万円を受け取ることができ、返戻率はやはり110%だ。
もうわかっただろう。同じ返戻率でも、うさたんに貸した方が思いきり得だということが。
つまり「返戻率」という言葉には時間の概念がなく、見方を変えれば”論点ずらし”な計算式だという印象も持てる。
では、元のお金に対してどれくらい増えたかを、時間の概念も含めて表す「利回り」という視点で見てみよう。最も一般的な年単位の利回りの計算式はこうだ。
・利回り(%)=利益÷総支払保険料(元本)÷払込期間×100
論より証拠なので、同じ貸し借りの条件で利回りを計算してみよう。
カメくんに貸した場合は、
・10万円(利益)÷100万円(元本)÷15(年)×100=0.6
で、利回りは0.6%ということになるが、私に貸した場合は、
・10万円(利益)÷100万円(元本)÷1(年)×100=10
10%というとんでもない利回りがはじき出される。返戻率で見れば同じ110%なのに。
返戻率と利回り、両方の視点で見ることが大切。
以上で、返戻率に踊らされてはいけないシンプルな理由がよくご理解いただけだと思う。そもそも「返戻率」というのは保険用語であって、保険以外では使用されない言葉だ。同様の金融商品の特徴を表すとき、お金のプロはこんな言葉を使って説明しない。
保険会社は、返戻率も利回りも同時も掲載すればいいと思うのだが、そんなことは絶対にしない。利回りを載せたら学資保険の貯蓄性がしょぼいことが明らかになるからだ(まあ保険なので保障が乗っかってるのだが)。
返戻率なんて数字に何の意味もない!……とまでは言わないが、私たちは時間と共に生きている以上、自分のお金が年単位でどれくらい増えるのかを考えることは大切だと、うさたんは考える。 [...]
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【結論】2022年の学資保険も返戻率がダメダメなので不要2018年8月4日学資保険の必要性学資保険はもともと必要度の低い保険だったが(後述する)、2019年以降は底辺に落ちたな、というのが率直な感想だ。
理由は単純。返戻率がダダ下がりになったからだ。なかには従来のような払込プラン(18歳までに払い込む等)だと、返戻率が100%を下回るものもある。積み立てしているのにお金が減っていくという、なんとも摩訶不思議な保険もあるのが現状だ。絶対に手を出してはいけない。
2022年の実情:各社の返戻率ランキング
各社の返戻率は今どのくらいなのか? 論より証拠なので表にまとめた。見積もりの共通条件は下記。
契約者:男性30歳
子供:0歳
総受取金額:200万円前後
月払
表はかなり長いので、すーっと流し読みしてもらえればいい。それと、返戻率が高いもの順にソートしたつもりが途中から乱れているが、どうせおすすめできない保険だから気にしないでくれ。
なお、明示安田生命のつみたて学資は総受取金額を300万円にすると返戻率が上がる(最高105.7%)が、特殊ケースだと判断して除外している。
保険会社
商品名
返戻率
保険料払込期間
満期時
日本生命
ニッセイ学資保険
108.5%
5年
22歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅲ型
105.5%
10年
22歳
日本生命
ニッセイ学資保険
107.6%
5年
21歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅱ型
105.0%
10年
22歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅱ型
104.4%
10年
20歳
日本生命
ニッセイ学資保険
107.2%
10年
22歳
フコク生命
みらいのつばさ
105.5%
11年
22歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅲ型
103.7%
15年
22歳
日本生命
ニッセイ学資保険
106.3%
10年
21歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅱ型
101.9%
10年
18歳
明治安田生命
つみたて学資
104.7%
10年
21歳
フコク生命
みらいのつばさ
104.7%
11年
22歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅱ型
102.5%
17年
22歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅱ型
103.7%
15年
22歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅱ型
102.7%
15年
20歳
JA共済
学資応援隊(大学プラン)
101.3%
12年
22歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅱ型
102.7%
10年
17歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅱ型
101.7%
18年
20歳
JA共済
学資応援隊(大学プラン)
101.1%
11年
22歳
フコク生命
みらいのつばさ
103.8%
14年
22歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅲ型
102.6%
18年
22歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅱ型
102.1%
17年
20歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅱ型
101.2%
20年
20歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅰ型
102.1%
10年
22歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅰ型
101.8%
10年
20歳
フコク生命
みらいのつばさ
103.0%
14年
22歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅱ型
103.0%
15年
18歳
明治安田生命
つみたて学資
102.7%
15年
21歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅱ型
102.5%
17年
22歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅱ型
101.1%
15年
17歳
JA共済
学資応援隊(大学プラン)
99.8%
15年
22歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅱ型
103.3%
18年
22歳
JA共済
学資応援隊(大学プラン)
99.6%
14年
22歳
フコク生命
みらいのつばさ
101.9%
17年
22歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅱ型
101.9%
22年
22歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅱ型
101.9%
17年
18歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅰ型
101.7%
10年
18歳
日本生命
ニッセイ学資保険
104.0%
18年
22歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅰ型
101.5%
15年
22歳
日本生命
ニッセイ学資保険
103.7%
17年
21歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅱ型
101.4%
17年
17歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅰ型
100.2%
10年
17歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅰ型
101.2%
15年
20歳
フコク生命
みらいのつばさ
101.2%
17年
22歳
JA共済
学資応援隊(高校プラン)
91.1%
12年
18歳
JA共済
学資応援隊(高校プラン)
92.7%
11年
17歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅰ型
100.7%
17年
22歳
ソニー生命
学資保険(無配当)Ⅰ型
100.5%
17年
20歳
JA共済
学資応援隊(大学プラン)
98.3%
18年
22歳
JA共済
学資応援隊(大学プラン)
98.1%
17年
22歳
JA共済
学資応援隊(高校プラン)
90.4%
15年
18歳
JA共済
学資応援隊(高校プラン)
91.2%
14年
17歳
アフラック
夢みるこどもの学資保険
98.1%
10年
22歳
アフラック
夢みるこどもの学資保険
98.0%
10年
21歳
かんぽ生命
はじめのかんぽ
97.5%
12年
21歳
かんぽ生命
はじめのかんぽ
97.0%
12年
18歳
かんぽ生命
はじめのかんぽ
96.6%
12年
17歳
アフラック
夢みるこどもの学資保険
96.3%
17年
21歳
アフラック
夢みるこどもの学資保険
96.2%
18年
22歳
かんぽ生命
はじめのかんぽ
95.2%
18年
21歳
かんぽ生命
はじめのかんぽ
94.7%
18年
18歳
かんぽ生命
はじめのかんぽ
94.7%
17年
17歳
かつては110%超えだった学資保険も、現状では106%を超えたら優秀というレベルになったのがおわかりだろうか。それも、保険料払込期間を5年や10年といった短期払にしてこの有様だ。
短期払にすると月々の負担が増すんだが、増してこの程度か、と言わざるをえない。なにせ、100万円積み立てたとして、18年後に106万円になって返ってくる計算だからな。運動量のわりに筋量が増えないうさぎ跳びみたいなもんだ。
それでも銀行預金よりはマシだし、強制貯蓄効果もある、なにより自分(親)が死んだとき安心じゃないかという声もあるだろう。全否定はしないが、学資保険はもともと必要性が低い保険だと考えている。理由はこうだ。
銀行預金よりはマシだが低金利の長期間固定がイヤ
銀行預金よりはマシなのはそのとおりだ。定期預金の平均は0.0~なんぼの世界だし、学資保険のほうがよほど利回りがいい。
しかしネックなのは利率固定という点だ。ここ最近のような超低金利時代に18年間も固定されることに魅力を感じない。ほとんど増えもしない、自分で運用もできないお金を保険会社の懐に払い込んでいるようなもんだ。インフレにだって対応できない。
強制貯蓄効果が首を締める可能性もある
コツコツ貯蓄するのが苦手な人は確かにいるので、強制貯蓄効果には同意しよう。だが前述のとおり、肝心の貯蓄効果は低いと言える。
また逆に、止めたくても止めらないという側面を忘れてはならない。
教育費の積み立てを止める、という選択肢があるかどうかは別として、たとえばリストラにあったとか、残業がなくなったとかで収入に変動があり、保険料を払い込むのがキツくなったとき、途中解約すると払い込んだ保険料は7割程度しか戻ってこない仕組みになっている。要するに元本割れしてしまうんだ。
この、お金の流動性が低いというデメリットは、私でなくとも多くのFPなどが指摘している。
親が死んだときに安心?それは生命保険の守備範囲
確かに、払込期間中に親(契約者)が亡くなると、以降の払込は免除となり、なおかつ予定どおりの保険金を受け取れる学資保険の仕組みは良いと思う。
だがそれは学資保険でなくてもカバーできるし、死亡保障なら生命保険のフィールドじゃないだろうか。むしろ生命保険のほうが保険料が安くなる傾向にある。
実際に比較してみよう。《契約者:男性30歳、子供0歳、保険料払込期間10年、死亡保険金200万円》の条件で、ソニー生命の学資保険(22歳満期)と、オリックス生命の終身保険「RISE(ライズ)」とで比べてみた。
ソニー生命の学資保険:月1万5,788円(総額189万4,560円)
オリックスライズ:月1万3,194円(総額158万3,280円)
払込総額の差額=10年間で31万1,280円
どうだろうか? 万が一のセーフティネットを考えるなら、学資保険より生命保険のほうが優秀と言えると思う。
なお、ここでは比較のためライズの死亡保険金を200万円としたが、現実に親に万が一のことがあった場合、教育費より生活費のほうが遥かに重要なので、子育て世帯は死亡保障を第一に考えておくべきだ。
結論:学資保険の魅力は薄い
以上から、現状の学資保険は魅力がないため入る必要は見当たらない。強制貯蓄効果があるとはいえ、肝心の「貯蓄」はほとんどできないと結論付ける。
そもそも、学資保険というのは、多くが国債で運用されている。加入者からの保険料を国債で運用し、その運用益のいくらかが還元されている仕組みなわけだ。
……なら、自分で国債を買ったほうがいいのではないだろうか? 個人だと10年国債しか買えないため、利回りが違うのだが、知識のある人は、国債に加えて株や投資信託など投資をやっている。私はそうした積極的な人を指示する。
……
とはいえ、「教育資金のすべてを投資で用意しろ」は、さすがにマッチョ思考すぎるとも思う。
投資に慣れていない人はもうハラハラドキドキだろうし、資産の浮き沈みで過度のストレスになる恐れもある。最も大切な子育てに影響をおよぼすようなことがあれば本末転倒だ。
ではどうすれば良いか。私なら学資保険と変動商品(資産運用)を組み合わせて対応する。
組み合わせは、責めの姿勢なら学資3割、変動商品7割くらいのポートフォリオを組みたいが、怖いなら5:5、または逆の7:3などでもいいだろう。どうせ学資保険だけでは足りないのだから、多くの利回りを期待できる変動商品は入れておきたい。
学資保険選びは、四の五の言わずに返戻率で選ぶといい。払込みはもちろん短期払だ。できれば5歳、難しいなら10歳、最悪でも15歳(中学卒業)までには払い終えておきたい。教育費負担の実態調査結果(日本政策金融公庫)なんかを見ても明らかなとおり、一般的に、教育費は高校生から跳ね上がるものなので、それまでに積み立てておかないとそもそも積む、という現実があるからだ。
着実に貯蓄できる商品をしかるべき年齢までに貯めておきながら、一方で、多くの利回りを期待できる金融商品で補うという戦略だ。最近、保険会社が力を入れている外貨建て保険も一つの手だろう。ソニー生命が「米ドル建て学資プラン」なるものを出しているが、もはやそういう時代なのだ(手数料が高めなので勧めはしないが)。
変動商品にはリスクも付いて回るが、それも致し方ない。それくらい、現状の学資保険には期待できないのだから。
勉強しても知識が追いつかなければ保険ショップなんかにいくのも良いだろう。無料だし、金融庁から怒られて以来、保険相談は随分よくなったと感じる。専門家にシミュレーションしてもらい、家計に合った教育費準備プランを組み立ててもらうのも、なんとなく学資保険にだけ入っているより遥かにマシだとうさたんは思う。 [...]
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医療保険
落とし穴注意!三大疾病系特約のイケてる保障とダメ保障2022年3月10日医療保険の保障内容 / 医療保険の選び方三大疾病は、どんな医療保険にも必ずといっていいほど用意されている特約だ。
「がん・心疾患・脳血管疾患の3つは日本人の死因上位を占める重病で、治療期間が長引く恐れがあるため保険で手厚く備えましょう」というのが保険会社のセールストークである。
別に必須の特約とはいえないのだが、給付条件によっては付けたほうがお得なケースもある。そこで今回は、イケてる三大疾病系特約と、付き合っても何の価値もない三大疾病系特約の違いを解説しよう。
【三大疾病】がん保障の見極め方
うさたんが考えるイケてるがん保障は下記である。
がんと診断されただけで給付されるがんは悪性新生物だけを保障する初回給付だけしか出ない(複数回保障は魅力的だが絵に描いた餅に終わる可能性がある)(複数回保障タイプを選ぶなら)前回給付からの間隔が狭い
がんと診断された時点で一時金を受け取れるか
チェックポイントはシンプル。「所定のがんと診断されたとき」かどうかを見てくれ。「診断」という言葉を探そう。「入院したら」とか「手術を受けたら」とか、まどろっこしい前提が付いているものは避けたほうがいい。
複数回保障タイプは前回給付から何年か
がんは再発する恐れもあるため、なかには2回以上保障する特約もある。再発リスクを重く見ている場合、初回限定のがん保障より複数回保障タイプのほうが安心だろう。しかし、2回目以降は「がんと診断されて入院を開始したとき」など、少しハードルが上がるのが一般的だ。
問題は給付条件の間隔である。現状、多くのがん保険は、「2年に1回を限度」としている。しかし、一度がんになった人は再発確認のために定期的に検査するのが一般的で、不運にも再発するとすれば2年以内に起こることが多い。
つまり、「2年に1回」では機能しないことが多いのだ。できれば「1年に1回」としている保障のほうがよいだろう。
また、「○年に1回」とはいつの時点から数えているのか?も必ずチェックしたい。
前回のがん診断一時金金を受け取った後から?前回のがん手術が完了してから?前回のがん治療が終了してから?
どのタイミングから数えるかで話がむちゃくちゃ変わってくる。当然、早くから数えてくれたほうが嬉しいのはいうまでもない。
……ちなみに、再発しても早期発見すれば治療費はさほどかからないケースもある。わざわざ診断一時金に頼る必要がないのであれば、初回限定で終わる保障のほうが保険料が安くて合理的という見方もできるわけだ。
「所定のがん」とは悪性新生物のことか
がんには悪性新生物と上皮内新生物とがあり、平たくいえば前者が重いがん、後者が軽いがんである。上皮内新生物の場合、転移や再発の恐れがほぼないため、基本的には手術で除去すれば完治する可能性が高い。長く入院する必要はないし、治療費は知れているため、保険に頼る必要性が低いといえよう。
したがって、うさたんにとって上皮内新生物まで保障するがん保障はお断りである。上皮内新生物を保障範囲に加える分、少しとはいえ保険料も高くなるしな。
それでも、「がん」という響きは恐ろしいため、上皮内新生物まで保障してくれたほうが安心という気持ちは理解する。保険会社もそれがわかっているから「上皮内新生物でも保障!」と叫んでいるわけだが…要・不要はよく考えたほうがいい。
だが、上皮内新生物と診断され1回目の診断給付金を受け取った人が、不運にもがんが再発し、今度は悪性新生物と診断されたとしよう。前述の通り、2回目の給付は1回目より給付条件のハードルが高い。1回目の「軽いがん」で診断給付金を受け取っていなければ本当に必要なときに必要な額を受け取れたのに……!というケースは現実にある。
【三大疾病】心疾患の見極め方
「心疾患」を保障する給付条件に長々とした労働制限を設けていない治療のための入院や手術を受けたら給付される
心疾患を保障する
一昔前の三大疾病における心疾患は「急性心筋梗塞」だけを保障するものが主流だった。急性心筋梗塞は数ある心疾患の一つに過ぎず、同じく心疾患の病である狭心症や心不全は対象外だったのである。循環器の病気はどれも怖くて恐ろしいため、「心疾患」と幅広く保障する保険が望ましい。
給付条件に長々とした労働制限を設けていない
たとえ急性心筋梗塞になっても、「初診日から60日以上の労働制限を必要とする状態が継続したと医師が診断したとき」などという無理ゲー条件がまかり通っていた時代がある。要するに「約2か月間は寝たきり状態でないと給付金なんか出しませんよ」というわけだ。
ところが、厚生労働省がまとめた『傷病分類別の平均在院日数』(執筆時現在)によれば、心疾患全体の平均在院日数は19.3日、75歳以上に限定しても28.8日である。
そもそも急性心筋梗塞というのは、発症後の速やかな処置が重要であり、ここをミスると病院に到着する以前に死亡することも多いとされている。早い話、早期に亡くなるか、回復して2~3週間で退院するかのどちらかが多いのだ。
給付の可否を握る労働制限は30日でも長いほどじゃないか。
治療のための入院や手術を受けたら給付される
ハードルのクソ高い支払要件を一部のFPにボロクソに叩かれた結果、保険会社は随分と要件を緩和したように思う。最近は「所定の手術を受けたら」「治療のための入院を○日間継続したら」など、以前とは比べ物にならないほどユーザー寄りの保障が出てきた。
それでも一部にダメ保険は残っているし、「所定の手術」とやらがややこしいものだったり、「治療のための入院○日間」が長かったりする保障には要注意だぞ。
【三大疾病】脳血管疾患の見極め方
保障が「脳卒中」に限られていない給付条件に長々とした労働制限を設けていない治療のための入院や手術を受けたら給付される
保障が「脳卒中」に限られていない
考え方としては前述した心疾患と似ている。従来の保障は、数ある脳血管疾患のなかでも脳卒中(脳梗塞・脳内出血・くも膜下出血)だけを給付対象としてきたが、幅広く「脳血管疾患」といえよという話である。
脳血管疾患であればすべてを保障する保険はないと思うが、保障対象となる疾病は一つでも多いほうがいい。
給付条件に長々とした労働制限を設けていない
これも心疾患で述べたのと同様である。無理ゲーの60日ルールはほとんど見られなくなったものの、それに次ぐ厳しい支払要件を敷いている保険もある。難しくても約款は精読したい。
治療のための入院や手術を受けたら給付される
心疾患と脳血管疾患の支払要件は二卵性双生児のようなもので、顔も中身も非常に似ている。以前は厳しかった支払要件も、最近は所定の手術や入院期間をクリアすれば給付されるようになった。
とはいえ、未だに「嘘だろ?」という保険が平然な顔で生存しているので見極めを怠らぬよう。
脳血管疾患の平均在院日数は78.2日だが、平均を押し上げているのは65歳以上の高齢者だ。現役世代(64歳以下)は27.8日なので、治療のための入院継続期間が30日でも「いい保険だー!」と喜べはしない。
まとめ:三大疾病は支払要件を刮目せよ!
医療保険の三大疾病特約は以前に比べて改善しているものの、まだまだイケてる保障は少ないといえる。
また、がん保障は各社が足並みをそろえているが、心疾患と脳血管疾患はバラバラだ。がん保障が及第点だからといって残りの2つがクソな特約を選ばないようにしような。 [...]
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【辛口評価】アフラック『医療保険 EVER Prime』は従来の微妙さを継続中2022年3月3日医療保険の商品別レビューアフラックの『医療保険 EVER Prime』は、同社のブランドEVERシリーズの2021年版だ。新商品になるたびに適度にバージョンアップしており、まとまりのある保険に仕上がっているものの、「なんでそれ付けたの?」という特約もある。
なんのことかって? 健康祝金のことだよ!!
……と、健康祝金を求めている人には申し訳ないが、うさたんはあのオプションには大反対だ。では、この保険を「保障内容」「給付条件のわかりやすさ」「保険料」の3つの観点から説明しよう。
評価の概要
メリットだと思った点
日帰り入院でも10日分の入院給付金がもらえる(とはいえ微妙)必要な特約を商品の垣根を超えて追加できる三大疾病のがんは悪性新生物のみを保障する急性心筋梗塞・脳卒中の給付条件は入院のみ
デメリットだと思った点
日帰り入院でも10日分の入院給付金がもらえる新設された健康祝金が罠180日以内の再入院は有無を言わさず1回の入院になる保険料が安いとは言えない先進医療特約が更新型である
保障内容
アフラックは第三保険の先駆者であり、医療・がん保険の分野では期待しているのだが、どうも微妙なラインを出してくる傾向がある。
(△)日帰り入院でも10日分の入院給付金がもらえる
インパクトとしては強烈である。入院給付金を1万円に設定していれば日帰り入院だけで10万円もゲットできるのだ。医療費を差し引いてもよほどのことがない限りおつりがくるだろう。
しかし、その代わり保険料が高めになるのと、医療保険は家計のピンチに備えるものであって、儲けるためのものではないという原点に立ち返りたい。日帰り入院はもちろんだが、そもそも短期入院は大きな出費になりにくいのだ。
短期入院を手厚く保障する(とアピールする)医療保険は、一つ残らずこの矛盾を抱えている。
(○)必要な特約を商品の垣根を超えて追加できる
医療保険 EVER Primeは、『医療保険 EVER プラス Prime』という特約オプションの集合体と連携できる商品だ。ライフステージの変化や心配ごとに合わせて、特約を後からでも付加できる。
「だからどうした」と思うかもしれないが、一般的に医療保険というは、その商品単体に特約が紐付いている仕組みになっている。その商品が時代遅れになれば、特約も時代遅れになるのが通常だし、販売停止になれば特約も消失してしまう。
しかし、医療保険 EVER プラス Primeは単体で存在している特約群なので、昔入った医療保険だろうが、これから加入する医療保険だろうが、合体の対象となる医療保険の影響を受けにくいというわけだ。
※執筆時現在
これが、医療保険 EVER プラス Primeが一味違うところである。特約を自由自在にカスタマイズできる商品はほかにもあるが、商品の垣根を超えて、また販売時期の垣根まで超えて追加できる特約は珍しい。
ただ、代わりに特約料がやや高めになるのは伝えておきたい。
(○)三大疾病のがんは悪性新生物のみを保障する
がんになって家計をピンチに追い込むような医療費がかかるのは悪性新生物の場合である。上皮内新生物という軽微ながんは除去すればおしまいなことが多い。
上皮内新生物まで保障の幅を広げないということは、その分保険料を圧縮することにつながるので評価ポイントである。
(×)新設された健康祝金が罠
健康祝金は、「○年間に1度も保険請求がなければ君は健康だ!お祝いしちゃう!」といった名目でおりる一時金の総称だ。条件は各社商品によって違い、医療保険 EVER Primeでは「3年間で10日以上の入院をしなければ」となっている。
健康祝金の額は入院給付金日額の5倍。公式サイトのシミュレーションでは5,000円か1万円かを選べるので、最大5万円もらえる計算だ。
健康な若い人なら10日以上の入院をすることま稀なので、「おいしい」と思うかもしれない。しかし、そのお祝い金は保険会社が自腹を切ったものではない。
下記のシミュレーションを見てほしい。健康祝金あり・なしの年齢別の保険料差(月払)だ。入院給付金日額は5,000円とした。
年齢健康祝金あり健康祝金なし差額30歳男性:3,469円女性:3,677円男性:2,734円女性:2,947円男性:735円女性:730円40歳男性:4,590円女性:4,424円男性:3,830円女性:3,679円男性:760円女性:745円50歳男性:7,273円女性:6,185円男性:6,478円女性:5,445円男性:795円女性:740円執筆時現在の保険料です
たとえば、40歳の男性が健康祝金ありで加入した場合、760円のプラスなので、3年間の総支払額が下記の額だけ増える計算になる。
・760円(差額)×12か月×3年=2万7,360円
健康祝金は2万5,000円だから、おい!2,360円のマイナスが出ているじゃない!!
保険会社から多めに徴収された挙げ句、無事に3年間過ごしてご褒美をもらっても損をしている謎設計なのだ。当然ながら、3年間のどこかで10日以上の入院をすると差額の保険料はすべて没収……。
まったく意味がわからないため、健康祝金はアウトオブ眼中(古い)以外の何者でもない。
(○)がん診断給付金の給付間隔が1年に1回(通算6回)
現状のがん保険またはがん特約において、がん診断給付金の給付間隔は、短くて1年、長くても2年だ。したがって1年に1回受け取れる設計は良いと思う。
「通算6回しかもらえない点が不安」と評価する人もいるだろうが、6回ももらえたら十分だろうと私は思う。
給付条件のわかりやすさ
いくら保障内容が優れていても、給付条件が複雑なものはユーザーに優しくない。
(×)180日以内の再入院は有無を言わさず1回の入院になる
多くの医療保険は180日以内に再入院しても、入院の理由が違うなら別々の入院としてカウントするが、アフラックは「前回の入院の続き」扱いになってしまう。
これは先代の看板商品『ちゃんと応える医療保険EVER』でも同じで、アフラックが(なぜか)頑なに変えない給付条件だ。
このルールでは、たとえば胃潰瘍で14日間入院した人が、180日以内にまったく別の病気で入院しても、入院のカウントは「15日目から」になってしまう。1入院につき60日を保障する医療保険だと残り45日だし、30日型だと残り半分だ。
まあ、「わかりやすさ」が判定基準なので、わかりやすくはあるけれど、ダメだということがわかりやすいという意味で評価した。
180日以内の再入院についてはこちらでも解説しているので、よければ参考にしてほしい。
→勘違い注意!なにかとクセが強い医療保険の「入院」給付の数え方
(○)急性心筋梗塞・脳卒中の給付条件は入院のみ
急性心筋梗塞・脳卒中は「治療を目的として手術または入院をしたとき」と非常にシンプル。しかし、急性心筋梗塞は心疾患の一つでしかないし、脳卒中も脳血管疾患の一つにすぎない点は知っておきたい。
心疾患・脳血管疾患と範囲を広げると「治療を目的として手術または継続10日以上の入院をしたとき」と、少し条件が厳しくなる。昔は30日や60日なんて設定がまかり通っていたことを思えば、随分緩和されたのだなと感慨深くなる。
保険料
肝心の保険料だが、この保険は日帰り入院でも手厚く給付する、いわゆる「初期給付型」であるため期待はできない。
(△)保険料が安いとは言えない
保険料は「(×)新設された健康祝金が罠」のくだりで試算した通り。健康祝金なしの金額を抜粋すると次の額になる。
年齢男性女性30歳2,734円2,947円40歳3,830円3,679円50歳6,478円5,445円執筆時現在の保険料です
保障内容をまったく同じにはできないため完全な比較はできないが、他社であれば30歳・男女で1,500円~2,000円前半で抑えられる保険はたくさんある。
この保険が少々高いのはユーザーの心をくすぐるような設計に降った結果であり、致し方ないとも言えよう。超ど短期入院でも手厚く保障してほしい人には嬉しいが、うさたんのマネー哲学では手を出したくない保険である。
(×)先進医療特約が更新型である
先進医療特約のスペックは全社でほぼ横並びの状態だが、終身型か更新型かでは差がある。
医療保険そのものは定期型のほうが合理的だが、先進医療特約はどちらのタイプでも月に100円程度なので、だったら保険期間中ずっと変わらないほうがよいだろう。
将来、先進医療特約の付加保険料が爆上がりしている可能性は低いと思うが、今より安くなる可能性も低いと思うので、契約時に固定されるほうがよいだろう。
【関連】→ウサギでもわかる「先進医療」とは
まとめよう
ど短期入院を手厚く保障する保険は掛金が高いので微妙特約たちを後からでも追加できるのはアフラックのよいところ入院祝金が悪い冗談みたいな設計終身型なのでうさたんには不要
短期にも長期にも使え、必要に合わせて保障を選べる点はよいのだが、相変わらず微妙な一手を差し込んでくるあたりアフラックらしい。もっとも問題視している健康祝金は外せるものの、どうしたってマイナスになるお祝いを紛れ込ますなよという意味でおすすめはできない保険とする。 [...]
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数字にダマされるな!手術給付金1,000種類と88種類の違い2022年1月31日医療保険の保障内容「手術は約1,000種類をカバー!」。医療保険の手術給付金を説明しているページで、こんなセールスコピーを見たことはないだろうか。
「約1,000種?!そりゃすごい!」と思うよね? うさたんもピュアな子うさぎだった頃はそう思った。しかしこれ、一昔前は88種だったんだぜ。
「ここ数年で約900種も増えたのか!保険会社の努力の賜物だね」……んなーんて思ったら大間違い。1,000種と88種とでは、カウントの仕方が違うだけで、実際には約900種も増えたわけではない。保険会社が1,000という数字を言いたいだけなのである。
1,000種類と88種類の数え方の違いとは
約1,000種類とは、公的保険制度で手術料が算定される手術数のことを指している。ざっくり言えば「保険が効く手術は1,000種類以上あって、大体は手術給付金を出しまっせ」ということだ。ただし、魚の目の切除とか、虫歯を抜くとか、傷の処置とかは例外で、手術給付金は出ないのが一般的なので注意してもらいたい。
一方の88種類は、数ある手術を保険会社が大まかに「分類」した結果の数のことをいっている。テーブルの上にうまい棒のサラミ味とチーズ味、ビックリマンチョコが置いてあるとき、お菓子は全部で3つだが、うまい棒はひとくくりにして2つと数えることもできる。たとえて言うならそんな感じだ。
だから、1,000種類と88種類を比較して優劣を付けるのは難しい。一応、88種類を1,000種類の数え方に直すと約600種類になるといわれており、数字上の優劣は付くのだが、1,000種類の中にはめったに受けない手術も多数含まれている。人気がなくてほとんど手が付けられないバイキングのメニューみたいなものだ。
目を向けるべきは手術給付金の出方のほう
以上から、いいなと思った医療保険の手術給付金が88種を採用していても、そんなに気にする必要はない。注意したいのは数ではなく、手術給付金の出方だ。次の給付例を見てもらいたい。
A社入院給付金日額:1万円、手術給付金:入院給付金日額の一律10倍B社入院給付金日額:1万円、手術給付金:手術内容に応じて、入院給付金日額の5倍、10倍、20倍
あなたがお得だと感じる手術給付金の出方はA社だろうか、B社だろうか? うさたんはB社だ。理由は、A社よりも受け取れる手術給付金の最大値が高いから。命に関わるかもしれない重大手術を受けても、A社では10万円しか払ってくれないのは残念だ。
もちろんB社では、軽い手術等だと5万円しか受け取れないケースもある。だが、そもそも簡単なオペの手術料は知れており、家計が崩壊するレベルの額にはならない。いつも口酸っぱく言っているように、保険は自分では対処しきれない経済的リスクをカバーするために入るのである。
まとめ
手術保障が従来の88種ではなく約1,000種とする医療保険が出てきたのは、そちらのほうがわかりやすく、アピールにもなるから!「古い保険から乗り換えてくれるかもしれない」という保険会社の魂胆が隠れている!大切なのは手術数ではなく、給付金の出方だ!
以上。今回の記事が、あなたのお役に立ったなら嬉しい。 [...]
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【辛口評価】楽天生命『スーパー医療保険』楽天ユーザーなら検討してもよい……かも2020年12月5日医療保険の商品別レビュー楽天生命『スーパー医療保険』は、楽天生命が販売する医療保険の中核を担う商品だ。短期から長期までの入院リスクをまるっとカバーする『1095α(アルファ)』、使わなかった保険料の掛け金が戻ってくる『スーパー医療保険 戻るんです』と違い、ベーシックな設計になっている。
私の感想を一言で表すと「楽天経済圏で暮らすユーザーなら、いいんじゃね?」だ。うさたんがどうしてそう思ったのか、「保障内容」「給付条件のわかりやすさ」「保険料」の3つの観点から説明するぞ。
評価の概要
メリットだと思った点
楽天スーパーポイントが貯まる(積極的な楽天ユーザーには嬉しい)がん診断給付金の給付間隔が1年に1回(通算6回)急性心筋梗塞・脳卒中の給付条件が入院のみネット申込ができる
デメリットだと思った点
終身型である主契約に放射線治療・骨髄ドナー保障がある短期保障に力を入れている180日以内の再入院は1回の入院になる通院特約が入院給付金日額の60%までしか出ないがん診断給付金が上皮内新生物まで保障する急性心筋梗塞・脳卒中の対象疾病が狭い先進医療特約が更新型である保険料が安いとは言えない
保障内容
全体的な評価は低め。うさたんが良い・悪いと思った点は次の二通りである。
(×)終身型である
将来どんな保障が必要になるかなんて誰にもわからないのに、契約時点で一生涯の医療保障を決めてしまう終身型はおすすめできない。
(△)主契約に放射線治療・骨髄ドナー保障があるのが微妙
この保険の主契約は、入院給付金と手術給付金の他、放射線治療・骨髄ドナー保障が付いてくる。用意されている3つのプラン(基本プラン、がんプラン、三大疾病プラン)のどれを選んでもセットされている設計だ。
放射線治療への保障は1回につき「入院給付金日額の20倍」という設定なので、入院給付金日額が5,000円なら10万円、1万5,000円なら30万円もらえる。支払は無制限だが60間に1回という縛りがある。
骨髄ドナー保障は、手術1回につき入院給付金日額の10倍だ。5万円~15万円もらえる計算になる。モラルハザードが起きないよう、責任開始日から1年を経過した日以後の手術にしか有効ではない。
さて、これらの保障を必要とするか否かは人それぞれだが、主契約に組み込まれている分、保険料に影響を与えていることは間違いない。放射線治療と骨髄ドナー手術を必要としない疾病で入院したときには出番がなく、たとえ微々たる上乗せであっても無駄な保険料になることが多いのではないか。
(△)短期保障に力を入れている
入院は日帰りから保障することをアピールしているが、短期入院は医療保険に頼るほどの出費にはならないため必要性が低い。
評価を△としているのは、楽天生命には『楽天生命医療保険1095α(アルファ)』という長期入院にも耐えられる珍しい医療保険があり、それとの棲み分けしているためだ。
(×)通院特約は入院給付金の最大60%しか出ない
入院治療よりも通院・在宅治療が一般化しつつある昨今、通院保障のニーズは多いだろう。
しかし実際には、退院後に足繁く病院に通うとは限らず、「月に数度」なんてケースは珍しくない。特にがん治療の場合、通院代は大したことなくても薬代はバカ高い、というケースを想定できる。つまり、基本的に通院保障はおすすめとは言えない。
そのうえ、『スーパー医療保険』は入院給付金日額の最大60%しか出ないのはいただけない。入院給付金日額と同額が出る他社商品もあるので改善に期待しよう。
(○)がん診断給付金の給付間隔が1年に1回(通算6回)
現状のがん保険またはがん特約において、がん診断給付金の給付間隔は、短くて1年、長くても2年だ。したがって1年に1回受け取れる設計は良いと思う。
「通算6回しかもらえない点が不安」と評価する人もいるだろうが、6回ももらえたら十分だろうと私は思う。
(△)がん診断給付金が上皮内新生物まで保障する
がん診断給付金は、がんと診断されると上皮内新生物でも給付金を受け取れる点をアピールしているが、うさたんの考えでは不要だ。理由はシンプルで、上皮内新生物は経済的負担が少ないから。
したがって、上皮内新生物でも悪性新生物でも区別せずに受け取れる設計の保険はオーバースペックだと考える。
上皮内新生物を保障するばかりに保険料が上がるのは経済合理性に反するため、費用負担がデカい悪性新生物に全振りしていただきたい。
△とした理由は、上皮内新生物の給付は1回きりで、しかも悪性新生物の50%と限定しているからだ。「上皮内新生物でも満額保障!安心です!」なんてアピールしている保険よりはいくぶん良い。
なお、再発での給付条件は悪性新生物のみだが、入院が条件となっている。診断だけで受け取れると、なお良かった。
(×)急性心筋梗塞・脳卒中の対象疾病が狭い
急性心筋梗塞や脳卒中というのは、「心疾患」「脳血管疾患」という大きなくくりで見るとひとつの疾病にすぎない。かかると怖いのは急性心筋梗塞と脳卒中だけではないので、保障範囲がより広い他社の商品のほうが優れている。
なお、他社であれば、がんを合わせて「三大疾病一時金」といった名称でひとまとめにしているのが一般的だが、楽天生命のスーパー医療保険では「急性心筋梗塞治療給付金・脳卒中治療給付金」と区分けして分けているのも特徴だ。
給付条件のわかりやすさ
いくら保障内容が優れていても、給付条件が厳しかったり、わかりにくかったりする保険は使いにくい。
(○)急性心筋梗塞・脳卒中の給付条件が入院のみ
急性心筋梗塞・脳卒中を保障する特約は、「名前だけで受け取れない保障」と揶揄されてきた歴史がある。給付条件がど厳しいからだ。
その意味で、給付条件が「急性心筋梗塞または脳卒中で入院したとき」というのはシンプルで良い。
(×)180日以内の再入院は1回の入院になる
180日以内に再入院すると、入院の理由が前回の傷病と関係がなくても1回の入院にカウントされる。
例えば、かめ君が胃の病気で入院し、30日間で退院できたとする。しかし180日以内に、今度はまったく別の病気で35日間入院したとしよう。するとかめ君の入院は前回と合わせて65日となり、5日分の入院給付金はもらえないことになる。
これはやめてほしい。他社を見回すと、前回の入院と関わりのない傷病は別々の入院とカウントする医療保険はたくさんある。この給付条件はわかりにくいし、ユーザーのほうを向いているとも言えないだろう。
保険料
(△)保険料は比較の余地ある
ライバル他社の医療保険と比べた場合、保険料は安めとは限らない。主契約やその他の内容が異なるので完全な比較はできないが、例えばチューリッヒ生命の『終身医療プレミアムDX』と比べると次のようになった。
【条件】入院給付金日額:5,000円手術給付金:(楽天)2万5,000円または 10万円 / (チューリッヒ)入院中・放射線10万円、外来5万円入院給付日数:60日先進医療特約:あり
楽天生命 スーパー医療保険
1,665円
チューリッヒ生命 終身医療プレミアムDX
1,312円
※2020年 執筆・更新時現在
(×)先進医療特約が更新型である
先進医療特約のスペックは全社でほぼ横並びの状態だが、終身型か更新型かでは差がある。
医療保険そのものは定期型のほうが合理的だが、先進医療特約はどちらのタイプでも月に100円程度なので、だったら保険期間中、ずっと変わらないほうがよいだろう。
(○)ネット申込ができる
この保険はオンラインからでも申し込め、人件費をカットできる分、対面でしか加入できない保険より割安になっている。
インターネットで申し込むことに抵抗がある人は、アドバイザーと相談して検討するとよいだろう。選択肢が2つある点は評価する。
(○)楽天スーパーポイントが貯まる
2019年12月1日以降に所定の要件を満たして加入した場合、楽天スーパーポイントが貯まる。
ポイントは毎月1%と微量だが、楽天カード払いでさらにお得になるため、楽天ユーザーが「どこか医療保険に入っておくかー」くらいのテンションなら、優先度を高めに検討してもよいと思う。
まとめよう
ベーシックな医療保険を求めている楽天ユーザーならありかも(最安値ではない)がん関連の保障内容は悪くない1入院のカウントルールなんとかしろ終身型なのでうさたんには不要
そうそう、8疾病(がん・心疾患・脳血管疾患・糖尿病・高血圧性疾患・肝疾患・腎疾患・すい疾患)で入院したときの支払期間を延長する「8疾病入院支払限度拡大特則」もアピールしているが、「ま、延長してくれるなら……」程度の印象だ。
理由は、現役世代なら、統合失調症等や血管性及び詳細不明の認知症、アルツハイマーを除けば、60日ほどで退院できることがほとんどだからだ。この特則を積極的に付けようとは思わない。
楽天生命の医療保険なら、断然『1095α(アルファ)』をおすすめする。 [...]
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【辛口評価】ここが嫌だよアフラック『ちゃんと応える医療保険EVER』2020年12月3日医療保険の商品別レビュー※この保険は2021年1月で販売停止になっています※
がん保険の先駆者であるアフラックだが、同じ第三分野である医療保険の開発にも力を入れている。2018年に販売した健康応援医療保険なんかもそうだ。盛大にディスってしまったけれど。
そして申し訳ないことに、この「ちゃんと応える医療保険EVER」もあまり評価できない。
どうして辛口評価をするのか、執筆時現在の公式サイトの流れに沿って紹介する。
特徴1.ライフステージの変化に沿った見直しができる
この保険は、特約を途中で付けたり外したりするのが自由に設計してある(払込免除特約をのぞく)。例えば、働き盛りの30代や40代で就業不能状態になると困るし、60代以降は介護や認知症のリスクが怖い。
どの特約を追加するかは契約時に選ばないといけない商品も多いなか、カスタマイズが優れていると言える。
→でも就業不能保障や介護保障は給付条件・保険料ともに微妙
就労所得保障一時金特約
何らかの傷病で働けなくなったときの当面の生活費をカバーする「就労所得保障一時金特約」は、働けない状態が60日以上続くなど、給付条件が厳しいわりには1回しかもらえないのがネックだ。さらに、追加すると保険料が跳ね上がる。
精神疾患保障一時金特約
また、所定の精神疾患で働けなくなったときのの当面の生活費をカバーする「精神疾患保障一時金特約」も、給付条件が厳しいわりには1回きりしかもらえない。しかもこれは、「就労所得保障一時金特約」と同時にしか申し込めない設計だ。
介護一時金特約・認知症介護一時金特約
両方とも保障太りの原因になる特約。本気で介護リスクに備えるなら一時金では心もとない。要介護状態はいつまで続くか読めないし、一度なってしまうと蟻地獄みたいになかなか抜け出せないのが現状だしな。まあ、うさたんは介護保険すら不要だと思っているが。
医療保険の特約全般に言えることだが、真剣に就業不能状態や介護状態に備えたいなら専用の保険を検討したい。
特徴2.日帰り入院でも一律5日分支払われる
主契約の一つである入院給付金が、5日未満の入院までは一律で2万5,000円支払われる点を売りにしている。入院してから退院するまでの「入院在院日数」は年々短縮化しており、近年の医療情勢にはマッチした設計だと言える。
【関連】あなたが入院して退院するまでの期間の実態と医療保険の考察
→短期入院は保険に頼るリスクではない
しかし、短期間で退院できるなら医療費はさほどかからず、わざわざ保険料を支払ってまで備える経済的リスクとは思えない。誰でも最低150円相当の粗品をもらえるけど、参加料は200円かかるくじ引きみたいな印象を受ける。
「Q&A」には落とし穴みたいな注意書きもあって気になったが、これは「1入院のルール」に関連するため後述する。
なお、1回の入院につき5万円の一時金を受け取れる「入院一時金特約」もあり、付加すれば5日未満の入院でも7万5,000円受け取れる計算になる。しかしその分保険料が上がるし、経済合理性の観点から必要性は低い。
特徴3.180日以内の入院はすべて1入院にされてしまう
1入院とは、入院してから退院するまでの単位を表す保険用語で、保険会社によって定義が違う。アフラックの場合、退院してから180日以内に再入院すると、入院の理由が何であれ「前回の入院の続き」扱いになってしまうルールがあるのだ。
これは、はっきり言ってマイナスである。例えば胃潰瘍で14日間入院した人が、180日以内にまったく別の病気で入院すると、入院のカウントは「15日目から」になってしまうのだ。1入院につき60日を保障する医療保険だと残り45日だし、30日型だと残り半分だ。
このルールは「5日未満でも一律2万5,000円受け取れる」というメリットもスポイルしている。例えば2日間入院し、180日以内に7日間入院すると、入院は前回の続きなので、2日目から5日目までの3日分は「すでに支払済み」ということで支払われない。こういう落とし穴があるので、支払要件はきちんと確認しておこう。
特徴4.通院保障ありプランなら最高30日まで保障
入院治療から在宅・通院治療にシフトしている昨今、通院保障の充実度は無視できない。『ちゃんと応える医療保険EVER』の通院ありプランは、入院を条件に、入院前60日間と退院後120日間の期間内で合計30日間まで保障してくれる。
→30日間で足りるのか微妙
しかし、ちと短いのではないか。一般的な傷病なら30日間もあれば十分かもしれないが、がん治療となるとそうはいかない。まあ、「がんはがん保険で備えろや」というアフラックさんのメッセージかもしれないが。
とはいえ、通院ありプランでも500円程度しか高くならないので、昨今の医療情勢を考えると頭ごなしにダメとは言えない。微妙という表現にとどめておく。
特徴5.三大疾病も手厚く保障
三大疾病関連の保障は、甘いことを謳っていても給付条件が無理ゲーみたいな保険もあるため注意したい。
→がん:悪性がんのみを対象にしているのはよいけれど
まずがん保障だが、上皮内がんは対象外で悪性がんを対象内としている点が評価できる。一般的に、上皮内がんは手術で切り取ってしまえば完治に向かうことが多く、治療費は大してかからないためだ。経済的負担が少ないものに保険をかけるべきではない。
運悪く再びがんになったときの、2回目以降の支給要件も悪くない。他社では入院を条件としていることもあるなか、「ちゃんと応える医療保険EVER」は医師の診断確定だけでOKだからだ。これで支給間隔が1年に1回ならもっと良かったのだが。
→急性心筋梗塞・脳卒中は給付条件が緩いのか厳しいのか微妙
急性心筋梗塞と脳卒中は、治療を目的として20日以上入院したときか、対象の手術を受けたときに支給される。20日以上の入院というのは、三大疾病特約の歴史を考えると随分緩和されたなぁと思う。だって、昔は30日や60日なんて設定がほとんどだったんだから。
しかし、対象は急性心筋梗塞と脳卒中と、保障してくれる範囲が狭い点には注意が必要だ。急性心筋梗塞は心疾患の一つでしかないし、脳卒中も脳血管疾患の一つにすぎない。
特徴6.先進医療特約は通算2,000万円
先進医療特約の保障内容は、各社ともどっこいどっこいと言うか、数字合戦をしているような状況なので大して気にする必要はない。よほど条件がひどい商品でないかぎり問題ないだろう。
→更新型なのが気になる
この保険は終身型だが、先進医療特約は10年の更新型だ。主契約の保険料は変わらないのに、先進医療特約は10年後に新たな保険料に切り替わる。
先進医療特約の付加保険料が爆上がりしている可能性は低いと思うが、今より安くなる可能性は低いと思うので、契約時に固定されるほうがよいだろう。
【関連】ウサギでもわかる「先進医療」とは
特徴7.「特別保険料率に関する特則」で緩和型保険に早変わり
既往症などで通常の医療保険に加入しにくい人は、「特別保険料率に関する特則」を付けることで、『ちゃんと応える医療保険EVER』を緩和型医療保険として契約できる。
→緩和型保険自体がお得だと思えない
しかし、緩和型医療保険は「保険に入ってさえいれば安心」という層の足元を見ている商品であり、ありがたき保険様に入らせていただく代わりに納める割増保険料を考えるとおすすめできる内容ではない。
高額療養費制度など、利用できる公的支援を検討しまくったうえ、それでも必要だと判断した人だけが検討するとよいだろう。
ただし、以前は別々だった緩和型保険の商品を特則で一本化したのは、ややこしくなくて良い感じだ。
まとめ
(○)特約の付け外しが自由で良い(×)5日未満の一律入院保障は不要(保険料を押し上げる原因になっていないか)(×)1入院のルールを変えてほしい(×)急性心筋梗塞・脳卒中の補償範囲が狭い(△)終身型の保険なので先進医療特約も終身型のほうがよい
またまたアフラックさんに怒られそうだが、これがうさたんの正直な感想だ。ぶっちゃけ、終身の医療保険の時点でいらないのだが、仮に終身型を選ぶにしても、わざわざこの保険を選ぶ旨味は薄いだろう。
最後に一つだけ褒めたい。アフラックの保険料シミュレーションページはとても見やすくて良いと思う。特約一つひとつの保険料も出るし、給付要件の説明も分かりやすい。 [...]
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【落ち着け】コロナで民間保険の加入を急ぐ人たちへ2020年12月2日保険に役立つ医療調査 / 医療保険の必要性2020年12月現在も猛威を振るう新型コロナウイルス(COVID-19)。もはや我々はこの感染症と付き合っていかなければならないのかもしれないが、解せないことが一つある。この影響を受けて、生命保険の新規加入率が上がったという話だ。
【参考】「新型コロナウイルス感染症の流行による生命保険加入への影響調査」を実施(ナビナビ保険)https://www.navinavi-hoken.com/life-entry-covid19
コロナショックに便乗して保険を勧めてくるアフィリエイターに要注意という雑記でも書いたが、コロナ禍で被った経済的リスクをカバーする保険など今のところない。コロナだからといって保険の必要性が変わるわけではないということだ。詳しく説明しよう。
生命保険は独身者やDINKSには不要
ここは医療保険用のページなので、生命保険はさらっと行くぞ。というより、生命保険については医療保険ほど言うことがないのだが。
生命保険が必要なのは、自分が死ぬと家族が路頭に迷う可能性が高い人たちだ。コロナを含む傷病の致死率とは関係がない。残された家族に稼ぐ能力があるかないかの一点で考えよう。
すると、独身者やDINKS(子供がいない夫婦)には不要なケースが多い。「うちのパートナーは専業主婦(夫)なんだけど」と反論してくる人たちもいるが、結婚前は1人で生きてきたわけだから、元の生活に戻るだけだ。
もちろん例外はある。例えば貯蓄のない親や兄弟を養っているとか、残されたパートナーにはフルタイムで働けない理由があるとか。そういった事情がある人は生命保険でリスクヘッジするとよいだろう。だけどそれ、コロナとは関係ない。
コロナのための医療保険はもっと不要
コロナが原因で死亡する確率は、日本では低めだ。しかし、死なないだけで重症化するかもしれない。重症化すると入院や通院期間が長引き、医療費がかさむ。だからこの機会に医療保険には加入しておこうか……と考えるそこのあなた。
現状、新型コロナウルスは「指定感染症」なので、医療費は公費が投入されている。経済的負担はほとんどないのだ。入院施設に空きがなく、ホテルなどに滞在する場合でも宿泊費は無料だし、食費も無料だ(リームサービス呼び放題とかじゃないよ)。
出ていくお金は、初診料だとか、入院するために必要な私物だとかで、医療保険に頼るほどの負担ではない。最終的な費用は自治体によって多少違うが、数千円〜数万円だろう。
療養中の収入減におびえる人には必要?
コロナの感染で被る治療費負担を、医療保険に加入してまで備える必要は低いことがわかった。しかし、コロナが治るまでの間は働けないので、稼ぎがなくなる、もしくは減るという不安もあるだろう。傷病手当がない自営業者は特にそうかもしれない。
そこで、コロナに感染して入院するとどれくらいで退院できるかを調べたところ、中央値は13日らしい。
【参考】コロナ入院期間の中央値は13日、20歳代が最多国立感染症研究所が積極的疫学調査の結果公表(CBnews)https://www.cbnews.jp/news/entry/20201201184949
多く見積もって3週間、もっと悪いケースを想定して1ヵ月間の収入が途絶えたとしよう。それであなたの家計は破綻するのだろうか? するとすれば、相当ヤバい。一刻も早く生活防衛資金を貯めることをおすすめする。
生活防衛資金とは、万が一の際にいつでも自由に引き出せるお金のことだ。こちらで詳しく書いているが、できれば200万円、せめて100~150万円はあったほうがよい。フリーランスなら、なおさらだ。
生活防衛資金がなければ、コロナを含む傷病や失職で収入が途絶えたときに家計が破綻するので、それを回避するための策が必要だ。策の一つが医療保険であり、収入保障保険(所得補償保険)だろう。保険は家計を破綻させないために入るものという基本の基本を思い出そう。
さいごに
ワクチンの完成などによりコロナが収束すると、公費でまかなわれていた治療費は通常の傷病と同じ負担割合になる。
そうなったときのコロナの脅威度は、インフルエンザ程度だと想像できる。感染者を大げさに隔離する必要はなく、基本的には自宅療養で回復を目指す。
どれくらい先になるかわからないが、多くの人々の命を奪ったクソコロナが早く収束しますように。そして、不安をあおられて経済合理性のない保険に加入する人が減りますように。 [...]
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【概ね評価】『楽天生命医療保険1095α(アルファ)』なら長期入院リスクにも備えられる2020年10月8日医療保険の商品別レビュー楽天生命の『医療保険1095α(アルファ)』は、商品名が表すとおり1入院の保障限度日数が1,095日もある高倍率ズームレンズみたいな商品だ。
50歳以上でないと定期型に入れないというツッコミどころはあるが、終身型の医療保険の中なら悪くない。最も警戒すべき長期入院のリスクに対応できるからだ。
評価の概要
この保険は、同じく楽天生命が取り扱う『スーパー医療保険』を土台にカスタマイズされたものだ。したがって、主なメリット・デメリットは『スーパー医療保険』のレビューと同じである。
赤字で示したもの以外は該当ページで確認していただきたい。
メリットだと思った点
3年以上の入院にも備えられる定期型プランがある楽天スーパーポイントが貯まる(積極的な楽天ユーザーには嬉しい)がん診断給付金の給付間隔が1年に1回(通算6回)急性心筋梗塞・脳卒中の給付条件が入院のみ
デメリットだと思った点
50歳以上は終身型プランを利用できないネット申込ができない短期保障を外せない主契約に放射線治療・骨髄ドナー保障がある180日以内の再入院は1回の入院になる通院特約が入院給付金日額の60%までしか出ないがん診断給付金が上皮内新生物まで保障する急性心筋梗塞・脳卒中の対象疾病が狭い先進医療特約が更新型である保険料が安いとは言えない
保障内容
『スーパー医療保険』にはないメリット・デメリットを中心に挙げていく。
(○)3年以上の入院にも備えられる1入院1,095日保障!
平均在院日数が短縮化している昨今、入院しても1〜2ヵ月で退院できることがほとんどだ。事実、厚生労働省の患者調査によれば、8割の人が30日以内に退院し、9割の人が50日以内に退院している。
入院しても1〜2ヵ月で退院できるのだから医療保険の必要性は低いというのがうさたんを含む医療保険不要論者の考えだが(そ、そうだよなみんな?)、運悪く残り1割に入ってしまうと1年以上の長期入院もあり得るわけだ。
公的制度には高額療養費という最強無敵のお助け制度があるが、さすがに1年以上の入院となると家計へのダメージはデカイ。だから確率は低くても長期入院は警戒すべきリスクなのだ。
その意味で、1入院1,095日まで保障してくれる『医療保険1095α』は優秀だと言える。昨今の入院事情に合わせた少額の保障なんてナンセンスだ。保険は、いざというときに自分では対処できない経済的リスクに備えて加入するものなのだから。
(△)短期保障を外せない
しかし、うさたんに言わせれば無駄もある。備えたいのは長期入院のみなので、入院1日目からの保障などいらない。
5日以上入院して退院した場合に受け取れる生存給付金(1万5,000円または3万円)なんてのもあるが、同じ理屈でうさたんには不要に思える。せめて特約扱いにして選ばせてほしい。
9割の人が60日以内に退院するのだから、せめて61日目、もっと言えば90日目や120日目以降から保障される設計でもよいくらいだ。そうすれば短期入院を保障しなくてよい分、保険料も下がるしな。
実は、その手の医療保険は『楽天ロング』というペットネームで販売されていたが、公式ページから姿を消してしまった。まあ、売れなかったんだろうな……。
給付条件のわかりやすさ
下記は楽天生命の医療保険に共通しているデメリットだが、大事なことなのでもう一度言っておく。
(×)180日以内の再入院は1回の入院になる
『医療保険1095α』は、再入院を「理由にかかわらず前回の入院の続き」とみなすルールを敷いている。
例えば、私に負けたかめがストレスのため「胃潰瘍」で30日入院したとしよう。そして不幸なことに、退院してから180日以内に「盲腸」で10日入院した。
すると、前回の入院とはまったく関係ない疾病なのに、前の入院日数の「続き」とみなされてしまう。残りは1,055日になるわけだ。
それでも1,055日あるのでどうってことないのだが、商品レビューという目線では残念なポイントだと指摘せざるを得ない。
保険料
『医療保険1095α』も『スーパー医療保険』と同じく、グレードによって3つのプランに分かれている。ベーシックな『シンプルプラン』、がん保障を上乗せする『がんプラン』、3大疾病に手厚い『3大疾病プラン』の3つだ。
これは『シンプルプラン』で十分だろう。医療費は医療保険に頼りっきりにするものではなく、可能な限り貯蓄(生活防衛資金)でやりくりする類の出費だ。
できるだけ貯蓄から捻出し、足りない分や崩したくない分を医療保険で補う。この感覚に賛同できるなら、特約は一切不要。もっとも安い『シンプルプラン』で十分という結論にたどり着く。
(△)定期型プラン(10年)がある
「医療保険は生活防衛資金が貯まるまでの一時しのぎ」という考えに基づくなら、終身型の他、定期型プランも用意している『医療保険1095α』は素晴らしい。
ところがどっこい。この商品は加入年齢に制限がある。『シンプルプラン』と『がんプラン』に入ろうとすれば50歳まで待たなければいけない。
50歳になって『シンプルプラン』に加入した場合の保険料は、男性4,173円、女性3,508円。しかし、50歳までには医療保険に頼らなくて済むほどの貯蓄はしておきたいので、このプランをおすすめするのは微妙だ。
『3大疾病プラン』なら加入できるが、特に必要を感じない保障までが付いてくる。それでも30歳代で加入すると男性で2,363円、女性で3,493円。やや高いが、1入院1,095日の保障能力を考えると、ぼったくりと感じるほどではない。
割り切って終身型を選ぶなら『シンプルプラン』がおすすめ
どうしても長期入院リスクに備えたいなら、割り切って終身型を選ぶのも(そこまで)悪くないかもしれない。貯蓄が貯まったら中途解約すればよいのだから。その際は『シンプルプラン』一択だ。保険料例を抜粋しておく(執筆・更新時現在)。
シンプルプラン
年齢/性別
男性
女性
20歳
2,368
2,568
30歳
3,173
3,333
40歳
4,613
4,368
50歳
6,878
5,958
60歳
11,173
8,928
(×)先進医療特約が10年で更新される
以前あった『楽天ロング』と違い、先進医療特約も付けられるのでなかなかよろしい。しかし、楽天生命の先進医療特約は、保険料が据え置きの「終身型」ではなく、10年ごとに値上(下)がりする「更新型」しか用意されていない。
現在のところ、先進医療のお世話になる確率は極めて少ないが、膨張し続ける医療費を見ると今後は増えるかもしれない。仮に自由診療がもっと盛んになったとき、先進医療特約の保険料が上がっては困る。
むろん、上がったとしても微々たるものであるという試算だが、消費者としては据え置きの終身型のほうが安心だろう。
まとめよう
医療保険に加入するロジックでうさたんが納得できるものは次の2つだ。
十分な貯蓄(生活防衛資金)が一切ないから短期入院ですら生活が詰む!(そのとおりだ)短期入院なんか屁でもないけど長期入院は結構やばい!(そのとおりだ)
『医療保険1095α』は、運悪く不幸の宝くじ(たった1割の長期入院)を引いてしまったときのために入る保険だ。実際には、1年以上の長期入院でも貯蓄がしっかりあれば乗り切れるのだが、家計へのダメージを試算すると、ケースによってはそこそこ痛い。
長期入院の保障に特化していたらもっと良かったが、まあ、いろもん扱いされて売れないだろうから、現場の人の気持ちは分かる。
さいごに、この保険はネット完結型ではなく、営業パーソンと対面で契約を結ばないといけない。IT企業の楽天グループ様がなにゆえこんな形態を取っているのか。ネット保険ならもうちょっとお安くなるだろうに。 [...]
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あなたが入院して退院するまでの期間の実態と医療保険の考察2020年10月2日保険に役立つ医療調査うさたんだ。主契約が「入院給付金」の医療保険の場合、入院しないと保険がおりないわけだから、入院日数の相場を知っておくことは大切だ。
入院してから退院するまで、どれくらいかかるのが一般的なのか? 厚生労働省が発表しているデータから読み解いてまとめてみたぞ。
平均在院日数は29.3日だが……
厚生労働省「患者調査」の最新データ(2017)を見ると、平均在院日数は29.3日だった。しかしこれは年齢も傷病もごちゃまぜにした全体の平均値なので参考にならない。
年齢別の平均在院日数
歳を取るにつれて入院日数が長引くことは予想がつくだろう。実際にその通りで、65歳以上の平均在院日数は29.9日だ(病院38.5日、一般診療所21.2日、小数第二位は四捨五入)。全体の平均値をやや上回る入院日数である。
同じ計算で、0〜14歳は5.8日、15歳〜34歳は6.6日、35歳〜64歳は15.1日だった。65歳以上がいかに平均値を押し上げているか分かるな。
0〜14歳:5.8日15歳〜34歳:6.6日35歳〜64歳:15.1日65歳以上:29.9日
この数字から、医療保険の加入を検討している現役世代は、自分が入院したら退院するまで約2週間くらいかかると思ってよい。
傷病別
病気・けがの種類は入院日数に影響をおよぼす。主題は医療保険の加入を検討するにあたっての考察なので、入院が長期化する傾向にある傷病に焦点を当てるぞ。
統合失調症,統合失調症型障害及び妄想性障害:平均531.8日(301.6日)血管性及び詳細不明の認知症:平均349.2日(284.1日)アルツハイマー病:平均252.1日(143日)
精神疾患系や神経系の傷病はやはり長引いてしまう。数字は全体の平均値、( )内は35歳〜64歳までの現役世代の平均値だが、それでも半年またはそれ以上、入院する恐れがある。
他の傷病で入院が長期化する恐れがあるのは、脳血管疾患(78.2日)、慢性閉塞性肺疾患(61.5日)、結核(54.1日)、慢性腎臓病(47.9日)が目立つ。他は、平均在院日数という意味では短期間で退院できると考えてよいだろう。
累積割合では半数の人が8日以内に退院している
ここまで見てきたのは平均値。しかし平均では見えない部分も多い。そこで今度は、「推計退院患者数の構成割合」という数字に着目する。小難しい言葉が並んでいるが、要するに、「入院してその日に退院した人は◯%、2日目に退院した人は◯%」という数字を洗い出したものである。
すると、半数以上の人が8日以内に退院していることが分かった。次の数字を見てほしい。
1日未満:3.4%2日:15.1%4日:30.5%8日:51.5%15日:69.4%20日:76.3%25日:80.8%30日:83.9%40日:88.1%50日:90.6%
確率論でいえば半分以上の人が10日以内に退院でき、8割以上の人が平均在院日数の29.9日よりも早く退院していることになる。
しかし、入院すると長引く傾向がある傷病ではどうだろうか?
傷病名入院日数と累積割合統合失調症統合失調症型障害及び妄想性障害30日:24.4%50日:36.5%3ヵ月:64.9%血管性及び詳細不明の認知症30日:24.5%50日:34.8%3ヵ月:54.3%アルツハイマー病30日:28.1%50日:39.3%3ヵ月:45.0%脳血管疾患30日:89.3%50日:93.9%3ヵ月:95.1%慢性閉塞性肺疾患30日:67.9%50日:78.9%3ヵ月:83.0%
脳血管疾患、慢性閉塞性肺疾患は1ヵ月あれば退院できる可能性は高いと言えるが、先に挙げたトップ3の傷病は手強い。
結論:ほとんどの入院が1ヵ月以内に退院できる
あなたが何らかの傷病で入院し、退院するまでの期間は、運が良ければ8日以内、悪くても1ヵ月以内だと言える。ただし、めちゃくちゃ悪いと2ヵ月、3ヵ月、場合によっては1年以上かかってしまうかもしれない。
このデータを医療保険に入るかどうかの判断材料にするとき、次の考えが浮かぶ。
ほとんどの入院は1ヵ月以内で退院できる! 高額療養費制度もあるし、1ヵ月くらいなら民間の保険に頼るほどの経済的リスクじゃない!いやいやいやいや。ゼロリスクでない以上、自分が大病にかかるかもしれない! 長期入院に備える医療保険があると安心!とりあえず、僕 / 私は貯蓄があるから医療保険はいらないです……(逆のケースしかり)
どれも成り立つだろう。ただ、最近の医療保険は、医療情勢に合わせて保障期間が短く設定してあるため、(2)の考えの人は商品探しをする必要がある。
【参考】
患者調査 / 厚生労働省入院の半分以上が10日未満、短期化時代に医療保険は必要か [...]
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【結論】貯蓄が200万円ない人には医療保険が必要2020年9月30日医療保険の必要性いつからか、医療保険は不要論が飛び交うようになった。根拠の多くは「高額療養費制度(後述)が充実しているから」なのだが、本当にそうだろうか?
確かに、「ほとんどの人に医療保険は不要」または「不要になる」と思う。だが、生活防衛資金がたまっていない人にとってはそうではない。
安易な医療保険不要論は危険だと考えるので、この記事では医療保険の必要性について考える。
高額療養費制度を使えば自己負担は大幅に減る
高額療養費制度についての詳細は、こちらの用語集で解説しているので、ここでは基本を押さえておく程度にする。
高額療養費制度とは、月初から月末までの1ヵ月にかかった健康保険がきく医療費のうち、高額になりすぎた自己負担分を払い戻してくれる公的制度のことだ。
「高額になりすぎた」の上限は年齢や所得によって違うが、一般的な年収の70歳未満の人(約370~約770万円)なら、たとえ総医療費が100万円だったとしても、次の計算式で21万2,570円が払い戻される。
《計算式》
8万100円+(100万円-26万7,000円)×1% = 8万7,430円100万円×30% – 8万7,430円 = 21万2,570円
これだけでもすごいのだが、さらにすごいのが「多数該当」という仕組み。1年(直近12ヵ月間)以内に3回以上、高額療養費に該当する自己負担があると、4回目からはさらに自己負担額が軽減されるのである。同じ例(70歳未満・約370~約770万円)の人なら、4回目以降の自己負担は4万4,400円に下がるのだ。
1ヵ月以上入院する確率は2割以下
高額療養費制度を利用したときの自己負担額が分かったところで、連続して入院する確率を見てみよう。入院したときの自己負担額は1ヵ月約8〜9万円だよ、4回目からは4万ちょっとになるよ、と言われても、長期入院する確率が高ければ負担には違いないからだ。
そこで、厚生労働省の「患者調査の概況(2017)」から入院日数の累積割合を調べてみたところ、入院した人の半数が10日以内に退院していることが分かった。下記のデータを見てほしい。
1日未満:3.4%2日:15.1%4日:30.5%8日:51.5%15日:69.4%20日:76.3%25日:80.8%30日:83.9%40日:88.1%50日:90.6%
入院してから退院するまでの期間の平均(平均在院日数)は減少傾向にあるとはいえ、ここまで短期入院化が進んでいるとは思わなかった。
入院費が膨れ上がるかどうかは(手術の有無や種類もあるが)入院日数と連動するものなので、ほとんどの人が1ヵ月約8万円、2ヵ月入院しても約16万円の自己負担で済んでいることになる。
さらに、会社員なら給料の2/3が1年6ヵ月も保障される「傷病手当」もある。ここまで”至れり尽くせり”の環境が整う日本で「民間の医療保険なにそれ意味分かんない」という考えが成り立つのは自然だと私は思う。
待て!入院したときの自己負担額の平均は月21万円だぞ!という反論
ところが、生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/令和元年度によれば、入院時にかかる自己負担費用の平均は約21万円、1日あたりでは約2万3,000円らしい。入院した人の半数が10日以内に退院しているのは述べたとおりなので、めちゃくちゃ大雑把に考えれば大体の計算は合うことになる。
しかしだ。生命保険文化センターの調査には「高額療養費制度を利用した場合は利用後の金額」という注釈がある。この一文はクセモノだ。なぜって、これだけでは「高額療養費制度を利用するまでもなかった人」なのか「高額療養費制度の存在を知らなかった人」なのか「知っていたけど使わなかった人」なのかの詳細が分からないからだ。
そこでうさたんは、生命保険文化センターの窓口で問い合わせてみた。すると予想通り、この注釈にはさまざまなケースが該当するとの返答だった。もっとハッキリ言えば、「そこまでの集計はしていない」とのこと。
……とすると、この調査で出た数字は話半分で聞く必要があるのではないか。別に生命保険文化センターさんを責めているわけじゃないよ(笑)。あくまで、データとしての信憑性が下がったという個人の感想である。
詳細が分からない以上、入院したときにかかる医療費の自己負担額は、月初から月末までを区切りに考えると約8万円だという計算が成り立つ。仮に4ヵ月入院した場合でも、「約8万円×3ヵ月+約4万4400円」で30万円未満だ。1年以上の長期入院でも、同じ計算式で約80万円あれば足りる計算になるわけだ。
じゃあなぜ200万円が必要なのか?
では、なぜ200万円も必要だとうさたんは言っているのか。それは療養中にかかる費用が、医療費だけではないからである。
日用品などの消耗品にはじまり、家族がいれば見舞や付き添いにかかる交通費もかかるだろう。大部屋ではなく個室を利用するなら差額ベッド代(特別療養環境室)も必要になる。高額療養費制度は健康保険内の治療費にしか適用できないからだ。
療養中の収入減についても計算に入れなければいけない。会社員なら1年6ヵ月間の傷病手当金を受け取れるが、自営業者にそんなものはナッシングだ。
あれこれ想定すると100万円では心細く、せめて150万円、200万円もあれば安心だろうという目算である。
こういうお金のことを生活防衛資金と呼ぶ。万一のリスクに見舞われても生活を破綻させないための資金だ。ファイナンシャル・プランニングの世界では「給与の3ヵ月分」が相場とされているが、長期入院のリスクまでを想定するなら多めに用意したほうが安心だ。
結論:貯蓄がない人に医療保険は必要!
保険はまさに「不幸の宝くじ」であり、確率は低いながらも引いてしまう可能性はあるわけだ。突然、病気やけがで働けなくなって収入がストップした場合、貯蓄がなければ家計が破断してしまう。
ただし、ある程度の貯蓄があれば過度に恐れるものではない。小さな子どもがいる場合の死亡保障や、他人の身体やモノを傷つけてしまった場合の損害補償とは比べ物にならないリスクと言えよう。
せめて150万円、できれば200万円ほどの生活防衛資金がたまるまでは、掛け捨ての安い医療保険で備えることをおすすめする。
え? 終身型の医療保険はいらないって? うさたんは不要だと考えるぞ。生活防衛資金があれば対処できるのに、なにが悲しくて一生分の保険料を均等払いしなくてはいけないのか。
実は保険商品を作る保険会社の人も、本当は掛け捨てで十分だと理解していながら終身型を作っているものだ。なぜって、そのほうが売れやすいから。消費者は条件反射で掛け捨てを嫌うから、人気を取る意味で終身型を作っているんだよね。
【参考文献・URL】
販売員も知らない医療保険の確率平成29年患者調査(政府統計の総合窓口)生命保険文化センター [...]
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勘違い注意!なにかとクセが強い医療保険の「入院」給付の数え方2020年9月7日医療保険の保障内容うさたんだ。
ほとんどの医療保険の主契約は「入院給付」、つまり入院したかどうかがポイントになるわけだが、判定の仕方がややこしいときがある。
誤解があると「支払われると思ってたのに……!ひどいわ!」みたいになるので、きちんと覚えておこう。
「入院5日目から給付」は4日目まで出ない
入院給付に免責期間を設けている医療保険がある。すなわち、「入院されても一定期間までは給付金を出しませんよ」という契約だ。期間は商品によって異なるが、ここでは5日目としよう。
「入院5日目から給付」という医療保険に加入している人が10日間入院した場合、給付日数は「10-4=6」日間という計算になる。入院日額5,000円なら3万円もらえるというわけだな。逆に、4日目で退院すると1円も受け取れない。OMGッッ!!
ただ、このタイプの医療保険が不親切なのかというと、そうとは言いきれない。5日未満の超短期入院は保障しない代わりに、保険料は割安になっているからだ。
最近は短期入院の割合が増えてきたため、入院初日から給付する上、保険料も抑えた医療保険が登場しているが、「5日未満の短期入院は保険の世話になるほどの出費ではない」という大前提に立ち戻ってほしい。理にかなっているのはどちらの保険か? うさたんは、免責期間ありの医療保険だと思う(とはいえ5日程度ならあまり関係ないかもだが)。
「日帰り入院」とはなんぞや
「日帰り入院から保障!」とアピールしている医療保険がある。「入院初日から」との違いがよく分からない人もいると思うが、噛み砕いて言えばこうだ。
・日帰り入院から保障! → 入院日と退院日が同じ入院でも給付金あり・入院初日から保障!→ 入院した翌日に退院しても給付金あり
もう一つ、大切なことがある。病院側が「入院」と扱ってくれるかどうかだ。というのも、手術などの種類によっては日帰り入院ではなく、通院と区分されてしまうことがあるのだ。
それでは給付金が受け取れない。頼むぜドクター!!ということになるから、医療保険の給付を気にするなら、入院前に確認しておくといいだろう。日帰り入院の場合は、医療費の請求書に「入院基本料」と記載してくれる。
「1入院」って何語ですか
保険用語でややこしいのが、この「1入院」だ。「1入院の支払限度日数60日型」などという表記で出てくる。
1入院とは一般的に、「同じ傷病を原因とする入院から退院まで」を指す。例えば胃潰瘍で14日間入院した亀野郎が、退院後にまた胃の調子が悪くなって再び7日間入院したとしよう。亀からすれば「2回」入院したことになるが、医療保険では「前の病気が治っていないため1回の入院」とカウントされるのだ。
したがって、パンフレットなどに「1入院の支払限度日数60日型」と記載されている医療保険は、「1回の入院で60日までは支払いますよ」という商品だ。先の例では、「14日間」+「7日間」=「21日間」だから問題ないが、この合計が仮に65日間だった場合、オーバーした5日分は自腹を切ることになる。
でも180日経てば1回リセット。だけど保険会社によっては厳しい規定も
しかし、病気というのは再発の恐れを含んでいるものなので、これだと消費者にとって不利になる恐れがあるよな。
そこで、だ。亀の再入院が、1回目の退院から180日以上経過していた場合、たとえ同一の傷病でも「原因は別にある」とみなされ、「2回」入院したと認められる。1回目の入院と合わせて「110日間」入院しても、60日+60日で「120日間」まで保障されるというわけだ。これを属に180日ルールと呼ぶ。
注意したいのは、1入院の定義が保険会社によって異なることがある点だ。一般的には「同じ傷病を原因とする入院から退院まで」を指すが、180日以内の再入院は問答無用で1入院とみなす医療保険もある。
さすがに「病気」と「ケガ」は別判定にしてくれるが、同じ分類なら1入院とみなされる保険があるので、よ〜く確かめような。
さいごに:入院は日付をまたぐと加算される
医療保険のクセが強いカウントのルール、大体わかったかな? さいごに、入院日数の数え方について、映画『ジェネラル・ルージュの凱旋』よりひとネタ。
急性アルコール中毒で退院した患者が、ドクターらに請求書を突きつけてブチ切れている。
「一晩入院しただけで6万円ってなんだよ!俺は点滴1本打ってもらっただけだぞ!」
しばし請求書を眺めるドクター。そしてやや呆れたような物言いで「あ〜、だってアンタ二泊だから」。
「はぁ?!」と患者が反論すると、側にいた看護師が早口でこう説明する。
「一泊の区切りは午前12時です。あなたが運ばれてきたのは昨夜の午後11時55分ですから」
「ご、5分ぽっち感情に入れんのかよ!」と食い下がる患者だが、これ、入れるのがルールなんだよ。つまり入院日数の数え方とは、入院した日と退院した日を含めたトータルの在院日数ということになる。
「これに懲りたら飲みすぎに注意することと、何でもかんでも救急車を呼ばないことですね」と諭されて会話は終了するが、教訓しかないくだりである。 [...]
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【決着】医療保険に入るなら終身か掛け捨てか?2020年5月2日医療保険の選び方うさたんだ。
今日は、正解がないと言われている「終身 VS 掛け捨て」問題について語るぞ。
もちろん私の見解だが、保険に詳しいFPや、保険販売を生業としている募集人と呼ばれる人たちも同意見なことが多い。
結論!掛け捨て一択!
うさたんの結論は掛け捨て以外ありえない。終身型の医療保険は、「一生涯の保障で安心」「保険料はずっと変わらずお得」など、保険会社ならではの秀逸なコピーが並ぶが、実はそこに弱点がるのだ。
一生涯の治療保障を契約時に固めてしまう
保険全般に言えることだが、医療保険は商品サイクルが早い。次々と新しい保険が販売される。
医学は進歩するし、医療情勢は変わるし、それに応じて消費者のニーズも多様化する。当然と言えば当然だな。
と、いうことは、だ。今入る医療保険が、数十年後も通用する、あるいは満足する保障内容かどうかなんて未知数なわけだ。
具体例として、昔はがん治療といえば入院して手術を受ける流れが中心で、がん保険の主契約は入院給付金と手術給付金だった。ところが、近年では通院しての化学療法で回復をめざすケースが増えていることから、がん保険のトレンドは、医師からがんと診断確定された時点で給付金が受け取れる「診断一時金」に移行している。
「一生涯の保障」だと思って加入した昔のがん保険では、現代の医療情勢に対応できないケースが増えているのである。
医療の世界は日進月歩で変化している。医療保険の保障内容はその進歩を映し出す鏡と言ってもいい。保険でカバーされる治療内容を契約時に固定するのが本当に一生の安心につながるのだろうか?
保険料を一生払うことになる
終身型は一生涯、保障が続くため、基本的には死ぬまで保険料を支払うことになる。しかし前段落で述べたように、この先使えなくなるかもしれない保障内容に死ぬまで出費し続けるのは愚の骨頂ではないか?
また、「保険料は一生変わらず安心」などとほざいてくれるが、医療保険の保険料というのは、性別や年齢によって変わるというしくみを忘れてはいけない。
30代で元気バリバリの若者と、70代で腰の曲がったご老人とでは、後者のほうが病院にかかる確率が高いのだがら、保険料を多めに取らないと採算が合わなくなる。
にもかかわらず、なぜ終身型は契約時の保険料で一生変わらないのか? カラクリは超カンタンで、一生分のリスクが均等割で計算されているからだ。
なお、「60歳払済」や「65歳払済」など、保険会社が定める年齢までに保険料を払い込む契約もあるが、均等割のカラクリは同じである。
58歳くらいで、「え、この保険もう役に立たないじゃん」なんてことになる恐れもあるわけだから、短期払で月々の保険料が上がるぶん、こっちのほうが取り返しがつかないかもしれない。
掛け捨て型ならすべて解決。安い保険料で「今」を守りつつ、将来の不安は貯蓄で対応しよう
以上、終身型医療保険の主な弱点を述べた。だからうさたんは定期型、つまり掛け捨てを勧める。
終身型のように商品構造が複雑でなく、保険料は契約する一定期間(10年など)の年齢にもとづいて計算される。非常にシンプルでわかりやすい。騙された感がない。
あと、「掛け捨て」という言葉が誤解を生んでいるのだが、別にお金を捨てているわけではない。5年なら5年、10年なら10年、その間に受けるかもしれない治療保障を期間限定で買っているのだから。
日本には最強無敵の高額療養費制度もあることだし、足りない分をカバーする民間の医療保障は、保険料が安い掛け捨て型で最新の保障内容を手に入れる!
ただし掛け捨て型は契約期間を更新する際に保険料がぐんと上がるため、いつまでも更新するわけにはいかない。医療費にかかる負担を押さえながらお金を貯めよう、老後の医療費不安には貯蓄で対応するのだ!基準は200万円!
これがうさたんが考える賢者の選択である。 [...]
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【辛口評価】東京海上日動あんしん生命の「メディカルKit R」は、アイデア力抜群のダメ保険2020年4月5日医療保険の商品別レビュー「メディカルKit R」は、使わなかった保険料が戻ってくる“新しいカタチの医療保険”として脚光を浴びた商品だ。2013年には日経優秀製品・サービス賞の優秀賞も受賞している。掛け捨てを嫌う日本人の心をつかんだアイデア商品だが、うさたんの評価はすこぶる低い。
得する気分にさせておいて、実は全然得しない保険だからだ。
払い込んだ保険料の使わなかった分が戻ってきても、まったく得しない理由
まずは、この保険のしくみを簡単に解説しよう。
30歳でメディカルKit Rに加入した人の月払保険料が2,980円だったとしよう。この人が60歳や70歳など所定の年齢(ここでは70歳とする)までに入院給付金などの受け取りがなかった場合、保険料は「使っていないこと」になり、それまで払い込んだ138万7,200円(2,980円×12カ月×40年)が「健康還付給付金」という名目でリターンされる。
もし、70歳になるまでに入院や手術を受け、入院給付金などを20万円もらっていた場合は、70歳時での受け取りは、-20万円で118万7,200円になる。ここまではいいな?
インフレ考えたら全額戻ってきても損してまっせ
戻ってくるから嬉しいじゃん!と思うかもしれないが、保険会社は預かった保険料を運用してくれるわけではない。そのまんま戻ってくる。先の例で言うと、138万7,200円は40年経っても138万7,200円のままだ。
しかし、政府が2%のインフレ率をめざしているのはご存知のとおり、物価は上昇していくと考えられる。たとえ1%で推移した場合でも、100円で買えたパンが40年後には150円くらい出さないと買えない計算になるわけだから、今の100円は40年後には70円弱の価値に下がっていることになる。
138万7,200円が全額戻ってきても、実質は損しているということがご理解いただけただろうか?
このあたりをきちんと説明せず、表面的なお得感を醸し出す売り方をしている(ように私には見える)点が、この保険を評価しない理由だ。
加入者においては、これらのことを理解したうえで、それでも利用価値があると考えて加入する人を、うさたんは否定しない。しかし、「インフレのことなんて考えてもみなかったわ〜ウフフ☆」みたいな人には、「よく考えろアンタの大金が減っていくんだぞ!!」と言いたいのである。
一生涯、割高の保険料を払わされる
この保険の最大の特徴は、前述した「健康還付給付金」だ。払い込んだ保険料のうち、使わなかった分が所定の年齢になったら返ってくるのは、「健康還付特則」が付いているからである。
いわゆる「掛け捨て」ではないしくみを取り入れている関係上、保険料は保障内容にしては少々割高である。「保険料が戻ってくるメリットとのトレードオフだよ」という人もいるかもしれないが、健康還付給付金を受け取った後も保険料が変わることはない。
つまり、60歳や70歳などで健康還付給付金を受け取った後の保険料は戻ってこないのに、毎月支払う保険料の金額は「健康還付給付金あり」のままから変わらないということだ。
健康還付給付金を受け取った60歳時や70歳時点で解約すればいいのだが、病院のお世話になる確率が高まるのは60歳や70歳以降である。そんな年齢から新たな医療保険に入ろうものなら、そこそこの出費になるし、健康上の理由で入れない(審査が通らない)身体になっているかもしれない。
止めたくても止めにくい、そんなハメ技を狙っているとしか思えないのが、この保険だ。
結論:自分で貯蓄したほうがマシ
そもそも、払い込んだ保険料のうち、使わなかった分が戻ってくるのなら、自分で貯蓄しているのと何も変わらない。
保険会社に預けると、途中で下ろすこともできなければ、最終的には減ってしまうことも明らかなわけだから、自分で貯蓄するなり、運用にまわして増やすほうが賢いと、うさたんは思うぞ。
ただし、前述のとおり、いろいろと理解したうえでこの保険を選ぶにはなんの問題もない。「現金確保」としてポートフォリオに入れる考え方もあるし、リターンが保障された安心感もある。そういう「気持ち」はわからないでもない。
さいごに、なんの雑誌か忘れたが、この保険について感想を聞かれた有名FPが「こんなの保険じゃない」と一刀両断してて笑えた。そういうFPさんとは気持ちよく酒が酌み交わせるってもんだ。 [...]
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2万人以上が損をする?白内障の多焦点眼内レンズ手術に「先進医療特約」が使えなくなったぞ2020年3月15日医療保険の保障内容やあ、うさたんだ。今日はちょっと小難しい話をするが、いつも通りわかりやすい記事を心がけるので付いてきてくれな。
話題はズバリ、「多焦点眼内レンズ(多焦点レンズ)」が「先進医療」から「選定療養」に変更されたけれど、それって患者だけが損するやつだよね?だ。
先進医療とは
そもそも先進医療とはなんぞや?ということなんだけれども、ここではさらっと知っておくだけでいい。詳細は用語解説のほうで書くので、興味あったら見てくれ(ウサギでもわかる「先進医療」とは)。
先進医療とは、みんなが保険で受けられるノーマル医療にするかどうかを「検討中」の医療技術のことだ。大学病院などの高度な医療機関で研究・開発されており、安全性や治療効果には一定の評価があるものの、「保険適用するにはもうちょっと実績が欲しいよね」みたいな立ち位置にいる。
だから、先進的ではあるが、優れているとは限らない。
そして、保険が使えないということは、そこにかかる技術費は全額自己負担を意味している。厚生労働省「先進医療の概要について」の解説図を見てくれ。
出典:厚生労働省「先進医療の概要について」
診察や検査、注射など、病院に行くと普通に受ける治療は保険適用されるが、先進医療部分だけは全額自己負担になっている。この例では、保険適用分の56万円を引いた24万円と、先進医療部分の20万円で、44万円の請求になるわけだ。
多焦点眼内レンズ手術は実施件数ダントツ1位の先進医療
先進医療のしくみがわかったところで、多焦点眼内レンズ(多焦点レンズ)についてもちょこっと解説しておきたい。
多焦点眼内レンズは、白内障の再建手術に使われるレンズの一つで、平たく言えば「遠近両用レンズ」だ。遠くと近くの両方に同時にピントが合うという優れた一面があり、欠点もあるものの、満足度は概ね高いと聞いている(白内障手術をめぐる現在の環境 / 高橋 浩)。
実施件数は、年間あたり2万3,859件でトップ。2位の陽子線治療が1,663件だから、その差は歴然だろう。つまり、先進医療のなかではめちゃくちゃ需要があるのである。
先進医療給付金が出まへん
その需要ある医療技術が、標準医療ではなく「選定療養」に移動した。選定療養とは入院したときの個室代みたいなもので、患者の快適性や利便性に関する療養のこと。当然、公的保険は使えない。
と、い・う・こ・と・は・だ。今までは先進医療に区分されていたから、民間保険の先進医療特約を付けておけば楽勝セーフだったものが、今後はビタ一文出ないことになる。
そこで、この手術のお値段を見てみると、1件あたりの費用は65万6,419円(平成30年6月30日時点における先進医療Aに係る費用 / 厚生労働省)。選定療養に入ったことで、将来的に保険が使える対象にするかどうかの評価は行われない。
患者の負担、永遠に増えとるやないかーい!
では、なぜ多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術が選定療養から外れたのか? 政府の関係者から取材したわけではないが、「需要がありすぎた」からだと私は思う。
その意味では、先進医療特約の存在は大きい。これさえあれば負担がゼロになるわけだから、眼科医としても提案しやすく、患者も気軽な気持ちで受療していたのではないか。
しかし2020年4月以降はもう使えない。保険会社は胸をなでおろしているかもしれないな。視点を変えれば、先進医療特約の存在価値がめちゃくちゃ下がったとも言えよう。
駆け込み診療はちょっと待った
この影響で眼科医は大忙しと聞いているが、思考停止で病院に駆け込むのはちょっと待った!
前述したように、多焦点眼内レンズには欠点だってある。約1割の人が見え方に馴染めず、単焦点眼レンズに切り替える再手術をしているデータもある。
あくまで治療法の一つとしてじっくり検討したうえで選択してほしい。 [...]
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【辛口評価】楽天生命の「スーパー医療保険 戻るんです」に入るなら貯金するほうが百倍マシ2019年10月18日医療保険の商品別レビュー払い込んだ保険料のうち、使わなかった保険料が返ってくる終身医療保険を楽天生命が発売した。同社が販売するベーシックな医療保険『楽天生命スーパー医療保険』の保障内容に「健康還付特則」を加えた形だ。
この手の保険、どこかで聞いたことはないだろうか? そう、各誌で酷評されている東京海上日動あんしん生命の『メディカルKit R』の二番煎じである。
評価の概要
冒頭で述べた通り、この保険は『スーパー医療保険』に「健康還付特則」を付けた商品なので、中身は基本的に同じだ。したがって、主なメリット・デメリットは『スーパー医療保険』のレビューと同じである。
詳しくは該当ページで確認していただきたい。
メリットだと思った点
楽天スーパーポイントが貯まる(積極的な楽天ユーザーには嬉しい)がん診断給付金の給付間隔が1年に1回(通算6回)急性心筋梗塞・脳卒中の給付条件が入院のみネット申込ができる
メリットとして付け加える点はない。
デメリットだと思った点
還付型の医療保険である保険料が安いとは言えない終身型である主契約に放射線治療・骨髄ドナー保障がある短期保障に力を入れている180日以内の再入院は1回の入院になる通院特約が入院給付金日額の60%までしか出ないがん診断給付金が上皮内新生物まで保障する急性心筋梗塞・脳卒中の対象疾病が狭い先進医療特約が更新型である
逆に、デメリットの追加点はある。以下より詳しく解説したい。
還付型の医療保険とは? 使わなかった保険料が戻ってくるってどんなしくみ?
え? 還付型医療保険?! メディカルKit Rの二番煎じ?? といった人もいるだろうから、この保険のしくみを解説しておこう。
30歳の人がこの保険に入ったとして、 月払保険料が6,960円だったとする(公式サイトより)。その場合、保険料は60歳まで払い込む契約になるので(正確には契約時の年齢に応じて異なる)、払込金額の合計は
・6,960円×12ヵ月×30年=250万5,600円
という計算になる。ここまではいいな?
で、この人が健康そのもので1回も保険の世話にならなかった場合、この250万5,600円が「健康還付給付金」として丸々バックされるわけだ。掛け捨てのはずの保険料が返金されるんだから、嬉しいよな。
しかし、だ。入院などをして保険金を受け取ってしまった場合、その額が差し引かれた分が返ってくる。受け取った給付金が20万円だとすると、230万5,600円が手元にバックされる。ふむ、でも戻ってくるだけマシだな。
……と、思ってんだろ?
そんなものは欺瞞だということを、うさたんが証明しょう。
メリットは限りなく少ない
得することはほとんどない。うさたんがこう思う根拠を次に挙げる。
1.結果的に自分で貯蓄しているのと変わらない
30年間かけて払い込んだ保険料が250万円だったんだよな。で、病気にならなかったら250万円が無傷で戻ってき、病気になったらかかった費用分を引いた分が戻ってくるんだよな。
それ、貯金と変わらなくね?
だったら、30年もの間、増えもしない、下ろせもしない保険会社に預けるより、いつでも引き出し自由な銀行口座を作って積立貯金をするほうが利口じゃね?
まあ、「貯蓄は三角、保険は四角」というので、積立額が低い間に病気になったら保険のありがたみを感じるだろう。しかしこの国には高額療養費制度があるし、よほどのことがないかぎり家計をぶち壊すことにはならない。
つまりこの保険の使い所は、入ってすぐに病気やケガをして給付金を受け取れる状況になったとき、だけだ。
2.健康還付特則があることで保険料が高くなる
上記のとおり、こんなしくみにメリットはほとんどない。一見お得な保険にみせている健康還付特則がついているおかげで、通常の『スーパー医療保険』よりも保険料が2倍弱高い。
【比較条件】
30歳男女シンプルプラン入院給付金日額10,000円、手術給付金の型:Ⅰ型8疾病入院支払限度拡大特則付加、保険期間 終身通院特約付加(通院給付金日額6,000円)、先進医療特約2018付加(※スーパー医療保険)
スーパー医療保険男性:3,990円女性:4,170円スーパー医療保険 戻るんです男性:7,440円女性:7,640円※公式サイトより引用・抜粋。執筆・更新時現在
先進医療特約のあるなしに違いがあるので正確な比較ではないが、それでも価格差はご覧の通りだ。
3.健康還付特則が消滅したあとも保険料は変わらない
健康還付特則は、健康還付金を受け取る所定の年齢(60歳や70歳など。契約時の年齢に応じて異なる)で消滅するわけだが、その後も保険料は変わらない。健康還付特則があるために高くなっていた保険料が、それがなくなっても安くならないなんてモヤモヤしないかい?
健康還付特則という商品を消費したのだから当然かもしれないが、意地悪な見方をすれば、健康還付特則がなくなる所定の年齢以降から死ぬまでの、割高な設定のままの終身保険料で儲けてんじぇねえのこいつら?という気持ちにもなる。
4.物価の上昇に対応できない
これはこの保険だけに限ったことではないが、将来インフレでお金の価値が下がってしまうと、使わなかった保険料が返ってきてもその価値は半減している。この点を見ても、自分の手元で管理するほうがリスクヘッジができるだろう。
うさたんの結論:いらん
この保険の骨格は『楽天生命スーパー医療保険』なので、「戻るんです」の特徴はこんなもんだろう。結論は、いらん、だ。うさたんとしては全然おすすめできない。
メディカルKit Rとどちらがお得かを比較してもよかったが、この保険にお得さを感じないためやめておいた。
ある雑誌では「こんなものは保険ではない」と評するFPも見かけた。さすがにそれは言い過ぎだと思うが、マイナス評価を下す点では賛成する。
最後に、関係ないが、戻るんですって「写ルンです」から連想したに1万ペリカ。 [...]
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【健康増進型保険】保険会社は売る気満々だが冷笑に値する不要さ2019年4月3日医療保険の保障内容健康増進型と呼ばれる医療保険がある。中身は従来のものと変わらないが、被保険者の行動や健康状態によって保険料が割り引かれたり、還付金が支給されたりするため、お得に感じる人が多いようだ。
関係者や保険相談を得意とするFPとも議論した結果、うさたんの結論はタイトルどおり。不要!!まったくもって不要だと冷笑を浮かべて言ってやる。理由はこうだ。
保険会社が第三分野を売りたがる理由
前提として、保険会社の現状を少々悪意を交えながら解説しよう。
実は、保険屋という商売の未来はそう明るいものではない。そりゃあ食いっぱぐれはしないが、少子高齢化が進む日本では、これまでと同じやり方を続けていては先細りしかないのである。
そこで思いついたのが、医療保険やがん保険、就業不能保険といった第三分野の販売強化だ。基本的には一家の大黒柱にしか必要のない死亡保険と違い、性別や年齡に(あまり)関係なく売り込むことができるからだ。
とはいえ、統計上はほとんどの人が健康な若者は、医療保険なぞに興味はない。どうしたものか。うーん。と頭をひねった結果、昨今の健康ブームや自己責任論に着地するのである。
男女問わず若くても病気になることはある
なってからでは遅い
所得だってまだ低いだろうし治療費に対する不安は小さなものではない
ならば「あなたの健康を応援する」という立て付けの保険を出せばどうか?
病気を予防しながら、いざというときの備えにもなる
健康な人、健康を維持した人には特典として保険料を割引またはキャッシュバック!
とまあこんなストーリーで、従来と代わり映えしない医療保険を切り口を変えて販売しているだけである。健康増進とは魅力的な言葉を思いついたものだが、うさたんには「手を変え品を変え」のように見えるぞ。
要するに健康増進型保険は、今後、第三分野保険の販売強化を図りたい保険会社の「お試し商品」の一つである。お試しと言ったのは、まだまだ1つのジャンルとして確立されているとは言えないからだ。
肝心の各社商品も今んとこ微妙
健康増進型保険の魅力は保険料の割引やキャッシュバックにあるが、現在、販売されている商品をはどれも微妙と言わざるを得ない。インセンティブを獲得するための条件が厳しかったり、面倒くさかったり、意味あるそれ?と思わせるものだったり。
今からそれを証明しよう。
住友生命「Vitality(バイタリティ)」
契約時に「健康増進乗率適用特約」を付加することで「健康プログラム」という契約を結ぶ(利用料月864円)。これで保険料が15%引きになる。……は?
その後は健康になる努力を継続することでポイントを獲得でき、これが保険料の割引にかかわってくるのだが、驚くことに「フィットネスジムに入会する」ことで得られるポイントがある。フィ、フィットネスジムに月額1万円弱払って、年間数千円であろう保険料の割引を受けて嬉しいのか? 保険料のためにジムに入会しろと言うのか…?
笑わせてくれるのは、運動の種目と運動量によって獲得ポイントに差がある点。たとえばランニングは、10km以上21km未満だと600ptだが、21km以上42.1km未満だと倍の1200ptもらえる。……おい、運動はハードにやりゃあいいってもんじゃねえぞ。住友生命の商品開発部門は、NHKの『みんなで筋肉体操』を見たことがないのか。1日5分でもきちんと負荷をかければムキムキになれるんだよ谷本先生の講義受けてこい。
イベント/ pt
100pt
200pt
600pt
1200pt
2000pt
ウォーキング
4km以上10km未満
10km以上15km未満
15km以上30km未満
30km以上50km未満
50km以上
ランニング
–
5km以上10km未満
10km以上21km未満
21km以上42.1km未満
42.1km以上
水泳
–
0.6km以上2.5km未満
2.5km以上5km未満
5km以上8km
8km以上
サイクリング
–
15km以上25km未満
25km以上50km未満
50km以上100km未満
100km以上
トライアスロン
–
–
14km以上25.7km未満
25.75km以上51.5km未満
51.5km以上
なお、ジムに入らなくてもポイントは加算されるが、対応のウェアラブル端末が必要となる。うさたんの経験上、運動のたびにこの手のデバイスをわざわざ身につけるのは死ぬほど面倒くさい。
東京海上日動あんしん生命の「あるく保険」
1日平均8000歩以上歩くことが条件で、達成するとキャッシュバックが受けられる。キャッシュバックがあるのは2年後。つまり加入から2年間は計測期間となる。
2年間の総歩数を1日単位で割り出すのではなく、6ヶ月に1回を計測期間の単位とする。つまり2年間で4回の判定がなされるわけだ。2年後、4回とも平均8000歩を達成していれば満額のキャッシュバック、1回しか達成していなければ1/4のキャッシュバックとなる。
…ツッコミどころとしては、ややこしいわ!
また、日本人の平均歩数からすると、8000歩は十分達成できる範囲であると同社は主張するが、普段よりちょっと多く歩くだけで健康に結びつくとは限らないし、そんなエビデンスもない。
こんな保険にそそのかされて歩きすぎる人が出ないかも心配だ。だとえば、東京都健康長寿医療センター研究所の青柳幸利さんは、「その人に合った歩数がある」「1万歩は歩きすぎ」といった旨を雑誌のインタビューで答えている。
アフラックの「健康応援医療保険」
健康診断の結果、健康年齢が実年齢を下回っていれば、キャッシュバックを受け取れるというもの(年に1度)。同世代の人より健康なほうなのに、年齡で一律に保険料が上がることに納得できない人には嬉しいだろう。自動車保険でいう運転行動連動型のテレマティクス保険と似ている(=運転が上手い人ほど保険料が安くなる仕組み)。
しかしこのキャッシュバックは60歳までしか受け取れない。若く健康な間だけキャッシュバックで釣っておいて、受療率が上がりだす60歳以降は他の保険と変わらない代物と化すのだ。Why?! なぜ年寄りは応援してくれない!!
ちなみに、この保険は30日以内の入院を保障対象としており、入院給付金日額1万ではあるものの、全体的な保障内容は手薄い。保険は、滅多に起こらないけれど、起こると自分では対処しきれない金銭的負担に対してかけるものだという鉄則を思い出してほしい。
結論:健康増進は自分だけでもできるぞ
気になった3社を挙げてみて改めて思ったことがある。
健康増進型保険に加入し、保険料を払いながら、保険会社が定めた良いんだか良くないんだかわからないメニューをこなすより、自分で健康に注意を払って毎日を過ごすほうがコスパが高くないだろうか?
「健康増進」「あなたの健康を応援」などと保険会社に言われなくても自助努力で可能なことばかりなのである。
さあみんな、自ら運動し、予防医療にアンテナを張り、これからの人生をイキイキと若々しく生きようじゃないか。 [...]
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【辛口評価】アフラックの『健康応援医療保険』は応援されている気がしない2019年2月20日医療保険の商品別レビュー※この保険は2021年9月を持って販売停止になった模様※
2018年のトレンド、そして2019年も盛り上がりを見せると思われる「健康増進型」の保険。保険加入者が健康診断の結果を提出したり、運動したりすることで保険料の割引などが受けられる保険のことだ。
第三分野(医療保険やがん保険)で強みを持つアフラックが参戦しない訳がなく、今をときめく田中圭と橋本環奈を起用してペットネーム通りのメディア展開をしている。
さて、どんなものかと見てみたが、うさたん的には残念な保険だと言っておこう。以下、健康応援医療保険の公式サイトにそってレビューする。
特徴1.キャッシュバックで加入者の健康を応援。ただし……
この保険の目玉は、年に一度の保険料のキャッシュバックだ。健康診断の結果、健康年齢が実年齢を下回っていれば、健康還付金を受け取れるというもの。
「健康年齢診断シミュレーション」ページなるものも公開されており、現時点の健康年齢のチェックが可能。つまり、現時点の自分が健康還付金を受け取れる見込みがあるか、ここで確認しておいてね、ということだ。
健康還付金は現金で受け取ることもできるし、Amazonギフト券で受け取ることもできる。Amazonユーザーじゃない人には1ミリもありがたみがないが、この辺りはまあ、今後いろんな換金方法が出てくるのかもしれない。
肝心の、どれくらいキャッシュバックされるかについては金額表が公表されている。
■健康還付金
年齢
保険料
年間保険料
健康還付金
25歳
男性:2,109円
女性:2,189円
男性:25,308円
女性:26,268円
男性:1,900円
女性:1,200円
30歳
男性:2,379円
女性:2,369円
男性:28,548円
女性:28,428円
男性:2,300円
女性:1,500円
35歳
男性:2,779円
女性:2,639円
男性:33,348円
女性:31,668円
男性:2,700円
女性:2,000円
40歳
男性:3,309円
女性:2,969円
男性:39,708円
女性:35,628円
男性:3,400円
女性:2,300円
男性の場合で7~8%程度、女性だと4~6%程度のキャッシュバックが受けられるようだ。これを多いと見るか少ないと見るかは別として、大切なのは次だ。
ところがどっこい60歳までね
健康還付金には年齢制限が設けられている。公式サイトから引用すると・・・
お支払いの対象期間は被保険者の年齢が60歳となる年単位の契約応当日までです。
出典:アフラック公式ページ
おわかりか?
60歳以降の健康状態は応援してくれないということだ。
患者調査の概況「受療率」(厚生労働省)の増加率を見ても明らかだが、健康年齢が本領を発揮するのは60歳以降だ。つまり、まだまだ若い人と年相応に病気がちになっていく人の差が出るのは60歳以降なのに、そのときのモチベーションは維持してくれないのである。
人生100年時代、今よりも元気なお年寄りが増えていく今後、60代になってもピンピンしているシニア層は少なくないと予測する。しかし、そんな現役バリバリな方々でもキャッシュバックは受け取れない。
60歳以降は還付金を打ち切られるからである。
若いうちは、ある意味もらえて当然。だって若いんだから。真価が問われるのは60歳以降なのに、そこは応援してくれない、残念な設計だ。
特徴2.入院1日1万円で安心!
入院給付金日額が1万円というのも、健康応援医療保険のいちおしポイントらしい。うさたんは、高額療養費のことを考えると日額5,000円で十分だと思っているが、保険料の兼ね合いもあって5,000円に妥協している人は少なくないだろう。1万円なら安心だ。差額ベッドを利用しないとは言えないし、大船とまでは言えないが、気持ち的に余裕が出るのは確かだ。
しかし、平均在院日数は短期化傾向にある
そう、そうなのだ。平均在院日数は年々、減っているのだ。要は、入院給付金日額が頼りになるケースが減ってきている。
それでも初期コストはかかるが、そんな額は知れており、保険で備えるような大きなリスクだとは思わない。
手術を伴うような大きな病気をしても、この保険が活躍する姿が見えない。手術給付金は一律5万円で固定だからだ。そう、この保険はアレンジが効かないのである。先進医療特約まで付加必須というご丁寧さだ。
順番が前後するが、ここで保障内容の一覧を見てみよう。アフラックの公式ページを参考に書き起こした。
名称
支払額
支払限度
入院給付金
1回の入院につき、1万円×入院日数
1回の入院について30日(※)
重大疾病入院給付金
重大疾病での1回の入院につき、1万円×入院日数
1回の入院について90日(※)
手術給付金
1回につき5万円
無制限
(一連の手術については14日に1回)
放射線治療給付金
1回につき5万円
無制限
(複数回受けた場合は、施術の開始日から60日に1回)
先進医療給付金
先進医療にかかる技術料のうち負担した額
通算2,000万円まで
※通算は1,095日
1回の入院につき1日1万円もらえても、支払限度日数は30日、手術給付金、放射線治療給付金は5万円固定と、保障内容は非常に心もとない。保険料がリーズナブルな理由は、なんのことはない、他の保障を抑えているからだ。
正直、この程度の備えに保険料を支払ってまで入る意味があるのか、疑問に思う。頼みの綱の入院保障は今後ますます使えなくなるだろうし。
特徴3.重大疾病での入院は120日まで延長保障。うーん。
入院が長期化するような重大疾病(がん(悪性新生物)、心疾患、脳血管疾患、肝疾患、腎疾患、膵疾患)で入院した場合、30日を越えても入院給付金日額が受け取れる。それが「重大疾病入院給付金」だ。
この給付金があるおかげで、長期化もカバーする保険ですよというのがアフラックのアピールだが、他社にも似たような仕組みはあるので特段ありがたがることはない。
他社でもできるし保険料も安い
ためしに、チューリッヒの『終身医療保険プレミアムDX』で、《入院給付金日額1万円、手術給付金・放射線治療給付金5万円、先進医療特約あり、月払》と、アフラックの健康応援医療保険と同スペックにし、1入院の支払限度日数を120日にしてみた。結果、保険料は次のとおり。
年齢
健康応援医療保険
プレミアムDX
20歳
男性:2,109円
女性:2,189円
男性:1,782円
女性:2,032円
30歳
男性:2,379円
女性:2,369円
男性:2,152円
女性:2,402円
40歳
男性:3,309円
女性:2,969円
男性:2,892円
女性:3,042円
やだ、チューリッヒやっす・・・。
重大疾病でないと120日まで延長保障されない健康応援医療保険に対し、どんな病気でもデフォルトで120日まで保障されるプレミアムDX。もちろん、完璧に条件をそろえての比較ではないが、保障内容・保険料ともに目を引く内容は少ないというのがうさたんの印象だ。
特徴4.健康増進型としては生保初のオンライン専用保険
この手のタイプとしては初の、スマートフォンやパソコンから申込を完結できる保険だという。ついでと言っては悪いが、保険証券の電子発行も生保初だとか。
こういう新しい試みはさすがアフラックだと称賛したい。AIが保険の提案をするような時代なので、この手の保険はどんどん増えてほしい。「付いていけないわ」というそこの貴婦人。そんなことでは平成に取り残されますよ。
専用のスマホアプリ『ココカラダック』もある。ここでは、プレゼントがもらえるキャンペーンや、『テキスト医療相談』といって、医療従事者に病気・症状についての相談ができるもの、人間ドックの予約ができるなどのコンテンツが用意されている。キャッシュバックの請求もアプリから可能なようだ(2019年9月ごろ提供予定)。
使い心地などは実際に加入してみないとレビューできないが、(株)メディカルノートやマーソ(株)といったスタートアップ企業に投資しているようだし、今後もいいように拡充していくのだと思う。
うさたんの結論:1日1万円は魅力ではあるけれど……
そもそも30日程度の入院保障は必要性が低く(高額療養費と貯蓄でなんとかなる)、長期保障ではチューリッヒに軍配、保険料でも完敗ということで、うさたんとしては全然おすすめできない。
定期保険なら再考の余地がないわけではないが、終身で、しかも目玉の健康還付金が60歳までで終了となると、その先30年間生きると仮定して、この保険に助けられたと思える気がしない。
ただし、加入や請求の手続きが、テクノロジーを活かして簡略化されているのはとてもいい。保険にさほど関心がない、だけれどもなにかの保険に入っておかないと不安という層が、「なんか安そー。スマホからも簡単に入れるー。健康にも自信あるー」みたいに加入する姿が浮かぶ。 [...]
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差額ベッド代は自ら希望しないかぎり払わなくて良し。もう一度言う、支払不要!2018年8月4日医療保険の保障内容うさたんだ。
先日、Amazonプライム・ビデオで『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』のシーズン4を観ていたときのことだ。
がんで緊急入院した城之内博美(内田有紀)が、大門未知子(米倉涼子)にこんな類のことを言った(セリフはうろ覚え)。
城之内「さすが差額ベッド室!でもここ高そうだな〜」
大門「ここしか空いてなかったんだから、我慢してね」
…なんだと?
ご存知の方もいるだろうが、差額ベッドは正式に『特別療養環境室』といって、快適に治療してもらうための特別な入院部屋のことを指す。
「差額」とあるように、利用すると別途料金がかかり、その価格はピンからキリ。全国平均だと一泊5,000円〜1万円くらいだが、豪華な入院室だとウン十万したりもする。
城之内博美が価格にビビったのはこのためだ。
差額ベッドの定義は、「病室のベッド数が4床以下であること」とか、「病室の面積が1人当たり6.4平方メートル以上であること」とか、いくつかあるのだが、そんなことはこの際どうでもいい。
重要なのは、
差額ベッド代の支払義務が生じるのは、自ら入室を希望した場合だけ、ということだ。
ベッドの空きがなかったとか、病気の種類や症状の都合で個室に移動させたとか、こういう病院側の都合では請求できないことになっているのだ。
これは厚生労働省が正式に通知している医療業界の常識だ。病院にとって厚労省はお上のような存在なので、逆らうことは絶対にできない。
…どうだろう?
冒頭で紹介した、大門と城之内の会話がいかに奇妙か、ご理解いただけただろうか。
したがって諸君も、なんらかの病気や怪我で入院することになった際、病院から
「差額ベッド室しか空いてないんですよ〜」
「一泊○○円別途料金がかかりますが、よろしいでしょうか?」
「無理なら別の病院に移っていただくことになりますが」
なんて言われても一切応じる必要はない。
病院側は厚労省の通知など当然理解している。そのうえで、わざと請求しているのだ。
まあ、彼らも経営が大変なんだろうが、こっちだって差額ベッドの特別料金を払うのは大変だ。
心も体も緊急事態で正常な判断ができない状態かもしれないが、毅然とした態度で断ろう。「差額ベッド代 厚生労働省」でググって出てきたページを病院側に見せるのも効果的だろう。
まとめ
(差額ベッド代?なにそれ?な3箇条)
患者の同意を得ていない場合
治療上の必要があった場合
感染など病棟管理の必要性があった場合
ちなみにドラマでは、大門が無理やり城之内を入院させるなど、病院側の了承すら得ていない緊急入院だったことから、事情が異なるかもしれない。
いつも無茶をやらかした挙句、病院側から多額の報酬をせしめている関係もあるかもしれないが、ドラマを観ていない人にはわからないと思うのでこの話はやめとくか。
なお、民医連など、差額ベッド代はどんな事情があろうと請求しないというスタンスの病院もあるぞ。 [...]
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がん保険
「わりかん保険」はがん保険の新時代を築き上げることができるのか?2020年2月23日がん保険の商品別レビュージャストインケース(justInCase)という少額短期保険業者から、面白いがん保険が出た。がんと診断されたら一時金80万円を受け取れるが、保険料は0円から加入できるというもの。
海外で成功しているシェアエコ保険というしくみなのだが、日本のがん保険では初だ。以下、うさたんがわかりやすく解説するぞ。
がんになった人が出た時点で保険料が発生する
わりかん保険の「わりかん」とは、がんと診断された人の診断一時金をみんなで支払うという意味。がんになる人が多かった月の保険料は高くなり、少なかった月は安くなるというわけだ。みーんな健康なら保険料はかからないし、これぞままさに助け合い。
じゃあ、がんになる人がめちゃくちゃ多かった月は保険料が爆上がりするのかというと、そうではない。上限が決められていて、20歳〜39歳は500円まで、40歳〜54歳は990円、55歳〜74歳は3,190円までとなっている。
診断一時金の保障額80万円というスペックを考えると、55歳以降は別に安くないじゃんと思わないでもないが、あくまでマックスであると覚えておきたい。
上皮内新生物でも全額保障
保障内容は、がん診断一時金、上皮内がん診断一時金、死亡保険金の3つ。
診断一時金
保障回数は保険期間(1年間)を通して1回1きりだが、「軽度のがん」と言われる上皮内新生物でも全額の80万円が受け取れる。
うさたんは、上皮内新生物「程度」の治療費は貯蓄で対応すればよいと考えているが、前述のとおり保険料が格安なので文句はない。とはいえ、もし上皮内新生物を保障対象外としたとき、どのくらい保険料が下がるのかは気になるところ。
オプションとして選べる設計にしてあると言うことなかったのだが。
死亡保険金
死因にかかわらず、死亡保険金も付いてくる。金額は年齢と性別によって異なり、男性は最大200万円、女性は最大300万円となっている。
70〜74歳で死亡したとき、男性は5万円だが、女性は90万円と、かなりの差がある。
がんになる人が多いほど保険会社は潤う?
シンプルなつくりのせいもあって、解説することはこれくらいなのだが、保険会社のキャッシュポイント(収入源)についても触れておきたい。次の流れになる。
加入者ががんと診断された保険会社が診断一時金を支払い翌月、加入者全員から保険料を徴収集めた保険料から手数料として25~35%頂くよ
我々が知っている保険のしくみとは大きく違うことがおわかりいただけるだろうか。従来の保険は、最初の段階で保険料を集め、支払事由を満たす人がいたら、集めた保険料の中から保険金を支払う。だから、がんになる人が多ければ保険会社の取り分は減り、少なければ増える。
どちらにしろビジネスは成り立つわけだが、わりかん保険の場合は逆だ。がんになる人が多ければ多いほど儲かってしまう収益構造なのである。
もっとも、加入者の利益に関係のある話ではない。加入者が増えればがんになる人の確率も増えるが、みんなでわりかんするので保険料の負担は減る。この点が気になるのは、うさたんの性格が悪いからだろう。
うさたんの結論:納得できるがん保険
コンセプトが素晴らしいし、保障内容もまずまず。保険料がかかる月には、がんになった人の数や保険金の額などが開示され、透明性もある。
がん保険を不要だと考えるうさたんでも、「納得できるがん保険」として、今後の動向を見守りたいと思う。 [...]
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自転車保険
自転車保険の加入率が高いのは京都、兵庫、大阪など近畿圏!2020年8月21日自転車事故の実情うさたんだ。
au損保が調査した、自転車保険の都道府県別加入率が面白いので紹介したい。2018年度にも同様の調査をしたところ、好評だったので2019年度も調べてみたとのこと。いい仕事してるよ。
「義務化」の強みが如実に出る
詳細はau損保の調査ページに譲るとして(文末にURLを記載する)、ここでは加入率が高い都道府県のベスト5を抜粋する。
京都府 / 73.6%兵庫県 / 69.9%大阪府 / 69.5%滋賀県 / 68.4%埼玉県 / 65.9%
近畿圏の比類なき強さ。最下位の鳥取県は31.1%なので、京都府の加入率は倍以上である。ちなみに2018年度で京都は2位(69.8%)、鳥取県は同率27位(50%)で、何があったんだ鳥取、という気分だ。
上位の5位には、自転車保険の義務化が2018年度以前に行われたという共通項がある。早期から自転車事故のトラブル解決に向けて動いていた地域ということだ。
義務化地域には留意点があり、都道府県単位で実施している地域もあれば、市単位で実施している地域もある。上位5位はいずれも都道府県単位で足並みがそろっているとも言える。ちなみに市単位で最も上位は愛知県名古屋市。順位は7位で加入率は62.9%と優秀だ。
逆に、都道府県単位で義務化しているものの、加入率が伸びないのが鹿児島県。順位は14位、加入率は55.9%だ。
全国で都道府県単位での義務化が広がるか
2019年度の全地域の加入率は57.3%と、前年度調査の56%からやや上昇した。半数以上の加入率を優秀とみるかどうかは意見が分かれるところだが、この数字は緩やかではあれ上昇していくと見られる。
2019年度に義務化をはじめた神奈川県や、2020年4月に義務化が決まった東京都など、自転車保険義務化の流れが押し寄せているからだ。現在では「努力義務」としている北海道や千葉県、福岡県の動きも気になる。
いずれにしろ、各自治体が声高に「自転車は車である」ことを知らしめれば、若年層が加害者になることも、老齢の方が被害者になることも減るだろう。
とはいえ都道府県おすすめの自転車保険に入る必要はない
自転車事故は加害者になったときの損害賠償請求が計り知れない。保険は家計を破綻させないために入るものなので、第三者を傷つけたときに補償してくれる「個人賠償責任保険」には必ず入ろう。
逆にいえば、個人賠償責保険をすでに持っている場合、あらためて自転車保険に入る必要性は低い。自転車保険の多くは傷害保険とセットになっているからだ。傷害保険は、自分がケガをしたときに出る補償だが、ケガによる治療費や入院費は家計を壊滅させる大打撃とはなりにくいと言える。
もちろん、何が何でも傷害保険は不要などと押し付けるつもりはないので、不安なら加入しておいてもいいだろう。妙な医療保険などと違って安価だし。迷ったら地方自治体が推奨する自転車保険にしても「ハズレくじ」ではないと言っておく。
うさたんの自転車保険に対する考えは下記で書いているので、よかったら読んでくれ。
【結論】自転車保険は「個人賠償責任保険がない人」には必要
【参考】au損保、2年連続で自転車保険加入率を調査 [...]
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保険選びに慎重な私が自転車の盗難保険に加入するなら2020年8月5日自転車保険の商品別レビュー自転車の盗難保険は各社から出ているが、どこに入ればいいか分からないという人もいるだろう。
うさたんは盗難補償には頼らず、U字ロックや地球ロックのコンボで絶対に盗ませない環境づくりに力を入れているが、プロの自転車泥棒にとっては屁でもないハードルかもしれない。
自転車盗難保険に入る前に、盗まれにくい環境づくりに気を配ろう
そこで今回は、自転車の盗難保険について比較・検討し、加入するならどの商品が良さげなのか? うさたんの見解を述べたい。
購入後すぐにメーカーの盗難補償に加入する
購入した自転車のメーカーが盗難補償を取り扱っている場合、うさたんは迷いなく加入手続きを済ませるだろう。そうしたサービスはたいてい無料で、なおかつ手厚い内容になっているからだ。
対象車種は限られるものの、
・ブリヂストンサイクル・ミヤタサイクル・YAMAHA・Panasonic
などの大手メーカーは、独自の盗難補償を提供していることが多い。
例えばブリヂストンは、新車購入後20日以内に所定の手続きを完了させると、自転車が盗まれた場合には割引価格で新車または最近似車を購入できる。
またミヤタサイクルでは、対象車種を購入した翌日から自動的に盗難補償が付いてくる。「盗難時にキーが3個ない場合は補償対象外になる」「交換車種の工賃はかかる」など所定の条件はあるが、盗難が認められれば、購入モデルと同様の車種または最近似車を補償してくれるのだ。
メーカーの盗難補償期間は3年以内が相場だが、ほとんど無料で利用できるし、ハッキリ言って利用しない選択肢はないだろう。
注意点としては、自転車を買ったらすぐに加入することだ。ブリヂストンのように購入後の加入に期日を設けているケースもあるため、購入と同時に手続きを進めてもいいくらいだ。
盗難保険だけを取り扱っている少額短期保険に入る
メーカーの盗難補償期間は約3年で終わる。いや、そもそも、購入した自転車メーカーが盗難補償を取り扱っていないかもしれない。
そうしたケースを見据えて、うさたんは『ZuttoRideのずっと自転車盗難車両保険』という少額短期保険が目に付いた。この商品は車両保険とのセットプランがメインだが、盗難保険だけのプランを選ぶこともできるのがよい。
しかも契約は1年間または2年間から選べ、協定保険価額が1万円未満になるまで更新し続けることができる。
協定保険価額は、ざっくり言えば自転車の価値のことで、この商品では1年目の価額を基に毎年10%下がる決まり。5万円の自転車なら、2年目は4万5,000円へと減り、3年目は4万円へとさらに減っていく仕組みだ。
さて、保険料を1年契約で見積もってみたぞ。
自転車の購入金額
保険料
月払
一時払
3万円
73円
836円
5万円
126円
1,450円
10万円
253円
2,900円
高いか安いかの判断は人それぞれだが、多くの人にとって予算の範囲内ではないだろうか?
ここで注意点を共有したい。『ZuttoRideのずっと自転車盗難車両保険』は、自転車を購入後90日以内でないと加入できないようだ。だからもし、メーカーの自転車盗難補償に加入している場合、この保険にも入ると補償がダブることになる。
ダブったところで、得になる方を使えばいいのだが、メーカー補償の方が有利な場合、3年間は使えない保険に保険料だけを払うことになってしまう。
それはそれでバカバカしいので、この保険はメーカー補償に入れなかった場合の代替策の一つとして捉えておくといいだろう。
それ以外:使いにくい
もう終わりかい?!と思うかもしれないが、うさたんが調べた結果、抱き合わせ保険でない純粋な盗難補償で、加入制限が緩いのは『ZuttoRide』くらいだった。
・ちゃりぽ→この商品も人気のようだが、購入後から1ヶ月以内でないと加入できず、契約期間の更新もできない(最長2年)なので除外した。
・すぽくる・みんなのスポーツサイクル保険→これらの少額短期保険も良さげだったが、10万円以上のスポーツサイクル以外は加入できないので除外とした。
ガチではないけどママチャリだと物足りないライトユーザーにとって、10万円以下の自転車は「少々無理をして買った愛車」だと思うからだ。10万円以下だから盗まれてもいいなんて思うわけがないからな。
家財保険で備えるのもあり
ところで、火災保険に加入している人は、契約内容によっては自転車の盗難も補償対象になっているかもしれないので確認してみよう。建物ではなく家財を補償する家財保険では、自転車も家財とみなしてくれる商品もあるためだ。
ただし、盗難については細かい条件(敷地内に停めている / 屋根付き車庫限定など)が付いていたり、免責金額といって一定額は自己負担を許容する契約にしていることもあるため、よく分からなければ保険会社に聞いてみてほしい。 [...]
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自転車の運転でやってしまいがちなルール違反2020年7月24日自転車事故の実情うさたんだ。
自転車保険の世話にならないためには、常日頃から安全運転を心がける必要がある。しかし、安全運転とは実に幅広い言葉で、本人は気遣って運転しているつもりでも、交通ルール的にはアウトな運転というものがある。
そこで今回は、世間には意外と知られていない、自転車の走行におけるルール違反を紹介しよう。明日からの通勤・通学・サイクリングに役立ててくれれば幸いだ。
交差点安全進行義務
道路交通法第36条。自転車は車道を通行するものだが、交差点に侵入する際、歩道の隣に「自転車横断帯」があるときはそこを通行しなければならない。
また、信号機がない交差点などで、交差する道路が優先道路であるとき、狭い道路から広い道路などに出るときは、他の車両の進行を妨害してはならないと定められている。もちろん歩行者にも注意し、必ず徐行しよう。
交差点優先車妨害等
道路交通法第37条。交差点で右折するとき、優先されるのは直進車、左折車、または救急車などだから妨害すんなよ、というルールだ。
制動装置(ブレーキ)不良自転車運転
道路交通法第63条の9第1項。その名の通りブレーキの調子が悪い自転車に乗ってはならないというルールだが、「反射板が壊れている」「尾灯がない」などでもアウトだ。自転車は立派な車両であることを再認識し、メンテナンスを怠ってはならない。
指定場所一時不停止等
道路交通法第43条。地面や道路標識にある「止まれ」などの一時停止は、車だけでなく自転車にも命じているものだ。ノンストップで走行しているところを警官に見られたら、止められる可能性は十二分にあるぞ。
歩道通行時の通行方法違反
道路交通法第63条の4第2項。歩道を走る際は歩行者様の邪魔をしてはならないというルール。歩道を我が物顔で走っている自転車をよく見かけるが、優先されるべきは歩行者様だ。自転車畜生共は徐行したり、車道寄りを通行したりするなどして気遣おう。
環状交差点安全進行義務違反等
道路交通法第37条の2。環状交差点とは、ロータリーまたは円状になっている交差点のことである。進入時には一時停止の必要がないことも多いが、自転車は他の車両の進行を妨害してはならない。
自転車は軽車両である
自転車における「危険運転」の中から、ぱっと見ではわかりにくく、やってしまいがちな交通ルールを選定して紹介した。
2020年の改正道路交通法を見てもわかるように、自転車の危険運転は軽視されていない。自転車保険(個人賠償責任保険)の世話にならないよう、ルールに則った運転を心がけてほしい。 [...]
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自転車盗難保険に入る前に、盗まれにくい環境づくりに気を配ろう2020年7月8日自転車事故の実情自転車は専門知識がなくても比較的容易にパクることができるため、保険で盗難に備えたほうがいいのか、結構悩ましい。
いろいろと調査した結果、うさたんは自助努力で対応することに決めた。が、そんなことが面倒だという人は、自転車の盗難保険を検討すればいいと思う。どんな対策を講じようと盗まれるときは盗まれるし。
保険選びに慎重な私が自転車の盗難保険に加入するなら
そこでこの記事では、盗まれにくい自転車の駐め方とはなんぞや?を考えたい。いやいや、そんなことより使える自転車保険を!という人には別記事を用意するから、そちらが役立つと思う。
泥棒は駐輪場に現れる!
まずは事実確認からだ。自転車泥棒の認知件数(警察が犯罪だと把握している件数)は平成30年では18万3,879件であり、昔に比べるとかなり減少したものの、発生率はまだまだ高い。
盗まれた自転車のうち、無事に発見・返却された件数は9万5,580件だから、自転車をパクられたら約半分の確率で戻ってこない計算になるわけだ。
■平成30年度 自転車盗認知・検挙状況まとめ(出典元:警察庁)
区分・項目
結果
認知件数
全体
183,879
施錠あり
72,763
施錠なし
111,116
検挙件数
全体
11,677
還付件数
全体
95,580
「施錠あり」が「施錠なし」よりも盗まれにくいのは当然だが、その差は約4万件と、意外に差がない。
そこで今度は、盗難が発生した場所についても注目してみた。
■平成30年度 発生場所別自転車盗認知件数の順位(出典元:警察庁)
場所
施錠
件数
駐車(輪)場
なし
47,036
駐車(輪)場
あり
31,384
道路上
なし
15,189
一戸建住宅
なし
13,183
道路上
なし
12,366
4階建以上共同住宅
なし
11,515
4階建以上共同住宅
あり
10,937
3階建以上共同住宅
なし
10,704
3階建以上共同住宅
あり
7,581
その他
なし
6,755
鍵をかけていようがいまいが、最も狙われやすい場所は駐輪場のようだ。次点は道路上・施錠なしだが、鍵をかけていないと一戸建住宅が4番目に狙われやすいのは興味深い。
「絶対安全な場所」は自宅内くらい。ならば……
以上の調査から、駐輪場に駐めなければ盗難に遭う確率をぐんと減らすことができる!……が、道路上や自宅前の駐車も盗難リスクが低いわけではない。
要するに、どう頑張ってもガチな窃盗犯に勝つことはできないので、ならばできることは2つ。
「盗む気を失せさせる環境づくり」に注力するか、「盗まれてもいい環境づくり」にシフトするかだ。後者はつまり保険である。
うさたんは、盗む気を失せさせる環境づくりに注力することにした。
自転車が盗まれにくい自助努力とは
やることは空き巣対策と同じ。「その気になれば侵入できなくはないけど、このセキュリティ体制だと時間がかかるし、一定以上のリスクもある」と思わせれば勝利だ。
U字ロックを使う
その効果を発揮するのはU字ロック。これ一択だ。
知人の自転車販売店のオーナーによれば、チェーン式の鍵だと朝飯前でちょん切ることができるが、U字式だと難易度が上がるとのこと。Uの字が短かいタイプほどボルトカッターなどの工具が使いにくく、諦めモードになってくれるそうだ。
実際にうさたんが使っているのは「KRYPTONITE(クリプトナイト)」というU字ロック。
ダブル(ツー)ロックする
ダブル(ツー)ロックとは、その名の通り鍵を2つ用意してダブルでかけることである。鍵が増えることで盗むのに必要な手間も増えるわけだ。
だから2つより3つ、3つより4つが好ましいが、鍵をいくつも持ち歩くのは現実的ではないため、とりあえず2つでいいと思う。
複数のU字ロックが最強だが、値も張るし、重い。だからもう1つはチェーン式の鍵でもいいだろう。ただし、できるだけ鉄の輪が大きいタイプを選ぶこと。
地球ロックは基本のキ
地球ロックとは、電柱や柵など、地面に固定されている構造物に縛り付けて施錠する方法のこと。
その場から持ち運んでの作業が難しくなるため、レベルの低い窃盗野郎なら地球ロックだけで追い払うことができる。前後のホイールとフレームをひとまとめに固定し、万全を期すのだ。
ただし、ガードレールなどの公共物に縛り付けるのは「違法駐車」とみなされる可能性があるため、要注意だぞ。
カバーをかける
は?と思うかもしれないが、これも自転車泥棒に一手間かけるための重要な施策だ。特に、不特定多数の自転車から盗みやすそうなモノを物色している奴らには効果を発揮する。
「わざわざカバーをすることで逆に目立つのではないか」という疑問もあるが、カバーを取り払うという一手間を嫌う泥棒は意外に多い。
ツーロックと同じで、とにかく泥棒に「この仕事には工数が多い」と思わせることが重要なんだ。
U字ロック+地球ロックで及第点獲得だ
できることは他にもまだまだあるだろう。たとえば、自宅に駐めるならセキュリティカメラを設置するとか、そもそも盗難率が高い4階建以上のマンションに住まないとか。
そんな細かな対策を一つひとつ長々と解説しているサイトもあるだろうが(多くはSEO対策のゴミ記事)、うさたんはシンプルでわかりやすい記事が好みなのでこれくらいにしておいた。カバーをかけるは余計だったかもしれないけど。
この記事を執筆するにあたり自転車屋さんにも聞いてみたが、U字ロック、地球ロック、ダブルロックで自転車の盗難被害を受ける確率はぐんと減ると太鼓判を頂いた。
保険と違ってイニシャルコストしかかからないから、自信を持っておすすめする。それでも保険が安心という人は、うさたんが調べて良さげだと思った商品を解説するので、参考にしていただけたらと思う。 [...]
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「私は大丈夫」なそこの君!頼むからあおり運転の自覚を持ってください2020年7月2日自転車事故の実情2020年6月30日、日本政府は「あおり運転」を規定した改正道路交通法を施行した。あおり運転、つまり妨害運転のことである。
ここ数年で暴かれ出したクズドライバー共には容赦なく実刑を下してほしいが、そこは自動車保険カテゴリに譲るとして、今回の法改正のポイントは自転車の運転も処罰対象に含まれている点だろう。
僕、私は関係ないと思ったそこの君! 君の運転でも「あおり運転」とみなされるかもしれないのだ。
おまわりさんは見逃さない、あおり運転7項目
自転車のあおり運転(妨害運転)に当たる行為は次の7つだ。うさたんが街中でよく見かける行為には(○)としたぞ。
逆走して進路をふさぐ(○)幅寄せ進路変更(○)不必要な急ブレーキベルを執拗に鳴らす(○)車間距離の不保持(○)追い越し違反
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/anzen/aori.html
上記は警察庁が発行している『令和2年改正道路交通法リーフレットB』の画像の一部。あおり運転をしている加害者のイメージ画像が車だが、自転車に脳内変換してほしい(減光等義務違反、最低速度違反、高速自動車国道等駐停車違反は自動車のみ)。
自転車が立派な「車」であることは周知の事実だと思うが、どうも自転車側は「歩行者」に属する気持ちで運転しているように見える。たとえば自由自在に逆走する自転車を見ない日はないし、走行中にベルを鳴らしまくって他車または歩行者を威嚇する自転車もよく見かける。
スマホの普及で「1億2,000万人総カメラマン」の時代だ。ドライブレコーダーの普及率も増えていることだし、滅多なことはするものではないぞ。現行犯でなくとも、撮影された映像に証拠能力があれば摘発される。
良い意味での監視社会にするため、自転車にもナンバープレートの装着義務を課してほしいくらいだ。
違反しても行政処分はかすり傷?
自転車による危険運転は、今回(2020年6月に)成立した「妨害運転」が加わり、全部で15項目となった。具体的な危険行為は以下の通り。
信号無視 通行禁止違反歩行者用道路における車両の義務違反(徐行違反)通行区分違反路側帯通行時の歩行者の通行妨害遮断踏切立入り交差点安全進行義務違反等交差点優先車妨害等環状交差点安全進行義務違反等指定場所一時不停止等歩道通行時の通行方法違反制動装置(ブレーキ)不良自転車運転酒酔い運転安全運転義務違反妨害運転 ← New!
これらの危険運転違反で3年以内に2回摘発された14歳以上の者は、3時間の安全講習(有料)を受講しなければならない。受講しない場合は5万円以下の罰金が定められている。
もう1度言うぞ。行政処分の内容は、3時間の有料安全講習の受講義務か、5万円以下の罰金だ。有料安全講習の値段は自治体によって違うが、東京都では6,000円程度。
誰がどう見ても軽いわな。
新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で運動不足になった人や、宅配サービスの需要の増加で、街中の自転車ユーザーは確実に増えると思われる。そんな今後、この程度の処分でどうするのか。
これじゃあ、自転車の危険運転で捕まるリスクなんて「かすり傷」と思われても仕方ないじゃないか。
さいごに:とはいえ改正法の効果には期待する
「死ぬこと以外かすり傷」と豪語していた天才編集者とやらがセクハラで虫の息になったように、自転車の危険運転をナメて大惨事を起こす輩は必ず出てくるだろう。
被害者が出ないことを大前提として、そういうバカが出現するのはある意味で大歓迎だ。一点の曇りもない、ざまあみろという処分が下され、それを反面教師に道交法を遵守する人が増えますように。
【注意】危険運転を罰することができるのは国家権力だけである。ルール違反をしている自転車乗りを注意するくらいは許されると思っているが、限度がある。自分勝手な正義を掲げて「○○警察」にならないよう、注意したい。 [...]
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自転車保険の保険金がおりない主なケースを解説2020年4月26日自転車保険の補償内容うさたんだ。
ランニングはしんどいけど自転車なら……という人は少なくないと思われるが、自転車保険に入っていれば安心というわけではないぞ。
当然ながら、被保険者に明らかな過失がある場合や、自然災害など誰のせいでもない場合は保険金がおりないのが普通だ。
ここでは、自転車保険がおりない主なケースについて解説するぞ。
1.どう見ても自分に過失がある場合
飲酒状態での事故酒を飲んだ後に自転車には乗るな! たまに飲み会なんかに自転車で来るバカがいるが、立派な飲酒運転になるからな。酒がもとで引き起こした事故は、被保険者に明らかな過失があるとされて保険金は出ない。
薬物乱用時での事故説明の必要はない…よな? なんでダメなの?という人は、今すぐブラウザバックだぞ。
喧嘩などに起因する事故喧嘩で自転車事故をするという状況が想像しにくいのだが、これはまあ、傷害保険としての一般的な取り決めだ。常識的なことなので理解できるだろう。
2.故意による事故の疑いがある場合
保険金詐欺の疑いがある事故「保険金目当てで事故を装った」と判断された場合、保険金がおりないどころか、詐欺の容疑で訴えられるかもしれないぞ。保険会社を甘くみるな。
同居している親族に対する事故事故の相手が同居している親族の場合も疑惑の対象となり、支払われない。これを業界用語で「モラルハザード」と呼ぶ。
3.自転車保険では責任を持ちきれない場合
これは具体例が多岐に渡るのだが、たとえば次のような事故だ。
海外での事故海外での補償は、「旅行傷害保険」で取り扱っており、自転車保険の守備範囲ではないとしている。
自然災害による事故冒頭でも述べたが、地震や噴火、津波などが原因で起こった事故では保険金がおりない。
他人からの借り物での事故(賠償責任)借り物の自転車で事故を起こし、その自転車を破損させてしまった場合、その賠償責任をカバーする補償は自転車保険にはない。こうしたケースに備えるには、「受託物賠償責任保険」という別の保険を検討しよう。
電動自転車(フルアシストタイプ)での事故電動自転車ってのは二種類あって、一つは、速度補助の一部を果たす「アシストタイプ」、もう一つは、電気の力だけで走行可能な「フルアシストタイプ」だ。で、前者は自転車だが、後者は「原動機付自転車」つまり原チャリに属すわけだな。したがって、フルアシストタイプでの事故は自転車保険ではなく、自賠責保険の守備範囲になる。
自転車レースでの事故競技中の事故に対応できるのは、補償範囲が制限された自転車保険ではなく、一般的な傷害総合保険だ。あるいは、財団法人スポーツ安全協会の「スポーツ安全保険」でも備えることができるぞ。
4.その他のケースもあるぞ
ここで締めようと思ったが、その他の支払対象外のケースもあるので、ついでにおさえておくぞ。
仕事中に起こった事故たとえば外回りの営業中などで自転車を運転し、事故を起こした場合は保険が適用されないことになっている。なんでやねん!と突っ込みたくなるが、そこは企業が法人契約の保険に入ってくれていると思うので、心配なら会社側に聞いてきよう。
レンタル自転車で事故レンタル自転車での事故は、レンタルショップが保険に加入しているかどうかで異なる。したがって、自転車を借りる際は必ず確認しておきたいが、レンタサイクル事業者が自転車保険を用意しないのは条例違反だ。そこまで神経質になることはないだろう。もちろん、基本的には入っておこうな。
さいごに
こうして見てみると、自転車保険は意外に保険適用が厳しいかもしれない。
しかし、自動車と違い運転技術に裏付けがなく、事故が起こる頻度も高いため、仕方ない部分だろうとも多う。
保険に入っているからといって安心せず、また自転車だからといって油断せず安全運転を心がけよう。 [...]
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サイクリストなら検討の価値あり。ZuttoRide「CycleCall」を自転車保険代わりにする2019年9月6日自転車保険の商品別レビューZuttoRideの「CycleCall(サイクルコール)」は、 ZuttoRide株式会社による自転車ロードサービス。この会社は元々バイク専門のロードサービスを運営しており、その実績を引っさげて自転車市場にやってきた感じだ。
個人賠償責任保険はあくまで自転車ロードサービスのオプション的な扱いだが、最大1億円の補償額+示談交渉付きなので、あなたがサイクリストなら自転車保険の代わりとして検討してもいいだろう。
以下、うさたんが調べてわかったことをレビューする。
各社と比較しても充実の自転車ロードサービス
サービスの主体が自転車ロードサービスだけあって、その内容は同種のサービス(自転車保険を兼用で販売している会社)と比べても充実している。
具体的には、外出先での急なトラブル対応の質を決めると言っていい「無料搬送距離」「対応可能地域」「無料利用回数」が他社を上回っている。
プラン
無料搬送距離
対応可能地域
無料利用回数
費用
S
1回/50kmまで
全国1万拠点以上
年4回
年3,400円
M
1回/60kmまで
年4,300円
L
1回/100kmまで
年5,200円
24時間365日対応なのは当然として、無料搬送距離100km(プランL)、対応可能地域が全国1万拠点以上は安心のスペックだ。プランLにすると値は貼るが、それでも月額になおすと約430円。自転車ロードサービスのスペックに満足できるなら許容範囲ではないか。
そしてここには、次に述べる個人賠償責任保険の保険料も含まれている。
1億円+示談交渉付きの個人賠償責任保険。ただしプランSにはなし
自転車保険の肝となる個人賠償責任補償は最大1億円まで。示談代行サービスも付いており、自転車保険として十二分に機能するだろう。
注意したいのは、3つのプランのうち、Sには個人賠償責任保険が付いていない点。したがって自転車保険の代わりとして使うなら、プランMかプランLとなる。
プランMにした場合の月額換算は360円。プランLと比べてロードサービスが特別に劣るわけでもないので、うさたんならプランMを検討する。
ロードサービスおよび個人賠償責任保険が受けられるのは契約者のみ
この商品のサービス対象は「契約者および契約時に申請した自転車を契約者本人が乗ったとき」なので、ロードサービスを受けられるのも個人賠償責任保険で助けてもらえるのも「契約者本人だけ」だ。
この点、他の個人賠償責任保険で見られる、契約者、配偶者、同居の親族および別居の未婚の子までを補償対象としている商品とは違う点、注意してもらいたい。自分だけでなく家族も守りたいなら、他経由で入れる個人賠償責任保険のほうが向いている。
結論:一人用のサイクリスト保険としてなら悪くない
サイクリング好きなら検討してもよい商品。外出先での急なトラブルにおける金銭的リスクはたいしたことはないが、いかんせん非常に面倒くさい。下手をすれば自転車を担いで何kmも歩くハメになる。
しかし前述したように、補償対象が契約者ただ一人なので、家族全員でロードサービス付きの自転車保険に入りたいなら他社を検討してくれ。au損保の「自転車向け保険 Bycle」あたりが候補としていいかもしれない。うさたんが余分だと考えている傷害保険は付いてくるがな。
そうそう、ホームページ上の「よくあるご質問」を読んでいたところ、電動アシスト自転車はサービス対象外だと明記してあった。電動アシスト自転車でも対応してくれる自転車ロードサービスは他にあるので、所有する自転車の種類やサイクリングのスタイルなども考慮して選ぼうな。 [...]
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楽天少額あんしん保険の「個人賠償責任プラン」は楽天ユーザーなら全然あり2019年9月5日自転車保険の商品別レビュー個人賠償責任保険を単体で入れる保険。正確には「団体総合生活補償保険(標準型)」というが、まあそんなことはどうでもいい。
執筆時現在、うさたんはこの保険に加入しているが、だからといって提灯記事を書くつもりは一切ない。楽天系のサービスにムカついたことは一度や二度ではないからな!
楽天銀行に口座を作らないと入れない
まずここだ。「個人賠償責任プラン」は、楽天銀行経由でしか加入できない。楽天銀行を利用していない人にとってはこの時点で「ナシ」だろう。
逆に、楽天銀行ユーザーなら全然「アリ」だ。申込方法はボタンを押すだけレベルで済むし、保険料の引落しは、楽天スーパーポイント、楽天キャッシュでも可能で便利。うさたんは保険料のほとんどを楽天スーパーポイントで払っており、ポイントが不足したときは、口座から現金で自動的に引き落としてくれるシステムだ。
この人のように、期間限定ポイントで支払うこともできるぞ。
先月末ですが、期間限定ポイントで楽天銀行の少額あんしん保険を年払いしました。個人賠償責任プランは月140円、年払い1,580円。PINKカードの個人賠償責任プランは月220円。細かい約款は比べていませんが、同程度の内容かと。何といっても期間限定ポイントを使えるのがうれしいです。 pic.twitter.com/YVkgqvFLc3
— ノスミ🌟ポイント星人 (@nosumi_point) February 1, 2019
賠償責任補償は最大1億で月々120円
補償内容を表にまとめた。引受保険会社が楽天損害保険になってから、月額で20円、年間では200円安くなったぞ(以前は三井住友海上火災保険)。
補償内容
補償金額
保険料
傷害死亡・後遺障害保険
100万円まで
月額120円年額1,380円
個人賠償責任危険補償特約
最大1億円まで
構造としては、ケガの補償である傷害保険に、個人賠償責任保険が特約でくっついている形だ。
……はて? うさたんは確か、単独で入れる個人賠償責任保険としてこの保険を選んだはずだが?? まあ、死亡・高度障害補償で100万円もらえてこの保険料なら別にいいだろう。
補償の範囲は、本人だけでなく、配偶者、同居の親族および別居の未婚の子までが対象で合格。要は家族の誰かが入っておけばOKというわけだ。ちまたの自転車保険のように、本人プランとか家族プランだとかで迷わなくてよい、シンプルな契約である。
結論まとめ
楽天銀行を使っている人には価値あり
楽天ポイントが使え楽天ユーザーには便利
シンプルかつ過不足のない補償内容で保険料が安い
補償内容がシンプルすぎてこの程度でレビューが終わってしまうのだが、保険とは本来これくらいであるべきなのだ。内容が複雑な保険には、たいてい謎な保険料がこっそり上乗せされているので近寄らないほうがいい。
なお、楽天銀行を使っていない人が、わざわざ口座を作ってまで加入する価値があるかというと、そこまでではないと思う。同じ程度の価格帯で入れる個人賠償責任保険はほかにもあるからな。 [...]
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最新の自転車保険のロードサービスを比較。保険としても優れているのはこれだ!2019年9月4日自転車保険の補償内容うさたんだ。
ここ数年、自転車専用のロードサービスを提供する会社が増えてきたため、ここらで各社のロードサービスを比較したいと思う。
自転車が故障したからといって保険に頼るほどの金銭的リスクを追うわけではないが、「その場で途方に暮れる」「自転車を担いで歩く」など、状況によっては心身を蝕むリスクを背負うことになりかねない。
遠方や郊外でのロングランを楽しむサイクリストは特に、ロードサービスの加入を検討してもいいだろう。抱き合わせ販売の傷害保険なんかよりよっぽど大事だ。
自転車ロードサービスのポイントは4つ
自転車保険のロードサービスを検討するにあたっては、 24時間365日対応なのは当たり前として、ほかに下記の4つを比較するとよいと考える。
無料搬送距離対応可能地域無料利用回数保険料
スマホアプリの使い勝手やサポートデスクのクオリティなども無視できないが、使ってみなければわからないところもあるので、とりあえずは加入前から判明している上記4つでいい。
では、この4つを主軸に、主要なサービス提供会社を比較してみよう。あくまで概要の抜粋なので、より詳細は各社のホームページを確認してくれ。
無料搬送距離
対応可能地域
無料利用回数
保険料
au損保自転車向け保険 Bycle(※1)
50kmまで
全国755拠点
年4回まで
月額360円~
Zutto RideCycleCall
50km~100kmまで(※2)
全国1万拠点以上
年4回まで
年額3,400円~5,200円(※2)
自転車!安心パスポート
50kmまで
具体的な拠点数は非公開
年3回まで
月額390円~
自転車安全利用促進協会BiSPA個人
40kmまで
具体的な拠点数は非公開
年4回まで
月額500円
生活リスク研究所安心サポート24自転車
40kmまで
具体的な拠点数は非公開
年4回まで
月額700円
※1.自転車向け保険 Bycle Best、自転車向け保険 Bycle Sにも同様のサービスあり※2.「S」「M」「L」の3プランあり
このなかで最も充実しているのは、Zutto RideのCycleCall(サイクルコール)だと感じた。
グレードが異なる「S」「M」「L」の3プランがあり、Sを選ぶとロードサービスだけだが、M以上を選ぶと無料配送距離が増えるうえ(M=60km、L=100km)、個人賠償責任保険1億円+示談交渉サービスも付いてくる。うさたんが無用と考える傷害保険がないのだ。
肝心の保険料(会員費)は、Mが年額4,300円だから月額換算で約360円、Lが年額5,200円だから約430円。リーズナブルと言ってよい金額だと思う。
結論まとめ
比較してみた結果、 ある程度名がしれている自転車ロードサービスの差はそうなく、ここに上げたものを選べば特に失敗はないと思われる。
しかしうさたんが推すのは、スペック上でも補償内容の構成上でもダントツでZutto RideのCycleCall(サイクルコール) だ。繰り返すが、ゴミみたいな傷害保険が付いてこないのがよい。
うさたんは自転車乗りでもあるので(といってもESCAPEのクロスバイクだが)、現在、加入している 楽天少額あんしん保険の「個人賠償責任プラン」(月140円)から乗り換えてもよいとさえ思った。 [...]
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自転車保険の選び方は「賠償」>>>「ロードサービス」>「傷害」の順で検討すべし2019年9月3日自転車保険の必要性うさたんだ。ここでは、自転車保険の選び方について解説するぞ。
全国の各自治体が保険の義務化を目指しているだけあって、今や自転車保険の商品は多岐に渡る。どれを、どんな基準で選べばいいのか、わからない人も少なくないだろう。
【結論】自転車保険は「個人賠償責任保険がない人」には必要で解説しているとおり、個人賠償責任保険さえあれば自転車保険は不要というのが私のスタンスなのだが、現実には必要性が低い補償もセット販売されていることがほとんどだ。
そこでこのページでは、そうした自転車保険を検討するとして、どんなポイントに気をつけて選べばいいのかをアドバイスしたい。
1に賠償、2に賠償、3、4がなくて5に賠償
何度でも言うが、保険は、自分では対応しきれない金銭的リスクに備えて入るものであり、自転車事故における金銭的リスクとは第三者を傷つけたときである。それは近年の高額賠償事例を見てもご理解いただけるだろう。
たとえば、神戸地裁は平成25年7月、高齢の女性を跳ねた小学5年生(当時)の少年の母親に対し、9,520万円もの賠償命令を下している(年齢は当時)。
また、令和2年2月の高知地裁では、男子高校生(当時)が起こした死亡衝突事故に対し、やはり9,400万円もの支払いを命じた。うさたんもこのようにツイートしたぞ
自転車保険経由でなくてもいいから、個人賠償責任保険は必須
— マッチョうさたん@保険哲学 (@machohoken) February 6, 2020
したがって、自転車保険を選ぶうえで見るべきポイントは個人賠償責任補償の保険金額である。先述の例からしても1億円は欲しいところ。保険料が安いからといって、1,000万円や2,000万円のプランはおすすめしない。
示談代行サービスの有無
示談代行サービスがあるのとないのとでは大きな違いだ。うさたんも経験があるが、当事者間での話し合いは結構骨が折れる。細かな損害賠償額や支払方法等について、互いが気持ちよく合意することは難しいからだ。
そんな、面倒くさい交渉事を代行してくれるのが示談代行サービスである。これがあれば一安心!一件落着!というほどのサービスでもないが、知識も経験もあるプロに任せたほうがスピーディに収まるケースが多い。
示談代行サービスの有無だけでその商品の良し悪しを決めることはできないが、有りの商品を選んだほうが安心なことは間違いない。
ハードに乗るならロードサービスは検討価値あり
まだまだ数は少ないが、ロードサービスが付いている自転車保険もある。タイヤのパンクやチェーン切れなど、搭乗中のトラブルをサポートしてくれるものだ。
ママチャリで生活圏内を走る程度のソフトユーザーにとって必要性は低いが、ロードバイクやマウンテンバイクを乗りこなすハードユーザーにとっては有用性が高い。特に遠方や田舎でのトラブルというのは厄介で、対応スキルがないと見知らぬ土地で途方に暮れるほかないからだ。
サービスのチェックポイントとしては、
対応可能時間利用回数(年◯回など)自走不能となった場合の搬送距離対応可能地域呼び出し機能(スマホアプリなど)の便利さ
などが挙げられよう。
これらをいい感じにサポートしてくれ、保険料が納得のいくものであれば、加入を検討してもいい。そもそも自転車は車と違い、外的ダメージに弱すぎるのだ。
ただ、パンク程度なら自分で直せるというサイクリストはごまんといるので、 ロードサービスの利用を検討する前に、最低限の対応スキルを身につけるほうが先な気もする。
傷害保険の補償内容は最低レベルで十分!
自転車事故で、自分がケガをしたときの治療費用の検討は最後でいい。理由は後述するとして、見るべきポイントは次の3つ。
入院日額はいくらか? 減額できるのか?通院日額も出るのか? 外せるのか?「自転車に搭乗中の事故」でのみ出るのか?
1.入院日額はいくらか? 減額できるのか?
大前提として、自転車事故で入院したからといって家計を傾けるような治療費になる恐れは低い。また、我々には高額療養費制度という、世界でも最高峰の公的医療サービスがある。
要は民間保険で備えるべき補償ではないのだ。したがって、オプションで「なし」にできるならそうしたいし、しかたなく選ぶにしても、できるだけ最低のプランが望ましい。それで保険料も安くなる。
2.通院日額は出るのか? 外せるのか?
入院日額に加え、通院日額が出る自転車保険もある。が、基本的には入院補償と同じで、保険に頼らなければいけない金銭的リスクではない。
自転車事故での通院は入院よりも可能性が高いため(関係者談)、通院補償をつけていると保険料もぐんと上がる。無駄無駄無駄。
通院日額は「なし」にするか、最低プランを選ぶのが望ましい。
3.「自転車に搭乗中の事故」でのみ出るのか?
「交通事故傷害保険」といって、自転車に限らず、“交通上用具に起因する事故”を補償対象としている保険がある。検討中の自転車保険についている傷害保険がこの種の保険だと、自転車のほか、電車やエスカレーター、エレベーターなんかに関係する事故も補償してくれるわけだ。
交通上用具に含まれるもの ①軌道上を走行する陸上の乗用具 汽車、電車、気動車、モノレール、ケーブルカー、ロープウェー、いす付リフト ②軌道を有しない陸上の乗用具 自動車、原動機付自転車、自転車、トロリーバス、人もしくは動物の力または他の車両により牽引される車、そり、身体障害者用車いす、乳母車、ベビーカー、歩行補助車 ③空の乗用具 航空機(飛行機、ヘリコプター、グライダー、飛行船、超軽量動力機、ジャイロプレーン) ④水上の乗用具 船舶(ヨット、モーターポート、水上オートバイ、ボートを含む) ⑤その他の乗用具 エレベーター、エスカレーター、動く歩道
「なんか幅広く補償してくれてラッキー」と思うかもしれないが、うさたんはこれがいらないと思っている。補償範囲が広がることで、わずかながら保険料が高くなるからだ。そもそも自転車保険における傷害保険の必要性が低いのに、なんで範囲を広げとんねん、という話である。
傷害保険の補償範囲は、「自転車に搭乗中の事故のみ」としている保険が望ましい。
結論まとめ
個人賠償責任保険 → 1億円以上がいい示談代行サービス → あると嬉しいロードサービス → ハードユーザーなら検討の価値あり傷害保険 → 可能なかぎりライトに
以上がうさたんの合理的(だと思っている)結論だ。「傷害保険は手厚いほうが安心」なんて言っているサイトは、自社サイトで扱う自転車保険を売りたいだけのアフィカスなので、相手にしないようにしような! [...]
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あさひオリジナル自転車保険「サイクルパートナー」はまずまずの評価2019年3月30日自転車保険の商品別レビュー自転車販売の大手・サイクルベースあさひとau損害保険がタッグを組んでできた自転車保険。株式会社あさひが代理店となり、au損保が引受保険会社となる。
どんな商品なのか、サイクルパートナーの公式サイトに沿ってレビューしたい。
個人賠償責任補償は最大2億円
自転車保険の肝となる個人賠償責任補償は最大2億円まで。そして示談代行サービス付き(賠償事故解決特約)。
昨今の目ん玉が飛び出るような損害賠償請求額を鑑みても、十分に安心な金額と言えるだろう。
au損保がサイクルベースあさひと一緒に開発した…だから何?
全国チェーンのサイクルベースあさひと共同開発したことをアピールしている。『「ずっとあなたの側にいるパートナーでありたい」というあさひの強い想いがこもっています。』と書いてあるが、同ショップがその規模を活かした膨大な自転車事故データを収集・保有しているならともかく、単なる「強い想い」しかないなら、そんで?という感じである。
そもそも、サイクルベースあさひと聞いてあなたはそんなに安心するのだろうか? 自転車なんてショップにこだわりなく近所の店に買いに行く人がほとんどではないのか。うさたんはこういう嘘くさい文言が大嫌いだ。優秀な保険なら、そのへんのニートが考え出したものでも安心である。
万一のケガの補償は自転車搭乗中のみ!
この保険は、例に漏れず交通事故傷害保険とセット販売になっている。ケガの補償は必要な人と不要な人が分かれるため、選択できると嬉しかったが、交通事故傷害保険が適用されるのは「自転車に乗っている間の事故」と限定されているのは評価に値する。
なぜ評価するか? 保険料に影響するからだ。交通事故傷害保険が不要だと思っているうさたんでも、補償が限定的になることで保険料の負担が減れば、「ま、いっか」という気になる。
保険料は一時払だと月々160円が最安
補償内容と保険料を見てみよう。
保険金額本人タイプ家族タイプ自分のケガ死亡・後遺障害400万円ヘルメット着用事故100万円入院保険金日額(入院1日につき)2,000円個人賠償責任補償(自己負担額なし)2億円示談代行サービス(賠償事故解決特約)○保険料月払:170円一時払:1,920円月払:240円一時払:2,700円
保険料は合格の安さだ。本人タイプならTSマーク付帯保険の赤色(いいほう)と同等に安い。ケガの補償範囲が、自動的にセットされる「自転車搭乗中等のみ補償特約」のおかげで狭くなっているためだ。
自分が死亡したときの補償額は、葬儀費用に充てると考えるならば十分な額だろう。
結論:まあ悪くはないんじゃないか?
【結論】自転車保険は「個人賠償責任保険がない人」には必要でも書いているように、個人賠償責任補償を持っていない人なら検討してもいいだろう。もっとも、最近は個人賠償責任補償だけで入れる保険も増えているようなので、セットになっている交通事故傷害保険が本当に必要か考えてほしい。
「いや、私は逆にケガの補償を手厚くしてほしいんだ」という人は、この保険のアップグレード版に位置する「自転車向け保険Bycle」や「自転車向け保険BycleBest」を検討するといいだろう。同商品を含め、auユーザーなら「auかんたん決済」が利用できる。もちろん、他社の保険でもいい。 [...]
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LINEほけん「自転車のおまもり」はタダでも入る価値があるのか?2018年10月26日自転車保険の商品別レビューうさたんだ。
2018年10月16日、みんな大好きチャットアプリ日本一のLINEが、ついに保険ビジネスに参入したぞ。
https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2018/2412
引受保険会社は損保ジャパン日本興亜。報道によると、2018年4月25日、小会社で金融関連サービスを提供する「LINE Financial株式会社」と損保領域で提携し、今回なんと59にもわたる商品ラインナップを発表した。
ユーザーは、わざわざ新規アプリをインストールする必要はなく(ここ評価!)、使い慣れたUIのままシンプルかつスピーディに契約・払込できるそうだ。
旅行・スポーツ・イベント・ゴルフ・賃貸など、生活シーンに合わせたミニ保険のようなラインナップのなか、『自転車のおまもり』という自転車保険を見つけたので、内容を見てみることにする。
「自転車のおまもり」の実力やいかに
自転車のおまもりの補償内容の概要はこうだ。
・補償内容 :自転車に搭乗中に他人にケガを負わせたり、他人の財物を壊した際の法律上の損害賠償責任を負担することによる損害について100万円を限度に補償いたします。
・保険金額 :100万円まで
・被保険者 :①本人 ②本人の配偶者 ③本人またはその配偶者の同居の親族 ④本人またはその配偶者の別居の未婚の子 ⑤本人が未成年者または責任能力者の場合、親権者、その他の法定の監督義務者および監督義務者に代わって責任無能力者を監督する方(その責任無能力者の親族に限ります。)ただし、その責任無能力者に関する事故に限ります。なお被保険者の続柄は、損害の原因となった事故発生時におけるものをいいます。 ⑥②から④までのいずれかの方が責任無能力者の場合、親権者、その他の法定の監督義務者および監督義務者に代わって責任無能力者を監督する方(その責任無能力者の親族に限ります。)ただし、その責任無能力者に関する事故に限ります。なお、被保険者の続柄は、損害の原因となった事故発生時におけるものをいいます。
補償内容が個人賠償責任保険だけ、という点に注目。
自転車事故で自分が怪我をした場合の治療費をカバーする「傷害保険」とのセット販売ではなく、純粋な自転車保険だという点は評価したい。同時に、被保険者の補償範囲も、自分や配偶者、また同居の家族などまでカバーしてくれる(一般的な個人賠償責任保険と遜色ない)。
ところが肝心の保険金額は、さすがに簡易的な保険のため、100万円までしか補償してくれない。これは不安だ。
他の記事にも書いているが、自転車事故で相手を怪我させたときの損害賠償は高額になる恐れがある。100万円以内に収まるケースもそりゃああるだろうが、1,000万円単位の支払事例も事実出ており、世間を騒がしているのだ(http://www.sonpo.or.jp/efforts/reduction/jitensya/)。
自転車事故を取り巻く現状を鑑みると、100万円なんかじゃとても足りないと思う。心細い。商品名のとおり「おまもり」に過ぎないと言いたいが、そういう意味で名付けたのならGJ!
無料で加入できるキャンペーンを実施中だが…
LINEほけんのスタート記念として、期間限定で「おまもりシリーズ」に無料で加入できるというキャンペーンが実施されている(自転車保険は2018年11月17~11月30日まで)。
そのラインナップに「自転車のおまもり」もあり、「まあ、タダなら入っても損はないかな」と思ったそこのあなた! 否定はしないが注意してほしい点が2つある。
自転車保険に加入していない人へ
一つは、先述したとおり、この保険は保険金額が心もとない。個人賠償責任保険の補償が上限100万円なんて、マジで気持ち程度なので、そこを理解したうえで加入してほしい。
不安なら別の自転車保険または個人賠償責任保険を選んだほうがいい。
既に加入している人で、補償の増強目的で興味のある人へ
もう一つは、自動車保険や火災保険など、既になんらかの手段で個人賠償責任保険を持っている人が、「補償の増強」という意味合いで加入しようしている人に言っておきたい。
個人賠償責任保険というのは、平たく言えば「損した分を取り戻す」のであって、複数社に入っていればそれぞれの会社に請求できるものではない。
たとえば、既に1億円の個人賠償責任保険Aに加入していて、新たに別会社の1億円の個人賠償責任保険Bに入った人が、自転車事故でやらかして5,000万円の賠償命令を受けたときの保険金は、どちらか一方に5,000万円請求するか、両社に2,500円ずつ請求することになる。
今回の目的の場合、元々の保険の補償額が1億円として、LINE自転車保険の100万円を足すと1億100万円になるのだが、そんな補強に意味があるのか…? もちろん、1億100万円の賠償命令が出たときは機能するが、そんなケースは稀中の稀ではないか。
つまり、純粋に「やったー!100万円分も増強できる」という人がいたら、そんなもの焼け石に水レベルだよという老婆心である。まあ、そんな人は少ないと思うが……。
というわけで私が加入したのは
既に個人賠償責任保険1億円に加入している私には不要であり、無料キャンペーンであっても楽勝でスルーなのだが、LINEほけんの試みには注目しているので、「スマホのほけん」に加入してみたぞ。
契約手続きは確かに簡単でスピーディ。あっという間に完了である。
不注意でよく落とすもので(笑)。 [...]
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赤切符を切られるぞ!意外と知らない自転車の交通ルール違反2018年9月12日自転車事故の実情うさたんだ。
今日は、街を歩いているとわんさか見つける、自転車の交通違反について紹介しよう。
知ってか知らずかわからないが、みんな違反のオンパレードだよ。被害者が死亡したり高度障害状態になったりしている事例もあるので、自転車とはいえナメてはいけない、絶対に。
たとえ被害者はいなくても、警官に止められていろいろ注意されるのは非常にウザいしね。タメ口で尊大だわ初対面なのに馴れ馴れしいわ、マジでどういう教育を受けているのか小一時間問い詰めたい。
……すまない。では本題に入る。知らずにやっていたという君は、明日から運転の仕方を改めよう。
歩行者をどかせる目的での警音器(ベル)は禁止
「ちりんちりんちりん!」と、警音器(ベル)をけたたましく鳴らしながら走行している輩がいるが、必要のない場所・ケースでベルを鳴らすのは罰則行為に値する。
ベルを鳴らしていいのは、「警笛鳴らせ」の道路標識がある場所か、鳴らさなけれ歩行者を危険に巻き込むような、やむを得ないケースだけだ。
したがって、「前の奴がのろのろ歩いている」など、自分都合で進路を譲らせる目的でベルを鳴らし、たまたまそこに警官が居合わせた場合は、2万円以下の罰金または科料(軽い反則金)を取られる恐れがある。
逆に、「警笛鳴らせ」の標識があるにもかかわらず鳴らさなかった場合は、やはり罰則対象となり、こちらは5万円以下の罰金(過失罰あり)となってしまうぞ。
基本は車道、右側を走ると「逆走」扱いになる
自転車は車なので車道が原則。これは聞いたことがあるだろう。
だが、車道は車道でも、車と逆方向に走っている自転車をたまによく見かける。
わかるだろうか。左側通行を守らないと逆走扱いとなり、2万円以下の罰金または科料の対象となってしまう。
自転車に乗る側からすれば、後方からやってくる車に対しては無防備になり、万が一追突されたら大怪我は免れないと思うのだが……(前から来る方が避けやすい)。
そんなことにならないよう、明るいサドルライトを目立つように点滅させる等、できる自衛は全力でやっておこう。
歩道を走るときは車道寄りを徐行する
やむなく歩道を走行するときは、必ず車道寄りの部分を走らなければならない。しかも徐行だ。
歩行者の邪魔になるときは一時停止し、安全第一が求められる。
なお、13歳未満の子どもや70歳以上の高齢者、また身体にハンディキャップを抱えている人であれば、自転車でも例外的に歩道を走ることができるのをご存知だろうか。つまり、お年寄りはともかく、ガキンチョが歩道を運転していても合法という訳だ。
もっとも、自転車である以上、車道寄りを徐行するのが原則であるので、子を持つ親御さんは周知されたい。
また見つけたら追記する
毎日見かけるのは圧倒的にこれが多い。イヤホンを装着しての走行やスマホを操作しながらの運転もよく見るが(=安全運転義務違反)、みんなご存知だと思うので割愛した。
繰り返すが、自転車だからと言って甘くみてはいけない。「自分は大丈夫」という気の緩みが大事故を招き、そうでなくても非常に腹立たしい警官を呼び寄せることになる。
※こんなこと書いてますが、私は自転車が元で捕まったことは一度もありませんよ。無点灯すらもない。真面目。 [...]
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【結論】自転車保険は「個人賠償責任保険がない人」には必要2018年8月4日自転車保険の必要性近頃は健康志向や若者のクルマ離れとかで、自転車に乗る人が増えてきている。少し古いが、内閣府の『平成22年度 自転車交通の総合的な安全性向上策に関する調査』でまとめられている自転車の保有台数を見ても、それは明らかだろう。
そこで問題になっているのが、自転車による交通事故の増加だ。もっといえば、自転車が加害者となって高額の損害賠償責任を負うケース。記憶に新しいのは2013年の神戸地裁の判決だ。小学5年生(当時)が運転する自転車が62歳(当時)の女性と衝突し、意識不明の重体を負わせた結果、小学生の母親に9,520万円もの支払命令が出された。
他にも、100万円や200万円では済まない高額賠償事例は決して少なくない。
参考:自転車での加害事故例(日本損害保険教会)
http://www.sonpo.or.jp/efforts/reduction/jitensya/
「自分は加害者にならない」なんて誰にも言えないし、気をつけて運転していても、相手がお年寄りだとコツンと当たっただけで大ケガをさせてしまう恐れもある。また、先の事例のように、子供の行動まで制御するのは難しい。
したがって、万が一の高額賠償に備えて「個人賠償責任保険」は絶対に必要だとうさたんは考える。
ん? 自転車保険でなく個人賠償責任保険?
となった人のために、自転車保険の仕組みを簡単に解説しよう。
自転車保険は「交通事故傷害保険+個人賠償責任保険」のセット商品
「自転車保険」という名称がそもそも誤解を招くというか、そこは保険会社の戦略なのだが、自転車保険は「交通事故傷害保険」と「個人賠償責任保険」とを組み合わせて販売されているのがほとんどだ。
個人賠償責任保険は特約(オプション)で、主契約は交通事故傷害保険だが、大切な個人賠償責任保険から説明しよう。
個人賠償責任保険とは?
個人賠償責任保険は、日常生活のなかで他人の身体やモノに損害を与えて、法律上の損害賠償責任を負った場合に備える保険だ。自転車で人を跳ねてケガをさせた場合はもちろん、買い物中に店の商品を誤って傷つけてしまった、ベランダからモノが落ちて下の人に迷惑をかけた、散歩中の飼い犬が他人を噛んでケガを負わせた、など、さまざまなケースが該当する。
ちょっとした不注意が思いもよらぬ大惨事を招く恐れは十分にあるため、必ず加入しておきたい保険の一つに入ると考えて良い。保険料も月払い数百円程度で、5,000万円~2億円くらいまで対応できるはずだ。
交通事故傷害保険とは?
交通事故傷害保険というのは、自転車に限らず、“交通上用具に起因する事故”を補償対象としている。交通上用具なんて言われてもピンとこないと思うが、自動車や電車のほか、エスカレーターやエレベーターなんかも含む結構幅広い用語だ。
交通上用具に含まれるもの
①軌道上を走行する陸上の乗用具 汽車、電車、気動車、モノレール、ケーブルカー、ロープウェー、いす付リフト
②軌道を有しない陸上の乗用具 自動車、原動機付自転車、自転車、トロリーバス、人もしくは動物の力または他の車両により牽引される車、そり、身体障害者用車いす、乳母車、ベビーカー、歩行補助車
③空の乗用具 航空機(飛行機、ヘリコプター、グライダー、飛行船、超軽量動力機、ジャイロプレーン)
④水上の乗用具 船舶(ヨット、モーターポート、水上オートバイ、ボートを含む)
⑤その他の乗用具 エレベーター、エスカレーター、動く歩道
これらに搭乗(利用)中に起きた事故によるケガに対し、入院保険金や手術保険金、また通院保険金などの補償が出るのが交通事故傷害保険だ。
なぜ個人賠償責任保険だけを大切だと主張するのか
答えはわりと簡単なのだが、個人賠償責任保険は別に自転車保険からでないと加入できない保険ではない。自動車保険や火災保険の特約、またクレジットカードの付帯保険にも付いているので、既にそれらの保険から追加している人は、わざわざ交通事故傷害保険がくっ付いている自転車保険で入り直す必要は「少ない」のだ。
なぜなら、もし重複して加入しても、他社の補償額を合算して支払うなんて事例は稀だからだ。これは損害保険の仕組みからきているもので、損保というのは基本的に「損した分だけをカバーする」もの。たとえば、既に1億円の個人賠償責任保険Aに加入していて、新たに別会社の1億円の個人賠償責任保険Bに入っていた人が、自転車事故でやらかして5,000万円の賠償命令を受けたときの保険金は、どちらか一方に5,000万円請求するか、両社に2,500円ずつ請求することになる。このあたりは生命保険と違う損保独特のところだ。
もちろん、補償額の合算としては、A+Bの2億円なので、たとえば賠償額が1億2,000万円の場合は合算して支払われる。先程「少ない」を強調したのは、もともとの補償が少ない人には必要性があるためなので、該当する人は話が別。それでも、複数社を組み合わせて増強しようなんて考えるんじゃなく、一本しっかりした補償に入ることをおすすめする(請求や管理が面倒なので)。
繰り返してきたように、恐ろしいのは自分(または子供)が加害者になったときなので、個人賠償責任保険さえあれば自転車保険にこだわる必要はない。
なぜ交通事故傷害保険がいらないのか、説明不足かもしれないので、もう少し具体的に説明しておこう。このあたりを知らない人は意外にいるので、自分が加入している保険を今一度調べてほしい。
交通事故傷害保険を軽視する理由
先ほど触れたとおり、交通事故傷害保険の補償範囲は幅広く頼もしいが、これについては持ち前のマッチョ思考を働かせる。次の3つが、私が必要度は低いとする理由だ。
1.ケガの補償は貯蓄で対応が基本(たいした負担にはならない)
医療保障全体に言えるが、高額療養費制度がある限り、一般所得者の月々の医療費の負担は最高でも約9万円強で抑えられるため、(確かに痛い負担ではあるが)保険に頼る必要性は低い。
また、各保険会社のコールセンターに調査をかけたところ、自転車事故の加害者のケガは通院治療が多いという回答を得たことから、やはり必要性は低い。
2.医療保険があれば不要
医療保険に加入している人にはまったく不要だろう。病気もケガも保障してくれる医療保険に対し、交通事故傷害保険は”交通上用具に起因するケガ”しか補償してくれない。そのぶん保険料は安いが、既に医療保険に加入済みの人にそこは関係ない。
したがって、医療保険に加入しておらず、なおかつ個人賠償責任保険も持っていない人は、自転車保険でカバーするのは良いと考える。
3.「交通事故全般」を補償するため保険料が割高
”交通上用具”まで補償を拡げているため保険料が高くなっている点に魅力は感じない。
ただこの点について、最近は「自転車に搭乗中のみ」と補償を限定し、保険料を下げている会社・プランもあるので、医療保険に加入している人であっても多少の保障のダブリは目をつむれる範囲ではないだろうか。
結論まとめ
自転車保険に付いている個人賠償責任保険は絶対に持っておきたい保険。これは必要。ただし、自動車保険や火災保険からも加入することができるため、加入ルートは自転車保険だけではない。
以上から、自転車保険が必要でない人、そうでない人をまとめると次のようになる。
個人賠償責任保険のない人 → 必要。自転車保険経由でなくともいいから今すぐ入れ。
家族が個人賠償責任に入ってるかも? → 微妙。個人賠償責任保険の補償範囲は、本人限定のものや、家族を(配偶者・子供)含むものがある。契約内容を今一度確かめ、自分が含まれていないなら入るべし。
個人賠償責任あり、医療保障なし → 基本的に不要。「自転車に搭乗中のみ」の保険や、「TSマーク付帯保険」などコストパフォーマンスの良い保険なら考えてもいいかも。
個人賠償責任あり、医療保障あり → まったく不要。そんなことに悩んでいる時間があるなら筋トレでもしよう。 [...]
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「TSマーク付帯保険」はコスパは高いが「給付条件」に納得できるかどうか2018年8月4日自転車保険の商品別レビュー今日は、自転車屋さんで「入っときます?」でお馴染みの「TSマーク付帯保険」を評価したい。知っているよな? あのシールのことだよ。
TSマーク付帯保険の概要
「自転車安全整備士」という資格を持った人が、「ちゃんと点検・整備しましたよ」「この自転車は安全ですよ」ということを証明するものだ。TSマークとは「Traffic Safety(交通安全)」の略称な訳だな。ドヤ顔で語れる知識でもないが。
ともかく、このシールが貼ってある自転車には自転車保険が乗っかる仕組みになっている(※1)。自分や相手がケガをしたときの傷害補償と、個人賠償責任補補償だ。
タイトルどおり、ここではこの保険が検討に値する保険か否かを考えたいので、さっそく補償内容を見てみよう。
補償内容
給付条件等
青色
赤色
傷害補償
入院15日以上
一律:1万円
一律:10万円
死亡・重度後遺障害
(1~4級)
一律:30万円
一律:100万円
賠償責任補償
死亡・重度後遺障害
(1~7級)
限度額:1,000万円
限度額:1億円
被害者見舞金
入院15日以上
−
一律:10万円
青と赤とでは補償内容に大きく差があるが……まず、自転車事故で怖いのは、相手に重大なダメージを与えた結果、高額な損害賠償責任を負ってしまったときだ。したがって自転車保険の肝は個人賠償責任保険。ここを頭に叩き込んでほしい。
その視点で見てみると、青色TSマークは補償限度額1.000万円と、近頃の高額賠償事例(http://www.sonpo.or.jp/efforts/reduction/jitensya/)を思い返すとなんともひ弱な設計になっていると言わざるを得ない。
一方、赤色TSマークの限度額は1億円と、及第点の額だ。以前は5,000万円だったのだが、平成29年10月1日から2倍にアップされたことから、TSマークを運営する日本交通管理技術協会の心意気が伺える。非常によろしい。
給付条件にある「死亡・重度後遺障害」が気になる
被害者からの損害賠償が高額になるのは、死亡させたか、重度のダメージ(後遺障害)を負わせたときなので、別に良いと言えば良いのだが、給付条件に”死亡・重度後遺障害(1~7級)”と書かれているのが気になると言えば気になる。
裏を返せば、ケガはさせたけれど死亡していない、重度後遺障害でもない場合は1円も出ませんよということなのだから。
被害者への補償ではないが、同じことは傷害保険の”死亡・重度後遺障害(1~4級)”にも言える。補償対象外になっている後遺障害5級というのは決して軽い傷害ではないぞ?
【参考】後遺障害第5級 8つの分類
1号:1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの
2号:神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することが出来ない
3号:胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することが出来ないもの
4号:1上肢を手関節以上で失ったもの
5号:1下肢を足関節以上で失ったもの
6号:1上肢の用を全廃したもの
7号:1下肢の用を全廃したもの
8号:両足の足指の全部を失ったもの
以上から、補償対象外のケガの状態でも、かかった治療費の実費に対して「限度額」○○円という設計ならより嬉しいと思うのだが、いかがだろうか?
ただ、さっきも言ったとおり、保険に頼りたくなるほど金がかかるのは被害者を死亡または重度後遺障害にさせたときなので、自分への補償について目くじらを立てる必要はさほどないかもしれない。
保険料は半端なく安い
このとおり給付条件には「ん?」と思うところもあるのだが、TSマーク付帯保険の保険料(点検・整備費用)は非常にお手頃だ。青色TSマークだと年1,500円程度、赤色TSマークでも年2,000円程度(※2)しかかからない。
自動車保険や火災保険に入っていない人で、なにかしらの個人賠償責任補償を安価で持っておきたいという人には、特にすすめはしないが否定もしない価格帯だと思う。さらに、両者の差が500円程度なら、私なら迷いなく赤色TSマークを選ぶ。
うさたんの結論
TSマーク付帯保険はコスパを気にするなら悪くない
給付条件は確かに気になるが手に負えない高額賠償になるのは「死亡・高度障害状態」のみ
一般の保険ほど手厚くないため「保険に入っているから」と調子に乗るべからず
自分への傷害補償についてはあまり触れていないが、【結論】自転車保険は「個人賠償責任保険がない人」には必要でも書いているとおり、特に必要だと考えていないのでここでは割愛する。TSマーク付帯保険の傷害保険はただでさえオマケみたいなもんだから、気にせずともいいだろう。
※1.自転車の持ち主じゃないぞ。自転車そのものに保険がかかっている点に注意だ。
※2.「程度」としたのは自転車の状態や加盟店によって金額が異なるため。あくまで相場だと思ってくれ。詳細は自転車安全整備士店一覧(http://www.tmt.or.jp/safety/index1.html)で調べてくれ。 [...]
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個人賠償責任補償は単体でも加入可能。ただし示談交渉サービスの有無を要チェック2018年8月4日自転車保険の補償内容うさたんだ。
多くの人が勘違いしているのだが、「個人賠償責任補償は特約でないと加入できない」は誤解だ。扱っている保険会社は存在する。
事実、うさたんは楽天少額あんしん保険の「個人賠償責任プラン」に加入している。
保険料が安く、示談交渉サービスも付いていてお勧めだが、加入するには楽天銀行の口座を作らねばならず、楽天ユーザーでないと微妙だろう。クレジットカードに付いている個人賠償責任保険にも良いものがあるが、同じ理由で積極的には紹介しない。
純粋に保険のみを契約したいという人へ向けて、うさたんはJA共済と共栄火災を紹介する。
JA共済の賠償責任共済とは
JA共済の賠償責任補償は、一般的な「個人賠責」のほか、農家包括特約付個人賠責、一般賠責、借家人賠責、携行品損害と計5つの補償が付いているのが特徴だ。ほとんどの人には個人賠償責任補償だけで十分だと思うが、せっかくなのでざっと要約するぞ。
農家包括特約付個人賠責
家畜の逃走など農業に関するトラブルに備える
一般賠責
お客さんが食中毒を起こしたなど業務上の過失に備える
借家人賠責
賃貸のマンションで寝タバコ→火事など借家人とのトラブルに備える
携行品損害
旅行中など国内を外出中にカメラが壊れたなど身の回り品のトラブルに備える
より詳細は公式サイトhttp://www.ja-kyosai.or.jp/okangae/product/human/の最下部右にしおりやリーフレットのリンクがあるので見てほしいのだが、一応、補償内容を表にまとめた。
支払限度額
掛金(年払)
1,000万円
1,430円
2,000万円
1,570円
3,000万円
1,650円
4,000万円
1,710円
5,000万円
1,760円
※免責金額1,000円
最高補償限度額が5,000万円というのは、最近の高額賠償事例を見ると少々心もとないが、年払1,760円(月約150円)だし、こんなものかなとも思う。交通傷害保険など余計な補償を付けたくない私はこの商品に食いついたので、JA共済に問い合わせてみたところ……
入れなかった。
正確には、私の住まいにあるJA共済では取り扱いのない補償だった。JA共済という組織は縦割りで、地域によって取扱商品が異なるらしい。
その代わり、『共栄火災』の個人賠償責任保険を紹介された。JA共済は共栄火災の代理店資格を持っているのだ。
共栄火災でも単体で個人賠償責任保険に加入できる
JA共済に出向いて話を聞きに行く前に、共栄火災の公式サイトを見てみたが、個人賠償責任保険に関する記載は見当たらなかった。
不思議に思いコールセンターに問い合わせてみると、「取扱は確かにあるがすべての商品をHPに載せているわけではない」という回答。「あんまり売れると困るからですか?」と聞いたが答えてくれなかった(当然)。
さて、共栄火災の個人賠償責任保険はJA共済のものとは少し異なる。というより充実している。
支払限度額
保険料(年払)
1,000万円
1,500円
3,000万円
1,740円
5,000万円
1,850円
1億円
2,000円
ご覧のとおり、最高補償に1億円が選べるのは大きい。5,000万円でも十分な額ではあると思うが、保険料はほぼ変わらないので迷わず1億円を選択すべきだろう。JA共済と違って免責もない(まあ大した額ではないが)。
私のサイトで一貫して伝えている自転車保険に対するスタンスを繰り返すが、自転車保険事故で恐ろしいのは自分が加害者になり、多額の損害賠償責任を負ったときである。自分のケガの治療費など損害賠償費とはケタが違うのだ。
よって、個人賠償責任補償だけがあればいいので、自動車保険や火災保険の特約で付けている人、クレジットカードの付帯保険で十分な補償を付けている人なら、わざわざ自転車保険から加入する必要は薄いと言える。
以上から個人賠償責任補償を単体で欲しい人にとって、JA共済や共栄火災は選択肢の一つに入ると思う。
ただし示談交渉サービスはない
そう、ここがJA共済と共栄火災の商品の気になるところだ。
示談交渉サービスがないということは、事故の相手方との交渉を基本的には自分でやることになる。スムーズに進めば良いが、加害者-被害者間なので感情的にもなるだろう。
最近の個人賠償責任補償にはたいてい付いているサービスなので、これがなしというのは正直惜しいと思う。
とはいえ、示談交渉サービスがないと全然ダメ保険かといえばそうではない。現実的に、保険会社や代理店は指を加えて見ているわけではないし、アドバイスを求めればきちんと応じてくれるはずだからだ。
それでも不安……という人にはお勧めできないが、昔は示談交渉サービスなんてなかったし、うさたんはさほど気にかけていない。
まあ、そんなこと言いながら楽天少額あんしん保険を選んだのだが(笑)。 [...]
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用語解説
ウサギでもわかる「払済保険」とは2021年1月29日は / はここでは、保険料の支払が負担になってきたときなどに検討する「払済保険」という制度を解説する。
よく似た制度に「延長保険」もあり、非常にややこしいので、これとの違いも説明しよう。
一言で説明!払済保険とは?
保険料の払込をストップし、その時点の解約返戻金を使って、グレードダウンした保険に変更してもらう保険のことだ!!
「保険は解約したくないけど、保険料を払い続けるのはキツい……」なんて人は、払済保険にすることで、保障の一部を継続できるというわけだ。
解約返戻金を使ってどういうこと?
払済保険が使えるのは、解約返戻金がある終身型の保険や養老保険だけだ。
例えば、ノロマなカメ野郎が2,000万円の生命保険に10年間、加入していたとしよう。
しかし、ライフプランや仕事、家族構成の変化などにより、「2,000万円もいらなくね?」「毎月の保険料キツくね?」なんて思えてきた。
「いっそのこと保険やめちゃおうかと思って……」と保険会社に相談するカメ。すると、保険会社はこう提案してきた。
「カメさん、保険金を1,000万円まで下げるなら、今後は保険料をお支払いにならなくていいですよ。その代わり、今たまっている解約返戻金500万円を我々にください」
数字は適当だが、イメージとしてはこんな感じだ。要するに、その時点の解約返戻金を元手に保険を買い直す作業に近い。
カメは保険料を払わなくて済み、保険金もちょうどよい額になってほっと一安心。保険会社も、解約されて返戻金を支払わずに済んだのでほっと一安心。というわけだ。
このような仕組みなので、解約返戻金が少ない(たまっていない)と払済保険に変更できないこともある。
払済保険の特徴
保険期間は変わらない
払済保険は、グレードダウンした保険に切り替える制度だ。したがって、保険期間は変わらない。払済前の保険の満期が60歳までとしたら、払済後の保険も60歳までだ。
同じ保険か養老保険に切り替える
元の保険契約をグレードダウンさせるので、基本的には同じ種類の保険に切り替えることになる。つまり、解約返戻金がある終身型か、養老保険だ。「全然違う種類の保険には変更できない」と覚えておくとよいだろう。
特約は消滅する
特約はオプションなので、主体となるものが消えると消滅してしまう。払済保険は、「あくまで別の保険に入り直している」と考えると理解しやすいだろう。ただし、リビングニーズ特約は引き継げるのが一般的だ。
予定利率は同じ
特約は消滅するが、予定利率は元の保険を引き継ぐところが、払済保険のポイントだ。予定利率とは、保険会社が「あんさんから預かった保険料、最低○%で運用しまっせ」と約束している運用利回りのこと。
最近は超低金利時代なので底辺を這っているが、昔はそこそこ良かった時代がある。つまり、元の保険がかなり前に加入した保険なら、お得な時代の予定利率を引き継げるということである。
新しい保険に入り直すと、現在の予定利率が適用されてしまうので、同じコストを支払うなら払済保険のほうがお得、とも考えられる。
健康告知はいらない
新規で保険に入るわけではないので、持病や既往歴を報告する告知義務はいらない。新たに契約を結ぶより手続きが楽だろう。
延長保険とどう違う?
延長保険も、払済保険保険と似たような動機で使う人が多い。詳しくは延長保険のページで解説するため、ここではざっくりとその違いをまとめるに留める。
保険金(保障額)は変わらず、保険期間が短縮される切替先は定期保険になる
「延長」と聞くと期間を連想するが、延長するのは保険金額という点に注意が必要だ。余談だが、FP(ファイナンシャルプランナ−)の資格試験はこの論点が大好き。あべこべに覚えている受験生が多いことを知っているのだろう。
まとめ
払済保険にすれば、保険料の払込をやめても保険契約を継続できる解約返戻金を元手に別の保険に切り替える制度であるしたがって解約返戻金がない、もしくは少なすぎる場合、払済保険は使えない保険金は元の保障額よりグレードダウン。でも保険期間は変わらない予定利率を引き継げる。払済保険後の保険でも解約返戻金はたまる特約は基本すべて消滅。アディオス!!
これくらい知っておけば十分だろう。なお、払済保険で保険を切り替えても、一定期間内なら前の保険に戻せる場合もある。これを保険用語で「復旧」というが、これはまた別ページで解説しよう。 [...]
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ウサギでもわかる「先進医療」とは2020年3月21日さ / せここでは、医療保険やがん保険の保障内容によく出てくる「先進医療」について解説する。
ウサギでもわかるように解説するので、安心して読んでほしい。
一言で説明!先進医療とは?
公的医療保険が使える”ノーマル医療”にするかどうかを「検討中」の医療技術のことだ!!
つまり、今後は公的医療保険の対象に移るかもしれないし、外れたままでいるかもしれない。「最先端の治療」ではあるけれど、その効果や副作用などの評価は十分ではないんだな。
だから、先進医療を受けるならそのときにかかる費用は全額自己負担になる。
患者が負担する額の一例
厚生労働省の「先進医療の概要について」の解説図がわかりやすいので引用しよう。3割負担の「現役並み所得者」の一例だ。
出典:厚生労働省「先進医療の概要について」
治療費の総額は100万円。このうち診察や検査、投薬などの80万円分には保険が使えるので、3割負担の24万円でいい。しかし先進医療部分の20万円は全額自己負担だから、この例では44万円が請求されるわけだ。
本来、このように公的保険が使える診療とそうでない診療とを組み合わせて受けた場合は、「混合診療」といってすべてが自己負担になる決まりなのだが(なので請求額は100万円になる)、先進医療は例外的に認められている。これを「保険外併用療養費制度」というが、まったく覚えなくていい。
先進医療にはどんな種類がある?
先進医療は厚生労働大臣の承認を受けたものをいい、その種類は2020年年3月1日現在で「A」が27種類、「B」が32種類だ。「A」と「B」の違いは、ざっくり言えば評価ランクの度合いで、その定義を覚える必要はないだろう。Aのほうが信頼性が高いんだな、くらいの理解でいい。
有名所としては、がんの治療に使う「陽子線治療」や「重粒子線治療」だろう。後述するが、この2つは費用も高く、保険会社が”脅かし”の意図を込めて紹介してくる。
具体的な医療技術名は厚生労働省のページに譲ろう。前述したように、その評価については検討中の医療のため、時とともに変化するかもしれないからだ。
■先進医療の各技術の概要https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan03.html
【関連記事】2万人以上が損をする?白内障の多焦点眼内レンズ手術に「先進医療特約」が使えなくなったぞ
先進医療はどこで受けられる?
先進医療は特定の大学病院などで研究・開発されており、医療技術ごとに一定の施設基準が設けられている。そのため、東京をはじめとした都会・都心で受けられるものが多い。
居住している地域によっては、先進医療を受けるために遠方の病院に出向いたり、ホテルなどを抑えたりしなければならないだろう。このハードルは意外に高いと思う。
■先進医療を実施している医療機関の一覧https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan02.html
先進医療はいくらかかる?
全額自己負担でも、それが大した費用じゃなければ恐れる必要はないのだが、残念ながら高いものは高い。目ン玉が飛び出るほど高い。
厚生労働省「平成30年6月30日時点における先進医療Aに係る費用」から、実施件数が多いものをまとめてみたぞ(多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術は除く)。
■平成30年度実績報告(平成29年7月1日~平成30年6月30日)
技術名
1件あたりの費用
年間実施件数
陽子線治療
271万6,016円
1,663
重粒子線治療
313万3,672円
1,008
MRI撮影及び超音波検査融合画像に基づく前立腺針生検法
10万7,601円
366
高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術
30万7,342円
178
抗悪性腫瘍剤治療における薬剤耐性遺伝子検査
3万3,773円
143
陽子線治療と重粒子線治療が群を抜きすぎているせいで混乱するが、先進医療だからといって、家計が破綻するような技術費用がかかるとは限らない。
また、年間実施件数からも想像がつくように、先進医療のお世話になることはほとんどないと言っていい。費用も実施件数も多い陽子線治療や重粒子線治療にしたって1,000件程度だ。一方、治療中のがん患者は約150万人いるんだぞ? 仕事を持ちながら悪性新生物で通院している人に限定しても約32万人だ(がん患者のおかれている状況と就労支援の現状について / 厚生労働省)。
だから、先進医療にかかる自己負担額に怯える必要はないのだが、保険会社は不安をあおる広告ばかり作っていやがる。本当に卑しい奴らだ。
まとめ
先進医療は健康保険を適用するかどうか検討中の医療技術最先端ではあるが優れた効果をもたらすとは限らない技術費用は全額自己負担。しかし必ず高額になるとは限らない実施病院・実施件数は全体視点で見ればごくわずか
こんなところだ。以上から、先進医療にかかる費用をカバーする先進医療特約の必要性も想像がつくと思うが、用語解説から離れてしまうため割愛する。 [...]
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ウサギでもわかる「高額療養費制度」とは2019年9月13日か / こここでは、医療保険やがん保険を検討するにあたって必ず出てくる「高額療養費制度」について解説する。
ウサギでもわかるように解説するので、安心して読んでほしい。
一言で説明!高額療養費制度とは?
高額になりすぎた医療費を払い戻してくれる、公的医療保険の制度のことだ!!
病院や薬局など、医療機関の窓口で請求された医療費の自己負担額が高すぎた場合、我々はそれを額面どおり負担しなくて済む。これは世界を見渡しても比肩するものはないほど素晴らしい制度だぞ。
「高額になりすぎた医療費」とは、具体的にどれくらいなのか?
君が請求された自己負担額が高額なのか高額でないかは、年齢や所得に応じて変わる仕組みだ。上限額は人それぞれ違うってことだな。
厚生労働省のサイトを見ながら、ちょっと表にまとめてみたぞ。
■70歳未満の場合
適用区分
自己負担額限度額の計算
多数該当(年4ヶ月目以降)
年収約1160万円以上 健保:標準報酬月額83万円以上 国保:年間所得所得901万円以上
25万2,600円+(医療費-84万2,000円)×1%
一律14万100円
年収約770~約1,160万円 健保:標準報酬月額53万円~79万円 国保:年間所得600万円~901万円
16万7,400円+(総医療費-55万8,000円)×1%
一律9万3,000円
年収約370~約770万円 健保:標準報酬月額28~50万円 国保:年間所得210~600万円
8万100円+(総医療費-26万7,000円)×1%
一律4万4,400円
年収約370万円未満 健保:標準報酬月額26万円以下 国保:年間所得210万円以下
5万7,600円
住民税非課税の世帯
3万5,400円
70歳未満の場合、年収によって5つの区分に分けられる。最も多いのは太字で示した年収約370万円~約770万円の人たちなので、この区分で具体例を計算してみよう。
たとえば、総医療費が50万円だった場合……
《計算式》
8万100円+(50万円-26万7,000円)×1%=8万2,430円50万円×30% – 8万2,430円 = 21万2,570円
というわけで、自己負担額は約8万円。残り6万7,570円が払い戻されるということだ。
しかも、だ。テーブルの一番右に「多数該当」とあるように、1年(直近12ヵ月間)以内に3回以上、高額療養費制度に該当すると、4回目からはさらに自己負担額が軽減される。先程の例でみると、自己負担は4万4,400円に下がり、10万円近以上が払い戻されるしくみだ。
すごいだろ? 医療保険やがん保険に不要論がつきまとうのは、この高額療養費制度が優秀すぎるからと言っても過言ではない。
家族の医療費も合算できる!
高額療養費制度は、同じ世帯の家族(=同じ健康保険に加入している家族)であれば、自分以外の医療費でも合算してくれるすごい野郎だ。
合算の対象は、受診者別にそれぞれ、2万1,000円以上の医療費がかかったとき。
つまり、私が窓口で47万9,000円請求され、私の妻が2万1,000円請求されたとき、うさたん一家の医療費は(47万9,000円+2万1,000円)で50万円かかったと見なしてくれ、夫婦合わせて9万4,097円しか負担しなくていい。
受診した病院が同じでなくとも構わないし、入院だとか通院だとか、受けた治療の内容が違っても合算の対象になる。いやはや、至れり尽くせりとはまさにこの制度のことだ。
ちなみに、うさたんに妻はいないがな。
70歳以上の方は、さらにお安く、使いやすく!
70歳以上の場合は、上限額や上限額の計算がまた違ってくる。こちらも表にまとめてみたぞ。
健康保険証、高齢受給者証
■70歳以上の場合
適用区分
自己負担額限度額の計算
多数該当(年4ヶ月目以降)
外来(個人ごと)
ひと月ごと
年収約1,160万円以上 健保:標準報酬月額83万円以上 国保:年間所得690万円以上
25万2,600円+(医療費-84万2,000円)×1%
一律14万100円
年収約770~約1,160万円 健保:標準報酬月額53万円~79万円 国保:年間所得380万円以上
16万7,400円+(総医療費-55万8,000円)×1%
一律9万3,000円
年収約370~約770万円 健保:標準報酬月額28万円~50万円 国保:年間所得145万円以上
8万100円+(総医療費-26万7,000円)×1%
一律4万4,400円
年収約156~約370万円 健保:標準報酬月額26万円以下 国保:年間所得145万円未満
1万8,000円(年14万4,000円)
5万7,600円
住民非課税世帯のII
8,000円
2万4,600円
住民税非課税の世帯I
1万5,000円
平成30年度の見直しにより、70歳以上の場合も70歳以下と同じく5つの区分になった。特徴としては、現役並に稼いでいるご老人は70歳未満とあまり変わらず、それ以外の方は負担が軽くなる設計だ。
このサイトを見ているほとんどの人は70歳未満だろうと思うので、詳細は厚生労働省のページに譲るが、もしわからないことがあれば私に聞いてもらってもいい(コメントしてくれれば誠心誠意お答えする)。
70歳以上の高額療養費制度はしょっちゅう変更されるため、最新情報は厚労省のページを確認するのが手っ取り早いのだが、ハッキリ言ってわかりにくいんだよな。
こんな点に注意!
こんなに素晴らしい高額療養費制度も、最強無敵のスター状態ではない。以下の点を知らないと窓口で困ることもあるので、しっかり覚えておこう。
払戻対象は「月初から月末までの一ヵ月単位」である
高額療養費制度は、「月初から月末までの一ヵ月にかかった医療費」を軽減する制度だ。たとえば4月15日に入院し、翌5月15日に退院した年収400万円の人の医療費がこんな内訳だったとしよう。
4月分(15日~30日):7万円5月分(1日~15日):8万円
この場合、どちらの月も高額療養費の上限に達していないため、請求は2ヵ月分合わせて15万円かかってしまう。
しかし、もしこの人が、4月1日~30日まで入院し、そのときの医療費が15万円だった場合は、高額療養費制度が適用されて6万7,570円で済んでしまうのだ。
入院期間、治療内容は同じでも、入退院する時期によって高額療養費はパワーを発揮できないということだな。即刻入院!みたいな緊急事態でない場合、入院は月初からがおすすめだ。
どんな医療費にでも使えるわけではない
高額療養費制度の対象になるのは、公的医療保険が適用される、つまり健康保険が効く医療にだけだ。したがって、入院中の食費や差額ベッド代(いわゆる個室)のほか、「先進医療」と呼ばれる試験中の医療に対しては支給されない。
「高額療養費制度があるからすべての入院・通院が約9万円以内で済む」というのは大間違いだと覚えておこう。
事前申請を済ませておこう
冒頭で述べたように、この制度は高額になりすぎた医療費を「払い戻してくれる」制度だ。言いかえれば、一旦は自分で全額負担することが前提で設計されているのだ(そして振り込まれるのは約2ヵ月後…)。
そんなの困る!という人は、事前に「限度額適用認定証」という書類を手に入れておこう。これを提示すれば、窓口での支払いは高額療養費制度で払い戻される分を引いた分、つまり純粋な自己負担額だけになる。
なお、70歳以上で、稼ぎが現役並でない方は気にする注意事項ではない。限度額適用認定証がなくても、健康保険証と高齢受給者証を提示すれば、純粋な自己負担額だけの支払いで済む。
まとめ
高額療養費制度は民間の医療保険殺しの公的医療サービス自己負担の上限額は所得、年齢によって違う一般的な稼ぎの人なら一ヵ月(月初~月末)の医療費は約9万円で済む家族の医療費も合算可能健康保険内の治療にしか使えない事前申請しないと窓口での負担がデカい
ほか、実は介護保険制度との合算も可能なのだが、それについてはページを分けて解説したい。
■参考・関連リンク
・高額療養費制度を利用される皆さまへ / 厚生労働省・高額療養費簡易試算 / 協会けんぽ [...]
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うさたんの独り言
雑記
生保各社が外貨建て保険の解約手数料を見直したが我々が勉強することも大事2022年1月31日雑記うさたんだ。
日本経済新聞が、生保各社が外貨建て保険の解約手数料を見直したと報じているな。
→生保各社、外貨建て保険の解約手数料見直し 住友は廃止
これは2021年から金融庁が指摘していた問題で、契約者からの苦情は受けていないものの、顧客本位とはいえない設計に対して「いい加減にしとけよ?」と釘を刺していた流れがある。
保険料を一括で払い込むタイプの外貨建て保険には、「タイムラグマージン(時間差手数料)」が設けられているのが一般的だ。時間差手数料とは、たとえば私が保険契約者、のろまなカメくんが保険会社だとすると…
契約を止めたい!解約手続きして!
いいよ!でも金利は常に動いてるし、解約手続きを終えた頃にまでマイナスが出ると僕が損しちゃうから手数料乗っけさせてね!
といった理屈で乗っけられている解約手数料のことだ。計算はちょちょいとできるものではなく、契約年数や積立金によって変動する。
日経のシミュレーションを一例とすると、保険料10万ドル(約1,150万円)の定額年金保険で積立利率を1.50%、マージンの水準を0.35%とした場合、3年目が過ぎた時点で解約すると2,490ドル(約28万円)、5年目で1,838ドル(約21万円)、7年目1,140ドル(約13万円)も引かれる計算になる。しかもこれ、結果的にマイナスが出ず売却益が出ても引かれる仕組みになっている。
2022年4月の新規契約よりこのふざけた仕組みが一部改善されるわけだが、そもそもみんな、こんな手数料があることを知ってたかい?
そういえば契約時に聞いたような聞いてないような……でも!具体的な金額のシミュレーションまではしてくれなかったよ!
そうかもしれない。が、それはフェレットちゃんが聞き逃しているだけかもしれない。
そもそも、だ。外貨建て保険というのは設計が複雑で、金融知識のない人がうかつに手を出すと危険な商品だとうさたんは考える。説明を受けてなんとなくわかった気にはなれるが、本質を理解していないから忘却するのも早い。実際にそういう人を何度も見てきた。
運用を死亡保険とセットで購入するメリット・デメリットもよ〜く考えてほしい。
この件以外でも、外貨建て保険関連で国民生活センターへの苦情が止むことはないだろう。リスクを噛み砕いて説明しない販売員も悪いが、我々消費者側も理論武装して望みたいものである。 [...]
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コロナショックに便乗して保険を勧めてくるアフィリエイターに要注意2020年5月4日雑記うさたんだ。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がマジでシャレにならんな。世界が以前の姿に戻ることはないかもしれない……なんて悲観してしまうレベルの出来事だ。
そんな先行き不安な世の中で、「しめしめ今なら……」なんてほくそ笑んでいるクソ共がいる。保険商品を取り扱うゴミアフィリエイターだ。
コロナショックによる経済リスクをカバーする保険商品はない
いいかい。新型コロナウイルスにより発生する経済リスクは、主に2種類だ。
1つは、感染してしまい治療費がかかるリスク。もう1つは、感染の有無にかかわらず、経済が停止して家計が逼迫するリスクだ。
治療費にかかるリスクは気にしなくてOK?
厚生労働省は、新型コロナウイルスを「指定感染症」に指定し、入院費は公費で負担すると発表している。所定の書類(医療費公費負担申請書、入院勧告などの通知の写し、世帯員の各種所得証明書)を保健所に退出すればタダになるわけだ。
住んでいる地域によっては一部負担が生じることもある。たとえば東京都では、住民税の一部である「市町村民税所得割額」が56万4,000円を超える人は、助成される額が月2万円までと決まっている。とはいえ、月2万円だ。それ以上かかった場合は各都道府県が負担してくれる。
つまり、治療費に対するリスクは非常に小さく、新型コロナウイルスが怖いから医療保険に入る・見直すなどという選択肢は成立しない。だってお金がかからないんだもの。
また、「今後、新型コロナウイルスのような病気がいつ出てくるかわからないから今のうちに保険を…」みたいなロジックも成り立たない。パンデミック級の病気は国が面倒を見てくれることが証明されているからだ。
国が力尽きるリスクはもちろんあるが、そんな一大事になる前に、民間の保険はとうに力尽きているだろう。
経済が停止して家計が逼迫するリスクは高いが…
すでに倒産した企業や、大量解雇に踏み切った企業、廃業して明日をも知れぬ毎日を送っている自営業者の方がいるだろう。
収入が途絶えたときのリスクをカバーする保険に「就業不能保険」「所得補償保険」という商品があるが、これは病気やケガで長期間、働けない身体になった場合に受け取れる保険だ。不景気で失職した人を救うための保険ではなく、新型コロナウイルスとは相性が合わない。
「終身保険など貯蓄系の保険なら役立つのでは?」という意見もあるだろうが、積み立てた保険料を解約して得られる解約返戻金を生活費に充てるという選択は、すでにある程度の期間加入している人にしか取れない。
家計の逼迫を救ってくれる保険商品などなく、あるとすれば、とても不謹慎な物言いになるが死亡保険金しかない。
「だからライフプランを相談しよう」という誘導もクソ
新型コロナウイルスが元で起こる経済的リスクをカバーできる保険商品は見当たらないことがわかった。しかし、だからと言って手をこまねいているわけにはいかない。
世の中が激変した今だからこそ、もう一度ライフプランを見つめ直す必要がある、とうさたんは思う。
しかしそれを保険販売員に相談してはいけない。彼らが組み直すライフプランには十中八九、彼らが売りたい保険が組み込まれるからだ。
それが商売なんだから仕方がないが、前述したように、新型コロナウイルスがおよぼす経済的リスクに対応できる保険商品はないのだ。
ゴミアフィリエイターはその辺りをぼかして保険相談などに誘導してくると思われるが、今、我々が抱えている直近の不安は民間の保険商品では解決しないよ。
自分の力を信じ、共に乗り切ろう!
以上から、ライフプランはできれば自分で設計するのが望ましい。特に難しくなく、FP協会がその手助けとなるテンプレートを用意してくれているので、参考にするといい。
https://www.jafp.or.jp/know/fp/sheet/
もちろん相談してもいいが、その場合は保険を販売する「企業型」の専門家ではなく、「独立系」といわれる専門家を選ぼう。彼らは保険会社、銀行、証券会社などに属しておらず、特定の金融を販売する資格を持っていないため、中立公正な視点でアドバイスしてくれることが多い。
何を隠そう、うさたんもコロナショックで少なくないダメージを受けているが、冷静沈着に、己の力を信じて乗り切ろうと思っている。だからこそ小銭稼ぎの便乗アフィリエイターは許せないのだ。 [...]
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保険ショップには行くな2020年4月14日雑記数社の保険商品を取り扱い、新規契約や見直しについて無料で相談を受けられるサービスがある。そう、”保険ショップ”と呼ばれる「乗合代理店」だ。
「保険ショップ」なんて検索しようものなら、やれ「選び方」だ、「比較」だ、「ランキング」だ、みたいな記事がわんさか出てくるが、全部クソだとうさたんは言いたい。
なぜ保険ショップをディスるのか。うさたんの見解はこうだ。
「相談しに行く場所」ではなく「営業されに行く場所」だから
保険ショップの利用が無料なのは、相談者が保険アドバイザーに紹介された保険に契約したとき、保険会社から少なくない手数料を受け取れるからだ。
手数料の額は保険会社によって異なるし、保険商品によっても異なるが、相談料なんか取らなくてもへっちゃらな額が動くと思っていい。
結果、彼らはバックマージン率の高い商品を優先して勧めてくるのである。「親身になって一人ひとりのお悩みを傾聴」なんて言っているが、実際は相談客の悩みなどほとんど聞いてないと思って間違いない。
相談者に何を言われても、よほど無理筋でない限り、一度は「売りたい保険」を勧める流れに持っていくのが保険ショップなのである。
一度、金融庁にこっぴどく怒られた経緯があるので、中立公正を装った説明責任は果たすものの、巧みなトーク技術と盤石のマニュアルでじわじわ落としにかかってくる。
いわゆる情弱の方々はここで契約してしまう恐れがあるし、押しに弱いタイプの方も危ない。
だから覚えておこう。彼らは相談員ではない、営業パーソンだ。来店型にしろ訪問型にしろ、このしくみは変わらない。
アドバイザーの商品知識が追いついていない
本当は「相談担当者が馬鹿」と書きたいところだが、優秀なアドバイザーがいることも知っているので、「商品知識が追いついていない」とした。
というのも、複数の保険商品を販売する「乗合代理店」というしくみ上、覚えなければいけない商品が多すぎるらしいのだ。
保険ショップで取扱の多い外資系の保険は、国内の保険ほど複雑な商品構造ではないにしろ、滅多に売れない(売らない)弱小商品など覚えていないという。
名目上、選べる保険商品が豊富にあっても、アドバイザーがきちんと理解しているのは手数料の高い一握りの商品。結局は、出来レースみたいな上位3位までの商品を勧められるのが現実である。
「相談しに行く場所」として活用するには
以上から、保険ショップに行っても、原則は「彼らにメリットのある商品を勧められるだけ」と理解してもらえたと思う。
保険ショップだってビジネスなのだから仕方がないが、我々が負担するのは今日・明日の保険料ではない。契約内容によっては死ぬまで払い続けることになる出費だ。
金融庁様の締め付けがあって以来、強引な勧誘こそ激減したが、ダメ押し的なストレートは放ってこないだけで、かる〜いジャブや巧みなボディは打ってきやがるから要注意だ。
とはいえ、保険ショップが利用価値を持つこともある。
気になる保険商品について自分で調べあげたうえで、わからない、あるいは迷っている点などがあるとき、そこだけにアドバイスを求める場合がそうだ。結果的に疑問や悩みが解決し、その保険に入る価値ありと判断できたなら、そのアドバイザーから入ってあげるといいだろう。当然のお礼だと思う。
また、他社で勧められた保険について、医療で言う「セカンドオピニオン」先として利用するのも有効だ。A社とB社とでは見解が全然違い、結局は自社の取り扱い商品を勧められる可能性もあるが、そのときはそのときで、この記事のタイトルに共感してもらえたら幸いである。
いずれにしろ、便利な使い方をするには保険に関する知識が必要だ。うさたんのサイトでよければ、ぜひ役立ててほしい。 [...]
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スポーツ保険、考え直せ2020年3月20日雑記うさたんだ。今日は、習い事をしたときに、所属の運営側からほぼ強制的を加入を迫られるスポーツ保険について語りたいと思う。
タイトルは、チンピラヤクザが鉄砲玉に任命されてから実行するまでの数日間を描いた映画『純平、考え直せ』から。純平はバカだから考え直さないのだが、みんなは利口だから考え直そうな。
なぜ、いきなりスポーツ保険に牙をむくのか?
それは、最近始めた格闘技ジムの先生から「スポーツ保険代がいるから。入会金+3,000円よろしく〜」的に言われ、「え?」となったからだ。
会員に何かあったときのリスク回避の手段として認知されている保険だし、もちろん運営者側に悪気はないのだが、残念ながらその補償内容を理解していないことが多い。補償内容を知っていたら、「これ、いらない人もいるよなあ…」という選択肢も浮かぶはずなのに、思考停止で調べようともしない。
だったらうさたんが説明しよう。
スポーツ保険の中身を考えれば一目瞭然
公益財団法人・スポーツ安全協会によれば、スポーツ保険で補償されるものは次の3つだ。
(1)傷害保険
急激で偶然な事故でケガを負い、入院、手術、通院をしたときに、1日(回)○○円といった形で補償される。死亡、後遺障害したときも保険金を受け取れる。
(2)賠償責任保険
他人にケガをさせたり、他人のモノを壊したりして、法律上の損害賠償責任を負った場合、そこにかかる費用に対して保険金を受け取れる。
(3)突然死葬祭費用保険
名称のとおり突然死した場合に、葬儀費用程度の保険金を受け取れる。
さて、保険とは、貯蓄だけでは対処できない経済的リスクをカバーするために入るものだと口すっぱく言っている。この中でその「経済的リスク」に該当するのは(2)の賠償責任関連だけだ。
入院や手術の治療費用なんてたかが知れているし、日本には高額療養費制度だってある。1カ月間にかかる治療費用の最大は、一般的な所得の人なら約8万円だ。特に手に負えない額でもないだろう。
葬儀費用は平均約200万円とされているが(「葬儀についてのアンケート調査報告書」/ 日本消費者協会)、手も足も出ない大金とは言い難いし、かかる費用ではなくかける費用なので、お金がなければ予算を圧縮すればいいだけである。最近はこじんまりとした家族葬で済ませる世帯も増えていると聞く。そもそも、日本消費者協会が発表しているデータだって信用していいものなのかどうか。(「葬儀の平均費用195万円」が怪しすぎる理由 / 東洋経済オンライン)
ところが、賠償責任は天井知らずだ。自転車保険の事故などでよく報道されているが、他人様の人生を台無しするような損害を与えた場合、その賠償金は1,000万円や2,000万円では効かないかもしれない。
自転車保険経由でなくてもいいから、個人賠償責任保険は必須
— マッチョうさたん@保険哲学 (@machohoken) February 6, 2020
だからスポーツ保険うんぬんは関係なく、どんな人でも賠償責任保険は必要なんだ。ここまではいいな?
賠償責任保険、すでに加入していない?
保険に無頓着な人はあまり意識していないかもしれないが、賠償責任保険は、自動車保険や火災保険の特約、またクレジットカードの付帯保険にも付いているものだ。
保険料は月々100円程度ながら、その必要性は説明したとおりなので、保険代理店などに勧められて追加している人は少なくない。つまり、すでに持ってない?ということだ。
「だけど、スポーツ保険の賠償責任保険というからには、スポーツ中に相手を大ケガさせてしまったときに役立つんじゃない?」と思いがちだが、そういうケースで法律上の賠償責任は問われない。スポーツをする時点で、多少の危険性が伴うことを了承していると判断されるからだ。
1.法律上の賠償責任が発生しない損害(例1)サッカーで蹴ったボールが相手に当たり、ケガをさせた場合や、かけているメガネを破損させた場合※スポーツそのものが多少の危険を伴っているだけに、たとえこれらのルールを守ってプレーをしていても、不可避的に起こってしまう事故もあります。このような事故については、多くの場合、法律上の賠償責任はないものと考えられます。https://www.sportsanzen.org/hoken/baiseki.html
つまり、スポーツ保険における賠償責任保険と、自動車保険や火災保険経由で加入する賠償責任保険とで違いはほぼなく、既に加入している人は補償が重複してしまう。加入していない人でも、わざわざ必要性が低い傷害保険と突然死葬祭費用保険とがセットになったスポーツ保険経由で入る意味がないのだ。
いま一度、自分の保険を確認して考え直せ
以上が、うさたんが考えるスポーツ保険の要・不要だ。個人賠償責任保険をすでに持っていて、医療保険に加入済の人にはさらに必要性が減る。ケガの治療しか補償してくれない傷害保険より、ケガでも病気でも保障の対象内である医療保険のほうが使い勝手がいいからだ。受け取れる給付金の総額も大きいことが多い。
加入する側はもちろん、運営者側には特に知っていてほしい基本である。「スポーツ保険、入りますか?」の一言でもいいんだ。でないと、年間3,000円程度とはいえ、すでに必要な保険に入っている人には無意味な出費をさせている。 [...]
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ネットの「保険ランキング」はほとんどが嘘っぱちで信用できない理由2019年7月4日雑記うさたんだ。
今日は保険の情報サイトでよく見かける「保険ランキング」について話そうと思う。結論から言うと、大半は恣意的な順位なので信じてはいけないぞ。
金儲け目当てのアフィリエイトだから
保険の情報サイトがランキングを扱いたがるのは、アフィリエイト(=成果報酬型広告)として収益が望めるからだ。 「○○保険 ランキング」などの検索ワードで上位表示できりゃあ、月100万円も夢じゃないからな。
決してお前さんたちにいい保険を紹介したい訳じゃないぞ。自分が儲けたいから作っているんだ。だから、アフィリエイト広告のある商品をランキング上位に置き、コンバージョン(成約)を狙う。保険の場合、資料請求ページと無料相談ページに誘導するのが主だ。
それを証拠に、アフィリエイト広告がない保険商品で1位~3位を埋め尽くしているランキングサイトなんて見たことがない。
人気も知名度もナンバーワンの商品にアフィリエイト広告がない場合、運営者は止むなくそれを1位に置くことはあるが、2位や3位には必ず対抗馬となるアフィリエイトありの商品を配置する。サイト運営者は絶妙なライティングスキルで2位や3位の保険「も」アピールしているだろう。予算のある運営者ならFP(ファイナンシャル・プランナー)や一般大衆の声を集め、中立的かつ客観的な説得力として機能するよう添えていることも多い。
懸命な読者諸君は、そんなサイトを信用してはならない。 もちろん、サイト運営者が本当に推せると思った保険にたまたまアフィリエイト広告があることは珍しいことではないし、それを掲載するのが悪いことだとは思わない。しかし、広告が絡んでいるならPR表記をしてほしいというのが一般論ではないか。
FPは本音で話しているわけではないから
保険を売らない、いわゆる独立系のFPの声が掲載されていても信用できるかは微妙だ。彼・彼女らは保険販売を取り扱う募集人でないのは確かだが、保険会社との距離が遠いわけではない。
ランキングサイトに登場する(そういう仕事にオファーがかかるレベルの)FPとなると、当然、保険会社主催の商品説明会や勉強会などに呼ばれ、関係を深めている。やや大御所になると商品開発アドバイザーのような立場で関わっているFPもいる。
そうなれば、縁のある商品を推したがるのは自然だし、否定的な意見など言いたくないに決まっているだろう。サイトに名前や顔が掲載されるなら尚のことだ。
つまり本音を言えるFPはごくわずかなのである。
しかし、FPの身になってみれば理解はできる。クソな保険をクソと罵ってもなんの得もないしな。どこかでその保険の担当者と会ったとき、嫌味を言われるかもしれない(うさたんは経験あり)。保険会社を敵に回して得られるメリットは一つもないのである。
FPが保険に詳しいとは限らないから
うさたんの経験からだが、FPだからといって保険の個別商品を逐一チェックしている訳ではない。彼・彼女らの仕事はあくまで総合的な資金計画のサポートであり、保険の新規加入や見直しはそれらを構成する一要素に過ぎない。得意分野だって各々違う。
なので、保険の基本的なしくみは理解していても、雨後の筍のように出てくる保険の新商品を追っているFPは意外に少ないのである(暇なFPはやってるかも)。
ベテランFPでさえも、保険商品のチェックは年に1回。それもランキング関係の仕事があるから仕方なく調べる、という状況が現実としてある。だから、は?これ?という商品に的外れな批評をしたりもする。
また、こう言うと元も子もないが、FPは選ばれた者だけがなれるような手の届かない職業ではない。資格試験も難しいとは言えず、まあ玉石混交なのである。うさたんよりも遥かに保険にうといFPなんて山ほどいるぞ。
まとめ:ランキングサイトは参考にとどめよう
ランキングサイトは恣意的に操作されているうえ、脇を固めるFPのコメントも当てにならない、提灯記事ならぬ提灯コメントの場合もあると述べた。
懸命な読者は決して鵜呑みにせず、どんな保険商品が販売されているのか、そのラインナップをチェックする程度の目的で眺めておけばいいだろう。
余計な情報を入れたくないという人は、そもそもランキングサイトなど閲覧しないのもオススメだぞ。自分で頑張って調べるのが一番だが、難しければ信頼できる専門家に相談するのも手だ。先生!と呼びたくなるほど優秀なFPがたくさんいるのも確かなのだから。 [...]
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ヨッパライFPの本音「不安をあおる保険営業マンも悪いが勉強不足の客も悪い」2018年11月16日雑記「保険営業なんて結局、相手の不安につけこむことから始まるからね〜」
先日、知り合いのFP(ファイナンシャル・プランナー)さんと飲んだときのこと。Aさんとしようか。多少の酒が入っていたとはいえ、保険を愛するAさんの口からそんな言葉が出てきたので驚いた。
Aさんは家計改善アドバイスを行う傍ら、保険販売も取り扱う「募集人」というやつで、その道30年以上のベテランだ。ご自身の仕事に誇りを持たれており、保険のことを悪く言うとわりとマジで怒る(医療保険不要論をめぐって私とバトル経験有)。
そのAさんが、「保険営業はとどのつまり擦り傷商法(※)」と認めたのだから驚いたのだ。(※かすり傷なのに大げさな薬を売りつけるような商法)
私はこのサイトを通して論じているとおり、保険を要・不要で捉え、いらないものは徹底的に排除したいと考えている。本業で保険に関わってはいるが、ご本人にとって必要のないものを必要のあるものに見せかけて売りつける商売なんざ滅びればいいと思っているくらいだ。
だからAさんの愚痴(?)を聞き、自分の思いは間違っていないと再確認したのだが……。
Aさんはこう続けた。
「保険というのは本来ね、営業なんてする必要がないほど魅力のあるものなんです」
「だって、それで大きなピンチを救うことができちゃうんだから」
「お客の方から『入れてください』と頼まれて『じゃあ審査にかけますね』という流れが正しい」
うん、これは正論だ。
ただ、それではビジネスが立ち行かなくなったので、保険会社や代理店の多くは利益拡大路線に舵を切り、えげつない営業をたくさんかけた。Aさんは、そんな腐った営業マンたちを嫌というほど見てきたそうだ。
売られる側の意識の低さにも問題があると、Aさんは指摘する。
「前任の○○さんに頼まれて仕方なく入ったんだよね〜。いま解約返戻金いくら?」
みたいな客が現れたときは、ぶっ飛ばしてやろうかと思われたそうだ。
「○○さんに頼まれたぁ?お前が自分で選んで入れてもらったんだろ!」
なるほど、それも正しい。この日のAさんの愚痴を整理すると、
顧客を半ばカモるようにして保険を売る奴らが蔓延している
そんな奴らはほぼほぼクソ。本当に顧客のことを思い、その人の悩みや不安を解決できる商品を提案しろ
それで相手が入りたいと言ったら審査。主体は保険会社にある。偉ぶってんじゃなくてそういう商品を扱っている
客は契約観念をもっと持て。付き合いなんかで保険に入ると自分が不幸になるだけ
酒が入って面倒くさいところもあったが、Aさんのご意見は至極まっとうだと思う。保険に加入する側からしても、こんな人なら安心して相談できるのではないだろうか。
私は、保険商品の知識はもちろん身につけたうえで、こういう真摯な人を見抜く鑑識眼も磨くべきだと思う。 [...]
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