「わりかん保険」はがん保険の新時代を築き上げることができるのか?

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ジャストインケース(justInCase)という少額短期保険業者から、面白いがん保険が出た。がんと診断されたら一時金80万円を受け取れるが、保険料は0円から加入できるというもの。

海外で成功しているシェアエコ保険というしくみなのだが、日本のがん保険では初だ。以下、うさたんがわかりやすく解説するぞ。

がんになった人が出た時点で保険料が発生する

わりかん保険の「わりかん」とは、がんと診断された人の診断一時金をみんなで支払うという意味。がんになる人が多かった月の保険料は高くなり、少なかった月は安くなるというわけだ。みーんな健康なら保険料はかからないし、これぞままさに助け合い。

じゃあ、がんになる人がめちゃくちゃ多かった月は保険料が爆上がりするのかというと、そうではない。上限が決められていて、20歳〜39歳は500円まで、40歳〜54歳は990円、55歳〜74歳は3,190円までとなっている。

診断一時金の保障額80万円というスペックを考えると、55歳以降は別に安くないじゃんと思わないでもないが、あくまでマックスであると覚えておきたい。

上皮内新生物でも全額保障

保障内容は、がん診断一時金、上皮内がん診断一時金、死亡保険金の3つ。

診断一時金

保障回数は保険期間(1年間)を通して1回1きりだが、「軽度のがん」と言われる上皮内新生物でも全額の80万円が受け取れる。

うさたんは、上皮内新生物「程度」の治療費は貯蓄で対応すればよいと考えているが、前述のとおり保険料が格安なので文句はない。とはいえ、もし上皮内新生物を保障対象外としたとき、どのくらい保険料が下がるのかは気になるところ。

オプションとして選べる設計にしてあると言うことなかったのだが。

死亡保険金

死因にかかわらず、死亡保険金も付いてくる。金額は年齢と性別によって異なり、男性は最大200万円、女性は最大300万円となっている。

70〜74歳で死亡したとき、男性は5万円だが、女性は90万円と、かなりの差がある。

がんになる人が多いほど保険会社は潤う?

シンプルなつくりのせいもあって、解説することはこれくらいなのだが、保険会社のキャッシュポイント(収入源)についても触れておきたい。次の流れになる。

  1. 加入者ががんと診断された
  2. 保険会社が診断一時金を支払い
  3. 翌月、加入者全員から保険料を徴収
  4. 集めた保険料から手数料として25~35%頂くよ

我々が知っている保険のしくみとは大きく違うことがおわかりいただけるだろうか。従来の保険は、最初の段階で保険料を集め、支払事由を満たす人がいたら、集めた保険料の中から保険金を支払う。だから、がんになる人が多ければ保険会社の取り分は減り、少なければ増える。

どちらにしろビジネスは成り立つわけだが、わりかん保険の場合は逆だ。がんになる人が多ければ多いほど儲かってしまう収益構造なのである。

もっとも、加入者の利益に関係のある話ではない。加入者が増えればがんになる人の確率も増えるが、みんなでわりかんするので保険料の負担は減る。この点が気になるのは、うさたんの性格が悪いからだろう。

うさたんの結論:納得できるがん保険

コンセプトが素晴らしいし、保障内容もまずまず。保険料がかかる月には、がんになった人の数や保険金の額などが開示され、透明性もある。

がん保険を不要だと考えるうさたんでも、「納得できるがん保険」として、今後の動向を見守りたいと思う。

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