落とし穴注意!三大疾病系特約のイケてる保障とダメ保障

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三大疾病は、どんな医療保険にも必ずといっていいほど用意されている特約だ。

がん・心疾患・脳血管疾患の3つは日本人の死因上位を占める重病で、治療期間が長引く恐れがあるため保険で手厚く備えましょう」というのが保険会社のセールストークである。

別に必須の特約とはいえないのだが、給付条件によっては付けたほうがお得なケースもある。そこで今回は、イケてる三大疾病系特約と、付き合っても何の価値もない三大疾病系特約の違いを解説しよう。

【三大疾病】がん保障の見極め方

うさたんが考えるイケてるがん保障は下記である。

  • がんと診断されただけで給付される
  • がんは悪性新生物だけを保障する
  • 初回給付だけしか出ない(複数回保障は魅力的だが絵に描いた餅に終わる可能性がある)
  • (複数回保障タイプを選ぶなら)前回給付からの間隔が狭い

がんと診断された時点で一時金を受け取れるか

チェックポイントはシンプル。「所定のがんと診断されたとき」かどうかを見てくれ。「診断」という言葉を探そう。「入院したら」とか「手術を受けたら」とか、まどろっこしい前提が付いているものは避けたほうがいい。

複数回保障タイプは前回給付から何年か

がんは再発する恐れもあるため、なかには2回以上保障する特約もある。再発リスクを重く見ている場合、初回限定のがん保障より複数回保障タイプのほうが安心だろう。しかし、2回目以降は「がんと診断されて入院を開始したとき」など、少しハードルが上がるのが一般的だ。

問題は給付条件の間隔である。現状、多くのがん保険は、「2年に1回を限度」としている。しかし、一度がんになった人は再発確認のために定期的に検査するのが一般的で、不運にも再発するとすれば2年以内に起こることが多い。

つまり、「2年に1回」では機能しないことが多いのだ。できれば「1年に1回」としている保障のほうがよいだろう。

また、「○年に1回」とはいつの時点から数えているのか?も必ずチェックしたい。

  • 前回のがん診断一時金金を受け取った後から?
  • 前回のがん手術が完了してから?
  • 前回のがん治療が終了してから?

どのタイミングから数えるかで話がむちゃくちゃ変わってくる。当然、早くから数えてくれたほうが嬉しいのはいうまでもない。

……ちなみに、再発しても早期発見すれば治療費はさほどかからないケースもある。わざわざ診断一時金に頼る必要がないのであれば、初回限定で終わる保障のほうが保険料が安くて合理的という見方もできるわけだ。

「所定のがん」とは悪性新生物のことか

がんには悪性新生物と上皮内新生物とがあり、平たくいえば前者が重いがん、後者が軽いがんである。上皮内新生物の場合、転移や再発の恐れがほぼないため、基本的には手術で除去すれば完治する可能性が高い。長く入院する必要はないし、治療費は知れているため、保険に頼る必要性が低いといえよう。

したがって、うさたんにとって上皮内新生物まで保障するがん保障はお断りである。上皮内新生物を保障範囲に加える分、少しとはいえ保険料も高くなるしな。

それでも、「がん」という響きは恐ろしいため、上皮内新生物まで保障してくれたほうが安心という気持ちは理解する。保険会社もそれがわかっているから「上皮内新生物でも保障!」と叫んでいるわけだが…要・不要はよく考えたほうがいい。

だが、上皮内新生物と診断され1回目の診断給付金を受け取った人が、不運にもがんが再発し、今度は悪性新生物と診断されたとしよう。前述の通り、2回目の給付は1回目より給付条件のハードルが高い。
1回目の「軽いがん」で診断給付金を受け取っていなければ本当に必要なときに必要な額を受け取れたのに……!というケースは現実にある。

【三大疾病】心疾患の見極め方

  • 「心疾患」を保障する
  • 給付条件に長々とした労働制限を設けていない
  • 治療のための入院や手術を受けたら給付される

心疾患を保障する

一昔前の三大疾病における心疾患は「急性心筋梗塞」だけを保障するものが主流だった。急性心筋梗塞は数ある心疾患の一つに過ぎず、同じく心疾患の病である狭心症や心不全は対象外だったのである。循環器の病気はどれも怖くて恐ろしいため、「心疾患」と幅広く保障する保険が望ましい。

給付条件に長々とした労働制限を設けていない

たとえ急性心筋梗塞になっても、「初診日から60日以上の労働制限を必要とする状態が継続したと医師が診断したとき」などという無理ゲー条件がまかり通っていた時代がある。要するに「約2か月間は寝たきり状態でないと給付金なんか出しませんよ」というわけだ。

ところが、厚生労働省がまとめた『傷病分類別の平均在院日数』(執筆時現在)によれば、心疾患全体の平均在院日数は19.3日、75歳以上に限定しても28.8日である。

そもそも急性心筋梗塞というのは、発症後の速やかな処置が重要であり、ここをミスると病院に到着する以前に死亡することも多いとされている。早い話、早期に亡くなるか、回復して2~3週間で退院するかのどちらかが多いのだ。

給付の可否を握る労働制限は30日でも長いほどじゃないか。

治療のための入院や手術を受けたら給付される

ハードルのクソ高い支払要件を一部のFPにボロクソに叩かれた結果、保険会社は随分と要件を緩和したように思う。最近は「所定の手術を受けたら」「治療のための入院を○日間継続したら」など、以前とは比べ物にならないほどユーザー寄りの保障が出てきた。

それでも一部にダメ保険は残っているし、「所定の手術」とやらがややこしいものだったり、「治療のための入院○日間」が長かったりする保障には要注意だぞ。

【三大疾病】脳血管疾患の見極め方

  • 保障が「脳卒中」に限られていない
  • 給付条件に長々とした労働制限を設けていない
  • 治療のための入院や手術を受けたら給付される

保障が「脳卒中」に限られていない

考え方としては前述した心疾患と似ている。従来の保障は、数ある脳血管疾患のなかでも脳卒中(脳梗塞・脳内出血・くも膜下出血)だけを給付対象としてきたが、幅広く「脳血管疾患」といえよという話である。

脳血管疾患であればすべてを保障する保険はないと思うが、保障対象となる疾病は一つでも多いほうがいい。

給付条件に長々とした労働制限を設けていない

これも心疾患で述べたのと同様である。無理ゲーの60日ルールはほとんど見られなくなったものの、それに次ぐ厳しい支払要件を敷いている保険もある。難しくても約款は精読したい。

治療のための入院や手術を受けたら給付される

心疾患と脳血管疾患の支払要件は二卵性双生児のようなもので、顔も中身も非常に似ている。以前は厳しかった支払要件も、最近は所定の手術や入院期間をクリアすれば給付されるようになった。

とはいえ、未だに「嘘だろ?」という保険が平然な顔で生存しているので見極めを怠らぬよう。

脳血管疾患の平均在院日数は78.2日だが、平均を押し上げているのは65歳以上の高齢者だ。現役世代(64歳以下)は27.8日なので、治療のための入院継続期間が30日でも「いい保険だー!」と喜べはしない。

まとめ:三大疾病は支払要件を刮目せよ!

マッチョうさたんが医療保険を語る

医療保険の三大疾病特約は以前に比べて改善しているものの、まだまだイケてる保障は少ないといえる。

また、がん保障は各社が足並みをそろえているが、心疾患と脳血管疾患はバラバラだ。がん保障が及第点だからといって残りの2つがクソな特約を選ばないようにしような。

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