数社の保険商品を取り扱い、新規契約や見直しについて無料で相談を受けられるサービスがある。そう、”保険ショップ”と呼ばれる「乗合代理店」だ。
「保険ショップ」なんて検索しようものなら、やれ「選び方」だ、「比較」だ、「ランキング」だ、みたいな記事がわんさか出てくるが、全部クソだとうさたんは言いたい。
なぜ保険ショップをディスるのか。うさたんの見解はこうだ。
「相談しに行く場所」ではなく「営業されに行く場所」だから
保険ショップの利用が無料なのは、相談者が保険アドバイザーに紹介された保険に契約したとき、保険会社から少なくない手数料を受け取れるからだ。
手数料の額は保険会社によって異なるし、保険商品によっても異なるが、相談料なんか取らなくてもへっちゃらな額が動くと思っていい。
結果、彼らはバックマージン率の高い商品を優先して勧めてくるのである。「親身になって一人ひとりのお悩みを傾聴」なんて言っているが、実際は相談客の悩みなどほとんど聞いてないと思って間違いない。
相談者に何を言われても、よほど無理筋でない限り、一度は「売りたい保険」を勧める流れに持っていくのが保険ショップなのである。
一度、金融庁にこっぴどく怒られた経緯があるので、中立公正を装った説明責任は果たすものの、巧みなトーク技術と盤石のマニュアルでじわじわ落としにかかってくる。
いわゆる情弱の方々はここで契約してしまう恐れがあるし、押しに弱いタイプの方も危ない。
だから覚えておこう。彼らは相談員ではない、営業パーソンだ。来店型にしろ訪問型にしろ、このしくみは変わらない。
アドバイザーの商品知識が追いついていない
本当は「相談担当者が馬鹿」と書きたいところだが、優秀なアドバイザーがいることも知っているので、「商品知識が追いついていない」とした。
というのも、複数の保険商品を販売する「乗合代理店」というしくみ上、覚えなければいけない商品が多すぎるらしいのだ。
保険ショップで取扱の多い外資系の保険は、国内の保険ほど複雑な商品構造ではないにしろ、滅多に売れない(売らない)弱小商品など覚えていないという。
名目上、選べる保険商品が豊富にあっても、アドバイザーがきちんと理解しているのは手数料の高い一握りの商品。結局は、出来レースみたいな上位3位までの商品を勧められるのが現実である。
「相談しに行く場所」として活用するには
以上から、保険ショップに行っても、原則は「彼らにメリットのある商品を勧められるだけ」と理解してもらえたと思う。
保険ショップだってビジネスなのだから仕方がないが、我々が負担するのは今日・明日の保険料ではない。契約内容によっては死ぬまで払い続けることになる出費だ。
金融庁様の締め付けがあって以来、強引な勧誘こそ激減したが、ダメ押し的なストレートは放ってこないだけで、かる〜いジャブや巧みなボディは打ってきやがるから要注意だ。
とはいえ、保険ショップが利用価値を持つこともある。
気になる保険商品について自分で調べあげたうえで、わからない、あるいは迷っている点などがあるとき、そこだけにアドバイスを求める場合がそうだ。結果的に疑問や悩みが解決し、その保険に入る価値ありと判断できたなら、そのアドバイザーから入ってあげるといいだろう。当然のお礼だと思う。
また、他社で勧められた保険について、医療で言う「セカンドオピニオン」先として利用するのも有効だ。A社とB社とでは見解が全然違い、結局は自社の取り扱い商品を勧められる可能性もあるが、そのときはそのときで、この記事のタイトルに共感してもらえたら幸いである。
いずれにしろ、便利な使い方をするには保険に関する知識が必要だ。うさたんのサイトでよければ、ぜひ役立ててほしい。