LINEほけん「自転車のおまもり」はタダでも入る価値があるのか?

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うさたんだ。

2018年10月16日、みんな大好きチャットアプリ日本一のLINEが、ついに保険ビジネスに参入したぞ。

https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2018/2412

引受保険会社は損保ジャパン日本興亜。報道によると、2018年4月25日、小会社で金融関連サービスを提供する「LINE Financial株式会社」と損保領域で提携し、今回なんと59にもわたる商品ラインナップを発表した。

ユーザーは、わざわざ新規アプリをインストールする必要はなく(ここ評価!)、使い慣れたUIのままシンプルかつスピーディに契約・払込できるそうだ。

旅行・スポーツ・イベント・ゴルフ・賃貸など、生活シーンに合わせたミニ保険のようなラインナップのなか、『自転車のおまもり』という自転車保険を見つけたので、内容を見てみることにする。

「自転車のおまもり」の実力やいかに

自転車のおまもりの補償内容の概要はこうだ。

・補償内容 :自転車に搭乗中に他人にケガを負わせたり、他人の財物を壊した際の法律上の損害賠償責任を負担することによる損害について100万円を限度に補償いたします。

・保険金額 :100万円まで

・被保険者 :①本人 ②本人の配偶者 ③本人またはその配偶者の同居の親族 ④本人またはその配偶者の別居の未婚の子 ⑤本人が未成年者または責任能力者の場合、親権者、その他の法定の監督義務者および監督義務者に代わって責任無能力者を監督する方(その責任無能力者の親族に限ります。)ただし、その責任無能力者に関する事故に限ります。なお被保険者の続柄は、損害の原因となった事故発生時におけるものをいいます。 ⑥②から④までのいずれかの方が責任無能力者の場合、親権者、その他の法定の監督義務者および監督義務者に代わって責任無能力者を監督する方(その責任無能力者の親族に限ります。)ただし、その責任無能力者に関する事故に限ります。なお、被保険者の続柄は、損害の原因となった事故発生時におけるものをいいます。

補償内容が個人賠償責任保険だけ、という点に注目。

自転車事故で自分が怪我をした場合の治療費をカバーする「傷害保険」とのセット販売ではなく、純粋な自転車保険だという点は評価したい。同時に、被保険者の補償範囲も、自分や配偶者、また同居の家族などまでカバーしてくれる(一般的な個人賠償責任保険と遜色ない)。

ところが肝心の保険金額は、さすがに簡易的な保険のため、100万円までしか補償してくれない。これは不安だ。

他の記事にも書いているが、自転車事故で相手を怪我させたときの損害賠償は高額になる恐れがある。100万円以内に収まるケースもそりゃああるだろうが、1,000万円単位の支払事例も事実出ており、世間を騒がしているのだ(http://www.sonpo.or.jp/efforts/reduction/jitensya/)。

自転車事故を取り巻く現状を鑑みると、100万円なんかじゃとても足りないと思う。心細い。商品名のとおり「おまもり」に過ぎないと言いたいが、そういう意味で名付けたのならGJ!

無料で加入できるキャンペーンを実施中だが…

LINEほけんのスタート記念として、期間限定で「おまもりシリーズ」に無料で加入できるというキャンペーンが実施されている(自転車保険は2018年11月17~11月30日まで)。

そのラインナップに「自転車のおまもり」もあり、「まあ、タダなら入っても損はないかな」と思ったそこのあなた! 否定はしないが注意してほしい点が2つある。

自転車保険に加入していない人へ

一つは、先述したとおり、この保険は保険金額が心もとない。個人賠償責任保険の補償が上限100万円なんて、マジで気持ち程度なので、そこを理解したうえで加入してほしい。

不安なら別の自転車保険または個人賠償責任保険を選んだほうがいい。

既に加入している人で、補償の増強目的で興味のある人へ

もう一つは、自動車保険や火災保険など、既になんらかの手段で個人賠償責任保険を持っている人が、「補償の増強」という意味合いで加入しようしている人に言っておきたい。

個人賠償責任保険というのは、平たく言えば「損した分を取り戻す」のであって、複数社に入っていればそれぞれの会社に請求できるものではない。

たとえば、既に1億円の個人賠償責任保険Aに加入していて、新たに別会社の1億円の個人賠償責任保険Bに入った人が、自転車事故でやらかして5,000万円の賠償命令を受けたときの保険金は、どちらか一方に5,000万円請求するか、両社に2,500円ずつ請求することになる。

今回の目的の場合、元々の保険の補償額が1億円として、LINE自転車保険の100万円を足すと1億100万円になるのだが、そんな補強に意味があるのか…? もちろん、1億100万円の賠償命令が出たときは機能するが、そんなケースは稀中の稀ではないか。

つまり、純粋に「やったー!100万円分も増強できる」という人がいたら、そんなもの焼け石に水レベルだよという老婆心である。まあ、そんな人は少ないと思うが……。

というわけで私が加入したのは

既に個人賠償責任保険1億円に加入している私には不要であり、無料キャンペーンであっても楽勝でスルーなのだが、LINEほけんの試みには注目しているので、「スマホのほけん」に加入してみたぞ。

契約手続きは確かに簡単でスピーディ。あっという間に完了である。

不注意でよく落とすもので(笑)。

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